掲示板

みんなちがってみんないい

幼い日に発達障害と診断、そして... 親子で目指すピアニストへの道

幼い日に発達障害と診断、そして... 親子で目指すピアニストへの道

3/1(火)【朝日新聞】

幼いころに発達障害と診断され、その後数々のピアノコンテストで優秀な成績を収める高校生がいる。札幌市の高校1年土田裕利(ゆうり)さん(16)。年初の「ショパン国際ピアノコンクール in Asia(アジア大会)」の高校生部門で金賞を獲得。プロのピアニストを目指して練習に打ち込んでいる。

1月12日のコンクールで土田さんは、ショパンの「スケルツォ第4番作品54」と「練習曲作品25―6」を演奏。高校生部門(ホール審査)の最高賞金賞2人のうち1人と、同部門ソリスト賞に選ばれた。「ミスしたところがあったので驚いた。うれしかった」と話す。

2、3歳ごろから、空気清浄機をピアノに見立てて遊ぶ「演奏会ごっこ」に熱中した。5歳のときから、きょうだいの影響でピアノ教室に通い始めた。

しかし教室ではじっと座っていられず、黒板に落書きを始めたり外の物音を気にしたり。幼稚園でもぼんやり立っていることが多かった。心配した母智美さん(47)と診察を受けたところ、発達障害の注意欠陥障害とアスペルガー症候群と診断された。

小学4年生までは特別支援学級に通った。ピアノを弾くのは得意だったが、楽譜がうまく読めず、智美さんが五線譜を指でたどって導いた。先生に「テンポが速い」「音が強いよ」と言われるとどうしていいか分からなくなってしまう。付き添った智美さんが「ゆっくり弾いて」「弱くして」と言い換えると、どんどん上達していった。

周囲の支援も受け、5年生から普通学級に。中学校では勉強のコツも覚え、成績も上がり札幌東高へ進学した。

7歳のときから指導する札幌市中央区のピアノ教師、永井礼子さん(68)は「発達障害のお子さんに教えるのは初めてだったが、しっかり話も聞けるし困ることは一つもない」。練習曲でも情感を込めて「歌う」ように弾くのが裕利さんの特徴だという。

-------------------------------

ピアニストで発達障害を思い出すのは漫画『のだめカンタービレ』です。TVドラマでは野田恵(のだ めぐみ)を上野樹里がASD(であろう)のピアニストをコメディータッチに描きます。原作漫画のモデルは実在しますが、テレビドラマで上野樹里が演じる「のだめ」モデルはASDピアニストの「野田あすか」ではないかと(のだめカンタービレ: 2020/11/13) で以前掲載しました。

行動問題があると、特別支援学級に入級と言うパターンが少なくないですが、ASD児の場合小学校高学年から中学生くらいで「霧がはれる」ように社会適応できるようになる人もいますから、特支級から通常級にリリースする場合もあるはずです。でも、才能の片りんはもっと小さな時期から見せていることが多いです。それを見抜くのは芸術や音楽、科学の世界の楽しさを知っている人たちです。

発達障害だから才能があると言うわけではありませんが、好きなことをとことん追求する強い癖がある人は、その世界の人たちがそばにいると音叉のように共鳴しやすいのだと思います。天才と言われる人たちの中にASD者が多いのはそのためだと言われています。

特別支援教育「全教員が2年以上の経験を」 文科省検討会議教育「全教員が2年以上の経験を」 文科...

特別支援教育「全教員が2年以上の経験を」 文科省検討会議

2/24(木) 【毎日新聞】

特別支援教育を担う教員をどう育成するかについて議論している文部科学省の検討会議は24日、すべての教員が採用後10年程度の間に、特別支援学級の担任などの経験を2年以上積むことが望ましいとする報告書案を大筋で了承した。専門性を持つ教員を育てるとともに、特別支援教育の経験を通常学級での実践に生かしてもらう狙いもある。

文科省は報告書案に基づき、全国の教育委員会に人事制度の改善などを促す。

通常の小中学校で特別支援教育を受ける児童・生徒は急増している。特別支援学級に所属したり、通常学級に籍を置きながら一部の授業を別室で行う「通級指導」を受けたりする子どもは、2011年度は約22万人だったが、21年度は約46万人と2倍以上になった。

こうした子どもは今後も増加が見込まれ、特別支援教育の担い手の育成が求められている。しかし、小中学校の校長は実践経験が乏しく、校内の一部の教員に頼るケースが多いとされる。また、特別支援学級の担任は、年度ごとに契約が更新される不安定な臨時教員の比率が高い。

報告書案はこうした現状を改善するため、「特別支援教育の経験がある教師を増やしていくことが必要」と指摘。採用から早い段階で実務経験を積むことに加え、普通学校と特別支援学校の人事交流を一層促進したり、教育委員会の幹部を登用する際に特別支援教育の経験を考慮したりすることを提案した。【大久保昂】

----------------------------
昔は、と言うと「また昭和の古の話か」と思われそうですがその通りです。指導力がありリーダー格の教員が、特別支援学級の担任か教務主任かどちらかを担当するというのが、良い学校の典型でした。つまり、校長教頭は除きトップレベルの教員を支援学級担当者に充てたのです。悪い学校の典型は、支援学級の担任が経験の浅い講師であったり、通常学級で指導力不足の教員であったり、体力が持たない定年前の教員を充てる学校です。

トップレベルの教員が支援学級の担任をすることによって、学校全体の特別支援教育や多様性教育が自ずと進むのです。逆に指導力がないと職員全体から見られている教員が支援学級を担当すると、特別支援教育や人権教育が進まずいじめや生徒指導案件が噴出する傾向があったように感じました。

全ての教員が特別支援学級を担当するのは良いことですが、大事なのは適材適所だと思います。機械的に特別支援学級や通級担当者を命じられても、教科書のない特別支援学級や通級指導教室は何をどうしていいのか分からないまま1年が過ぎていきます。特に通級指導教室担当者はアセスメント力量と知的遅れのない3障害(ASD・ADHD・LD)への多くの知見が求められます。

複数で担当するなら特別支援の新米教員を数年おきに入れ替えることもできるかもしれませんが、一人担任なら子どもが迷惑です。毎年力量の低い担当者では困るのです。そもそも、通級担当者は、小さな学校では育成が困難ですから自治体の教育委員会籍で少人数のチームを作った方が良いかもしれません。教員でも指導技術は集団で学び合うという視点がないと、せっかくのアイデアも絵にかいた餅にならないように合理的なシステムを考えて欲しいと思います。

いじめストップ!ワールドアクション「ピンクシャツデー2022 in 神奈川」

いじめストップ!ワールドアクション「ピンクシャツデー2022 in 神奈川」

2/23(水) 【ヨコハマ経済新聞】

横浜駅東口地下2階の新都市プラザ(横浜市西区高島2)で「ピンクシャツデー2022 in 神奈川~いじめストップ!ワールドアクション」のパネル展示・チャリティーグッズ販売イベントが、2月23日に開催される。(ヨコハマ経済新聞)

ピンクシャツデーは、ピンクのシャツを着ることで「いじめ反対」のメッセージを送るキャンペーン。運動は2007年にカナダで始まり、バンクーバーがあるブリティッシュ・コロンビア州知事が2月の最終水曜日を「ピンクシャツデー」と宣言したことで、世界各国で活動が行われている。今年は2月23日がピンクシャツデー。

主催は、ピンクシャツデー2022 in 神奈川推進委員会と認定NPO法人「神奈川子ども未来ファンド」。キャンペーンを通して、人々の中にある「偏見や差別」と向き合い、多様性を認め合い、いじめをなくす姿勢を発信する。

カナダの2人の高校生の行動をきっかけに、2008年に始まったいじめ防止の取り組み「ピンクシャツデー」は、ピンクのシャツを着て登校した男子生徒がホモセクシュアルとからかわれ、いじめにあい、それを知った2人の上級生が、50枚のピンク色のシャツを買い込み、友人たちに配布。翌日、呼びかけに賛同した多くの生徒がピンクのシャツやピンクの小物を身に着け、学校中がピンク色に染まり、いじめは自然となくなったというエピソードから始まった。現在、SNSなどで世界中に広まり、180カ国以上で「いじめストップ!」に関するさまざまな活動が行われている。

いじめは、学校に認知された件数だけで年間54.4万件(2020年内閣府子ども・若者白書)が報告されている。気づかれなかったり、見過ごされるなどで認知にいたらない数を含めると数倍になると言われている。

そごう横浜店8階特設会場と横浜タカシマヤ1階婦人洋品売場では、2月1日から23日までピンクシャツデーのチャリティーグッズ販売が行われている。横浜ランドマークタワー、コスモクロック21、横浜市庁舎、横浜税関クイーンの塔などで、施設をピンク色にライトアップする関連イベントも行われる。

主催者は「ピンクのシャツや小物を身につけて、あなたも『いじめストップ!』の意思表明を」と参加を呼びかけている。

問合せは、ピンクシャツデー神奈川推進委員会事務局「神奈川子ども未来ファンド」(TEL 045-212-5825)まで。

-----------------------------------
同調圧力を逆手に取ったピンクシャツムーブメントです。学校でこうしたムーブメントができたのは、私服が自由な欧米の学校の風潮もありますが、欧米の学校の人権感覚の高さがなせる業と思います。もしも日本の学校で制服の下にピンクのシャツやカッターを着たら生徒指導の先生が飛んできそうです。民主的な感覚を育てたり公正さを求めたムーブメントを起こす力は一朝一夕に成せるものではありません。世界に発信したカナダの一学校での取組も、きっとその背景にはこの二人の生徒の取組を温かく見守り続けた大人たちの姿があったに違いありません。

登別市議会本会議に、市議や市長らがピンク色のTシャツとマスクを着用していじめに臨んでいます。これは高校生が24日に市内で企画する、いじめ反対の意思を示す運動「ピンクシャツデー」に賛同したものです。また、昨年、台湾の閣僚らがピンクのマスクを着ける男の子を応援し、一大ムーブメントになったニュースがありました。このニュースはいじめの内容がピンクは女の子色だということでいじめられた男の子の訴えを政府が受け止めて議員や閣僚らがピンクマスクはかっこいいと宣伝した話です。台湾は未だに同調圧力の強い国ですが、蔡英文総統をはじめ政府官僚たちの意識が高い系です。

台湾は、中国からの侵略をいつ受けるかわからないと、香港民主化デモを中国政府が制圧してから緊張感が高まっています。その分、中国とは価値観が全く違うと、台湾の民主主義をあらゆるところでアピールして中国本土に民主主義はないと喧伝します。今、ウクライナにロシアが侵攻して占領する事実を作ってしまうと、中国の台湾侵攻も時間の問題と言われます。そして、中国の台湾侵攻は日本の領土保全や安全保障に大きく影を落としてきます。ピンクシャツムーブメントとは言え、民主主義の課題は平和の問題と大きく連動していると思います。

障がいは“異彩” アートで社会を問い直す「ヘラルボニー」【ネクストリーダー2022】

障がいは「異彩」 アートで社会を問い直す「ヘラルボニー」【ネクストリーダー2022】

2/14(月)【WWD】

双子の松田崇弥代表と松田文登副代表が率いるヘラルボニーは、知的障がいのあるアーティストの作品をアパレルやインテリアに生かすブランド事業と、アート作品のデータを幅広い用途に転用するライセンス事業を行っている。立ち上げから3年が経ち、売り上げを順調に伸ばす一方で、「障がいを“異彩”と捉える新しい価値観を広げるのが目的だから、まだスタート地点にさえ立てていない」と口をそろえる。強い意志で動く彼らの背景には、自閉症の兄の存在と、兄に向けられる視線に覚える“違和感”があった。

WWD:ヘラルボニーを立ち上げた経緯は?

松田崇弥ヘラルボニー代表(以下、崇弥):僕たちには、重度の知的障がいを伴う自閉症の兄がいる。自分のリズムが乱れるとパニックを起こすこともあるが、それが欠陥とは思わず、一緒に遊び、ときには喧嘩をして、人生を共にしてきた。でも親戚からは、「かわいそうだね」「君らは兄貴の分まで生きろよ」と言われ、冷ややかな視線を向ける人がいた。そういった、障がいを“欠陥”だと捉える反応に直面するたび、いつも気持ち悪さを抱いていた。そんなある日、障がいのある人の作品を展示する岩手の「るんびいに美術館」を訪れた。障がいを持つ人のアート表現に衝撃を受けた僕は、「こういう人と何か一緒にできないか」とすぐさま弟に連絡した。互いに別の仕事をやりながら、副業として小さなブランドを始めた。

ブランド名は「ムク(MUKU)」。最初は、障がいのある人のアート作品を柄にしたネクタイを作った。そこから、ハンカチや傘などアイテムの幅を広げ、3年前に企業としてヘラルボニーを立ち上げた。

WWD:アート作品の展示ではなく、なぜブランドから始めたのか?

崇弥:作品を展示するだけでは、“アール・ブリュット”(美術の専門教育を受けず、思いのままに創作するアート)に興味がある人にしか届けられない。僕たちは“社会の目をどう変えるか”にチャレンジしている。“障がい”や“福祉”と聞いた瞬間に耳を塞いでしまう人や、自分とは関係ないと思う人にこそ届けたい。ブランドという傘があれば、間口が広がる。

文登:ブランド以外にも、約2000点のアート作品のライセンス事業も行っている。アートデータをアパレルやノベルティに活用してもらったり、建設現場の仮囲いに使われたり。美術館やギャラリーを飛び出して、イベントや街、人々の生活にまで徐々に浸透している。

WWD:作家はどのように見つけている?

崇弥:見つけるというよりも、出会っている感覚だ。福祉施設から紹介されて出会うパターンと、自社サイトの問い合わせページで作品が送られてきて、その中で素敵だと思った人と直接やりとりして契約するパターンがある。僕らは、「障がいのある全員がアーティストだ」と発信したいわけじゃない。個性はさまざまあり、その中にすごく素敵な作品を描く人がいるだけ。その人たちを社会とコネクトさせるのが僕らの役割だ。今は153人と契約している。

文登:作品が面白くても、障がいの重さからビジネスにするのは困難だと思われている人もいる。たしかに半年に一度個展を開き、売買で利益を得るのは難しいが、データとして保管し、それを貸し出してライセンスフィーが入る仕組みなら、社会と無理なくつながることができる。

WWD:ライセンスや建設事業など、ビジネスの目のつけどころが鋭い。

崇弥:僕はかつて、小山薫堂さんの元で働いており、キャラクターライセンスの可能性を感じていた。文登は新卒でゼネコンに入社し、「仮囲いに勝機がある」と常々語っていた。どちらも前職の強みが生きている。

文登:でも、最初から順調だったわけじゃない。toB向け事業としてライセンスの話をしても、「素晴らしいことをされていますね」で終了し、受注はほとんどなかった。それでも諦めず、銀行から融資を受けて地元の百貨店に実店舗を作ったり、商品を拡充したりと、toCに振り切って活動するうちに、露出が増えてライセンスの依頼も届くようになった。

WWD:ビジネス規模が拡大し、メディアで見る機会も増えているが、“異彩を、放て。”という企業ミッションが本当の意味で伝わっている実感はあるか?

崇弥:正直、まだまだだ。今はサステナビリティやダイバーシティー、インクルージョンといった波に乗らせてもらっているだけ。この波がなくなったときに“異彩を、放て。”のメッセージが浸透しているかどうかだ。それでも、今の環境が好機であることは事実。ブームではなく、文化になれるよう、粛々と活動を行う。

WWD:今後の展望は?

崇弥:今はアートを軸にしているが、その外にも飛び出したい。究極は、障がいのある人との出会いを創ること。「ヘラルボニー」のファブリックやインテリアに包まれたカフェで、障がいのある人が働き、そこにお客さんがくる。挨拶はできないかもしれないけど、こだわりがあるからサーブや皿洗いはすごい。それを目の当たりにすれば、障がいへの考えは大きく変わる可能性がある。何かが便利になるわけでも、誰かが楽になるわけでもない。でも、生活者の思考や価値観をアップデートできたら、それこそ本当のイノベーションだ。

(WWD 美濃島 匡)
---------------------------------------------------------------
以前も障害とアパレルに関する話題を取り上げました。今回は障害のある人の作品を社会全体に出していこう,と行動している方々です。

記事の中にもある通り,ヘラルボニーの松田崇弥代表と松田文登副代表の兄が重度の知的障害を伴う自閉症とのことでした。2人はその兄と当然のように一緒に過ごし,それが普通だと捉えていましたが周りからは冷ややかな視線を受けることがあったようです。そんな中障害のある方のアート作品に衝撃を受けた2人はそれらをハンカチ等のデザインに落とし込み,ブランドを立ち上げたそうです。

「社会の目を変える」とありますが昨今は様々な自治体や企業がインクルーシブ社会を実現するため努力をしています。しかしまだまだ「身近なこと」と感じる人は少ないようです。様々な人に目を向けてもらうため,服や小物等に障害のある方の作品を落とし込むことでより身近に感じることが出来る,と考えたそうです。

「異彩を、放て。」のキャッチコピーにある通り,障害のある方の強みを社会の中で活かし,世間にもっと浸透すればいいな,と筆者も感じます。いずれカフェを立ち上げようとしているようです。お店が出来たら,私も足を運ぼうと思います。

(右)松田崇弥(まつだ・たかや):ヘラルボニー代表。小山薫堂が率いる企画会社オレンジ・アンド・パートナーズでプランナーを経て独立し、ヘラルボニーを設立。同社のクリエイティブを統括する。“異彩を、放て。”をミッションに掲げ、福祉領域のアップデートに挑む。社名は、4歳上の兄・翔太が小学校時代に記していた謎の言葉“ヘラルボニー”から採用した。(左)松田文登(まつだ・ふみと):ヘラルボニー副代表。ゼネコンで被災地の再建に従事し、双子の崇弥代表とともにへラルボニーを設立。ヘラルボニーの営業を統括する。 PHOTO:KENTARO YOSHIDA

<リト>“葉っぱ切り絵”でフォロワー40万人超 発達障害と診断され退職、引きこもった過去も 「...

<リト>「葉っぱ切り絵」でフォロワー40万人超 発達障害と診断され退職、引きこもった過去も 「情熱大陸」で明らかに

2022年02月13日【毎日キレイ】

葉っぱ切り絵作家のリトさんが、2月13日午後11時から放送されるドキュメンタリー番組「情熱大陸」(MBS・TBS系)に出演する。会社員時代にADHD(発達障害)の診断を受け、独自のアートで生きていく道を選んだリトさんの姿に迫る。

“葉っぱ切り絵”という新たなアートを創造したリトさんは、1986年、神奈川県生まれの35歳。現在SNSのフォロワーは40万人を超える。人気の中心は30代、40代の女性。その優しい世界観がファンを増やし、作品展では涙する人も。

リトさんの作品には主に擬人化したカエルやウサギなどの動物が登場する。日常の何気ない場面を1枚の葉っぱから影絵のように切りだし、近所の公園で額縁代わりの空をバックに写真を撮れば作品は完成。SNSに投稿すると瞬く間に“いいね”がつけられていく。

ほぼ毎日、1作品を発表しているリトさん。癒やしの作品とは裏腹に意外にも毎日、苦闘していた。構想で悩み、下絵を何度も書き直す。しかしいざ、葉っぱを切り抜く段階になると一心不乱。デザインナイフ1本で1ミリに満たない穴や線を辛抱強く、確実に切り取っていく。

リトさんはここ1年でSNSの世界を飛び出し、作品展やイベントなどリアルの世界へも活動の場を広げてきた。メディアの取材も殺到し、芸能人ばりにポートレートを撮られることも。実は数年前まではサラリーマンで、失敗ばかりのダメ社員だったが、病院で診てもらうとADHD(発達障害)と診断された。退職して自分を見つめ、集中すると他のことは目に入らなくなるという短所をアートに生かそうとした。家に引きこもる彼を非難せず、支えたのが母。自分の道を見つけてほしいと、静かに見守り続けたという。

番組では、人々に癒やしと勇気を人々に与えているリトさんの姿を追いかけた。

--------------------------------------------------
「大人の発達障害」に関するニュースや本が昨今多く出ています。それだけ発達障害についての認知が広まり,「自分ってもしかして…」と感じる人が増えたということでしょうか。

記事の中のリトさんはサラリーマンとして働いても失敗ばかりで,病院で診てもらった所ADHDと診断された,とのことでした。自分の集中力をアートに活かし,葉っぱ切り絵をInstagramに投稿すると様々な方の目に触れ,評判になりました。(SNS上では"バズった"というのでしょう。)

リトさん程大きく職を変えることは勇気がいるかもしれませんが,自分に合った働き方を見つけることと,それを支援する周りの存在は本当に大きいものなのだ,と感じました。それと同時に企業側もそれぞれの長所を生かし,障害のある方もそうでない方も一緒に働く工夫をする必要がある,と感じています。

リトさんの作品を見ながら,「そういえば半年くらい前は子どもが撮った写真をすてっぷのInstagramに投稿していたなぁ。」と思い出しました。子どもたちは写真を撮ることに飽きているようですが,また声をかけてみようと思います。