首つかみ投げる、ズボン下ろす川崎の放課後デイで虐待
2021年5月1日 【朝日新聞デジタル】
川崎市は30日、市内の放課後等デイサービスの2施設で、利用児童に対する虐待が確認されたと発表した。給付金の不正受給なども判明。同市は児童福祉法にもとづき、1施設を指定取り消し、もう1施設を指定のすべての効力を6カ月間停止する行政処分を出した。
市によると、2施設を運営する事業者は横浜市鶴見区の「BigForest」。横浜市内でも1施設を運営している。
川崎市が虐待と認定したのは、首をつかんで児童を部屋に放り投げる▽プールでホースを児童の口に入れ放水する▽児童のズボンを下ろす▽きつい言葉を投げかける、などの行為。1施設の施設長と、もう1施設の従業員の2人が関わった。
2施設のうち「JOYKIDSGO」(川崎区、定員10人)は、開設時の2020年4月にさかのぼって指定を取り消す。従業員の実務経験証明書を偽造するなど、不正な申請で指定を受けたという。また2施設で給付金の不正請求が確認され、加算金も含め計約4370万円を返還させる。昨年11月ごろ、2施設の関係者からそれぞれ虐待についての通報を受け、市が監査を実施していた。(大平要)
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私文書を偽造して施設を立ち上げ、利用者が来たことにする不正請求は詐欺です。子ども虐待は暴行です。神戸市や京都市、大阪市、名古屋市とやけに政令指定都市の不法放デイ報道が多いのは偶然と思っていましたが今回も川崎市・横浜市もとなると、政令指定都市は行政指導が行き届かない欠陥があるのだろうと思わせます。こうした、事業者が行政処分や刑事告発を受けるのは当然ですが、認可し監督している行政は誰も責任が問われないというのが釈然としません。不正の発見は行政が監視していて見つけるよりも、事業所職員の内部告発がほとんどだからです。
社会性の障害のある子どもたちには、不適切な行動が見られる場合があります。しかし、それで職員が腹を立てて実力行使するというのは専門家としてはあり得ない話です。怒鳴って暴言を投げかけたり体罰に及んでも、それが子どもの不適切行動を強化することが少なくありません。また、職員の暴言暴力も効果が薄れてくるとどんどん強化されることも、対人支援の専門家であればよく知られている事です。もしも、家に帰って暴力を受けたことを話せない子どもたちと知って、こうした行為に及んだとすれば、指導の未熟さの結果の脅迫・強要・暴行というより、障害者差別が根底にあるのだと思います。