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校休園で仕事休む保護者の支援相談窓口 体制強化検討 厚労省

校休園で仕事休む保護者の支援相談窓口 体制強化検討 厚労省

2022年1月28日 【NHK】

新型コロナウイルスによる休校や休園で仕事を休まざるをえない保護者を支援する助成金について、厚生労働省は電話相談の窓口を設置しています。しかし、感染の急拡大で相談が急増し、時間帯によってはつながりにくくなっていて、厚生労働省は体制の強化を検討しています。

厚生労働省は、新型コロナウイルスによる学校の休校や保育所の休園で仕事を休まざるをえない保護者を支援しようと、「小学校休業等対応助成金」を設けています。助成金は原則、企業が労働局に申請し、法律上の年次有給休暇とは別に有給の休暇を所得させた場合に賃金相当額を企業に支給します。

厚生労働省は、電話相談の窓口を設置し相談を受け付けていますが、感染の急拡大で休校や休園が相次ぎ相談も急増していることから時間帯によってはつながりにくくなっているということです。このため、ダイヤル回線を増やすなどの体制強化を検討しているほか、多く寄せられている質問や相談について、その回答などをLINEで確認できるようにしました。

また厚生労働省によりますと、保護者から助成金を利用したいと企業に相談しても「手続きが面倒だ」などとして申請を拒まれたという相談も寄せられているということです。企業が申請をしない場合、労働局が企業に直接、申請を促しそれでも応じない時は、個人で申請することができます。

厚生労働省は、労働局に設置された相談窓口などに相談してほしいと呼びかけるとともに、ホームページでも申請の方法などの情報を発信しています。

「小学校休業等対応助成金」とは
「小学校休業等対応助成金」は、労働基準法上の年次有給休暇とは別に有給の休暇を取得させた企業に、1人当たり
▽1月と2月は一日1万1000円を上限に
▽「まん延防止等重点措置」の対象地域では
一日1万5000円を上限に支給されます。

非正規雇用で働く人も対象です。
厚生労働省は全国の労働局に「特別相談窓口」を設置して、対応しているほか、電話相談の窓口を設けて相談を受け付けています。

電話相談の窓口は午前9時から午後9時までで、電話番号は「0120-60-3999」です。

“登園自粛”でも利用可
厚生労働省によりますと、「小学校休業等対応助成金」は保育園などが休園しなくても、行政や施設から登園の自粛を求められた場合も利用できるということです。対象には保育園のほかにも放課後児童クラブや放課後等デイサービスなども含まれます。ただ、保護者の判断で登園させなかった場合は助成金の対象になりません。

会社に相談しても「対応できない」の反応
保護者からは、助成金を利用したいと会社側に相談したところ、対応できないと言われたという声が聞かれます。

埼玉県に住む40代の女性は、パート従業員として事務の仕事をしています。夫が単身赴任のため、6歳と3歳の子どもの子育てや家事を1人でしています。感染の急拡大で、3歳の子どもが通う保育園は、今週に入ってから新型コロナウイルスの感染者が出たため休園が続いています。

離れて暮らす両親は、介護施設に入っていて、子どもを預けることができず、パートの仕事を休まざるをえなくなりました。女性が勤務先の社長に状況を説明し、助成金を利用したいと話したところ、労働基準法上の年次有給休暇を取得するように言われたといいます。

女性は、「“休まれると困る”とまず言われ、“助成金の話は後にしてくれ、出勤してから言って”という話しでした。忙しい時期で従業員が少ない会社なので、出勤できる人が減ってしまうことで頭がいっぱいだったのかもしれませんが、制度のことを知らないと感じました」と話していました。

保育園がいつ再開されるのか見通しもたっていないということで、「会社の言うように年次有給休暇を取得してしまうと、今後、何かあった時に休むことが難しくなってしまうと思います。6歳の子どもが通う幼稚園もいつ休園になるかわからないです。出勤できるようになったら会社に制度を利用したいと改めて伝えたいです」と話しています。

女性は、個人で労働局に申請はできるものの、最終的には会社が手続きをすることに変わりはなく制度を利用できるのかわからないと感じています。女性は、「義務までは難しいと思いますが、保護者の希望があれば企業が制度の申請の手続きをしなければならないということになれば制度が活用されると思います。制度がきちんと利用できるようになってほしい」と話していました。

また厚生労働省の電話相談の窓口については、「制度で聞きたいことがあり、何度も電話しましたが、つながりませんでした。問い合わせをしようとした企業がつながらないと申請をやめようということになってしまう可能性があるので改善してほしい」と話しています。

SNSには「労働局に連絡したらクビ」などの投稿も
「小学校休業等対応助成金」について、SNS上でも「助成金を会社にお願いしたら申請が面倒くさいって逆に怒られた」などといった投稿が相次いでいます。助成金は、個人でも労働局に申請できますが、その場合も出勤状況や直近の給与の確認などのために、労働局から企業に問い合わせがあります。

SNS上では、「労働局に連絡したらクビにする的な事を言われました。有給も無くお金がありません。助けて」といった切実な投稿もありました。実際に助成金を利用したいと会社に伝えたところ、対応が難しいと言われたという人に話を聞きました。

40代の介護福祉士の男性は、5歳の息子と2歳の娘を保育園に預けて、妻と共働きをしています。保育園で陽性者が確認されたために来月3日まで休園になり、妻と交代で仕事を休まざるをえなくなったということです。

男性は勤務先に相談したところ、「同じように休園になっても出勤している人がいる中で、助成金制度を使うと不公平になるので使わない」と言われたということです。また、名古屋市の30代のシングルマザーの女性は、小学校2年生の娘のクラスで感染者が出たために学級閉鎖になり、会社を休まざるをえなくなりました。会社に相談したところ、労働基準法上の年次有給休暇を取得するように求められ、「拒否するなら欠勤扱いにする」と言われたといいます。

女性は、「休校などで同様に休まざるをえなくなったら、有給休暇が足りなくなるかもしれないと怖さを感じています。困っている保護者が制度を使えるように、利用方法の周知と企業の理解を進めてほしいです」と話していました。日本労働弁護団「支援必要とする保護者に届くように」助成金を利用できないという保護者からの声が相次いでいることを受け、労働問題に詳しい弁護士でつくる「日本労働弁護団」は、「支援を必要とする保護者に届くようにすべきだ」と指摘しています。

弁護団は、今月19日に「小学校休業等対応助成金」の個人申請の拡充を求める声明を発表し、厚生労働省に提出したということです。この制度では、有給の休暇を取るために助成金を利用したい保護者が企業に申請の手続きを断られた場合に労働局に直接相談したうえで、労働局が企業に利用を促し、それでも拒まれた場合に個人の申請ができることになっています。

保護者が、個人の申請を行う時には企業に必要な書類に署名してもらい、休んだことを確認できる書類などを出してもらう必要があるとしています。弁護団の声明では、申請した保護者はこの間、労働基準法上の年次有給休暇を取ることができず、経済的な負担が大きいため個人で申請できるケースは極めて少ないとみられるとしています。

そのうえで、企業の署名を要件とすべきではなく、休業を確認できる書類も状況に応じて、タイムカードなども認めると個人申請の要件を緩和すべきだと指摘しています。「日本労働弁護団」の長谷川悠美弁護士は、「制度は休校や休園で生活がままならない保護者を救うものなのに企業がそれに対応できていないという実態がある。保護者が簡単に申請できるようにしてほしい。企業に申請を断られるケースがあれば労働弁護団に相談してほしい」と話していました。

「日本労働弁護団」が設置している窓口では
▽月曜日、火曜日、木曜日は午後3時から午後5時まで
▽土曜日は午後1時から午後3時まで
無料で電話相談を受け付けています。
電話番号は「03-3251-5363」です。
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非正規職員にも有給休暇は条件によって付与されます。子育てしながらのパート労働で多い1週間の所定労働時間が30時間未満で、1週間の所定労働日数が4日の場合なら半年たてば7日間の有給休暇が付与されます。しかし、パートの立場で有給休暇を申請する人は実際には少ないです。

急にシフトに穴を開けたのに有休までは申請しにくいという心理的な抵抗があります。会社も申告もないのに敢えて有給を取るように言いません。こうした悪しき慣習もあって、今回の制度をわざわざ会社にお願いして申請する人は非正規雇用の場合言いにくい人が多いのは想像がつきます。

ただ、会社にしてみれば、子どものコロナ休校でパートが休むときは国から助成金が出るのですから会社の自腹を切るよりは有利なはずですが、一人数万円以下の事であれこれ事務量が増えるくらいなら有給休暇にして自腹を切った方がましという感覚なのでしょう。しかし、労働者側にしてみれば、コロナだけで少ない有給休暇を取得してしまえばもしもの時に有給で休めなくなるのも困ります。

原因の元を作っているのは、決められない変えられない日本の政治の癖です。感染症法の分類を季節性インフルエンザ並みの「五類」に引き下げればインフルエンザ時と同じ2割感染が学級閉鎖や休校基準になるので少なくとも濃厚接触での自宅待機や少数感染者での休校はなくなります。

反対者は引き下げたら医療費の負担が生じて病院側も対応できないなど出来ない理由を並べます。しかし、そのために政治家がいるのですから、激変緩和として政府の医療費負担を始めとする財政支援は今のまま続けると政令を出せばいいのです。

それもできないなら、せめて事業者があれこれ悩まないように簡単な請求ですぐに仮払いする仕組みや、申請漏れを違反として罰金を科すか、申請したら企業が有利になるようなポイントを与える等手続きがスムースになる工夫をすれば良いのですが、これまた決められない変えられない政治の癖が前に立ちはだかります。