みんなちがってみんないい
怒りのコントロール2
怒りのコントロールのNGの一番は、怒りをぶつけて怒鳴り散らすことです。怒りを爆発させたり、怒りで自らの要求を押し通したりする様子を子どもが見れば、「ああやって怒鳴り散らせば、すっきりするし、人を動かすこともできるんだ」と学習してしまいます。また、怒りをぶつけた相手は応戦するかスルーするかのどちらかです。つまり、解決はしません。解決は冷静な合意の中にしかないからです。NG2番目はその場しのぎです。その場で問題を解決しようとすることです。怒りを感じたとき、私たちは思った以上に頭が働きません。人によっては、相手の言ったことが聞こえなくなったり、論理的な思考ができません。そんなときに問題を解決しようとしても、逆効果です。親がイライラする様子をみた子どもは萎縮するだけでなく、イライラしたときに、より弱い相手にイライラを発散させる事を学ぶのです。その場だけで解決するのは限界とリスクを伴う可能性があります。NGの3番目は、「怒りを抑え、我慢しよう」と思うことです。ところが、抑圧した怒りほど、他人からは恐ろしく見えるものです。忍耐にはいつか限界がきます。忍耐、我慢だけではひずみが生じるのです。
コントロールの第一は、とにかくその場を離れて感情の爆発を避けることです。子どもに怒りの爆発の火の粉を浴びせないことが大切です。一刻も早くその場から立ち去ることが大事です。ひとりになれる場所へ行くのです。「逃げている」とか「相手を取り残している」と考える方は、怒りを爆発させた結果と比べたらまだましな選択と考えるのです。ひとりになれる場所では、思いきり怒りを感じましょう。「もーー!なんで忙しい時に!何回同じことを!」と十分に怒りを感じましょう。「これくらいでイライラしてはいけない」等と感情に蓋をせずあるがままにします。いったん怒りを感じきれば、対人関係でのしこりや、怒りを抑えすぎたことで出るストレス症状の予防にもつながります。
十分に怒りを感じきると、やがて怒りはおさまっていきます。「どうすれば、あんなことにならないか」という再発予防を支援者や関係者と話し合います。犯人探しをするような後ろ向きな考えではなく、前向きに計画を立てます。怒りの問題を抱えている人の中には、「蒸し返したくない」と振り返りを避ける人もいますが、どうすれば同じことを繰り返さないか対策を立てておくことが、イライラの一番の予防です。それでは、どうやって再発予防計画を立て持続さればいいのか、次回は考えていきたいと思います。