すてっぷ・じゃんぷ日記

運動会とDCD

D君がぶつくさ言いながら登所してきました。運動会練習の季節なのです。「あのな、V字バランスってあるよね」ハイハイ「あれな足も頭も上げてバランスとってていうけど、俺には至難の業なんや」ソウヤネ「頭を意識すると足がわからんようになるし、足を意識したら頭側がおろそかになるねん」協調動作ガムズイ?「そうやねん。俺不器用やからいっつもハズイ目にあっているねん」タシカニ…。

2つ以上の動きを同時に行うことを「協調運動」と言います。 発達性協調運動(症)障害(DCD)とは、2つ以上の動きを同時に行うことが困難になる障害です。例えば自転車に乗るときに手でハンドル操作をしながら足でペダルをこぐなど、異なる動きを同時に行うことが難しい状態です。

2:1~7:1で女子より男子の方が発症しやすいといわれており、5~11歳までの子供では5~6%の確率で発症すると考えられています。発達性協調運動障害(DCD)の原因は、まだ詳しく解明されていないのですが、特徴としては、次のような障害が挙げられます。

1.筋肉の制御に対する障害(筋肉をうまく動かせない)
2.神経発達過程の障害(視覚的な運動機能の障害)
3.運動技能の欠如(日常生活内の動きが困難になる)
これらの障害により、発達性協調運動障害の子供は年齢や知能に比べ、運動能力が著しく低かったり、日常生活の簡単な動作にも不器用さが見られるようになります。

発達性協調運動障害はADHD(注意欠陥・多動性障害)やASD(自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群)の症状も同時に見られることがあるため、こちらの障害に包括されてしまうことが多いです。発達性協調運動障害とADHDを同時に持っている子供は、ADHDのみを発症している子供に比べて、強い症状が現れます。

発達性協調運動障害(DCD)は運動機能だけに障害があるので、運動機能を改善させるための接し方としては事実と理屈で示していきます。発達性協調運動障害(DCD)の子どもは、自分がうまく動けていないことに気がついていない場合もあります。鏡に映したり、スマホで見せてあげたりするとよく自覚してくれます。

運動機能を高めていくには、まず自分の苦手なところを発見することから始めます。そのためには、大人が子どもをよく観察してあげる必要があります。運動会の時期に先生方は大変でしょうが一肌脱いであげてください。そして、正しい力の入れ方を感覚と言語のWルートで理解させてください。だんだん正しい運動の感覚が理解できるようになってきて、少しずつ出来ていくので上達したらたっぷりと褒めてあげることが大切です。

この練習はできれば毎日続けてやった方が効果的です。間を空けると、せっかく覚えた感覚を忘れてしまうので、ある程度できるようになるまでは続けて練習してください。みなさんの周りにもきっとD君やEさんが2~3人いるはずです。