文部科学省は2020年3月26日、「初めての通級による指導を担当する教師のためのガイド」を作成し、Webサイトに公開した。通級指導を担当する教師が教育現場で活用できるよう、指導の心掛けや実践例、1年の流れなどをわかりやすく紹介しています。
「通級による指導」は、1993年の学校教育法の改正によって小中学校において制度化しました。子どもの自立を目指し、障害による困難を改善・克服するため、ひとりひとりの状況に応じた通級指導を行っています。ちなみに京都府は、1980年代には「言葉の教室」として全国に先駆けて設立されていました。
文部科学省では、通級指導を受ける児童生徒数が年々増加していることから、質の担保に向けて、通級における指導方法のガイドを作成するため、2019年2月に検討会議を発足。2020年2月まで計6回の会合を通して、ガイド作成の検討を重ねてきました。
「初めての通級による指導を担当する教師のためのガイド」は、「通級指導を担当するにあたって」「通級指導の1年間の流れ」「実践例」「知っておきたい基本事項・用語」の全4章で構成。初心者でもわかりやすい内容とし、添付したQRコードから関連する動画や解説資料なども参照できます。
第1章では、読み書きに時間がかかったり、友達とのコミュニケーションがうまく取れなかったりするなど、障害があることによって学習面や生活面で困難がある子どもへの指導の心掛けを助言。困ったことがあれば、1人で悩まずに相談することもアドバイスしていまず。
第2章では、通級指導の1年間の動き、個別の教育支援計画や指導計画などを解説。第3章は、教材や教具、学校行事の活用など、全16の実践例をピックアップ。第4章では、情緒障害・学習障害(LD)・自閉症など、通級指導に通っている子どもが困っていることについて、知っておきたい基本事項や用語などをまとめています。
ガイドは、文部科学省のWebサイトからダウンロードできるほか、Webサイトにも掲載。スマホ表示にも対応しています。