京都駅に響いたウクライナ国歌 駅ピアノで「自由に魂ささげ」
2022/3/21【毎日新聞】
ロシア軍の侵攻が続くウクライナを応援しようと、プロやアマチュアの音楽家らが20日、京都駅ビル(京都市下京区)7階の東広場にあるグランドピアノの伴奏で、ウクライナ国歌とベートーベンの「交響曲第9番(第九)」の一部を合唱した。参加した約40人は、ウクライナへの一日も早い平和の訪れを願った。【福富智】
声楽家の山本昌代さん=奈良県平群町=らが呼び掛けた。山本さんは「音楽は人を励ますことができる。ウクライナの首都キエフと姉妹都市である京都市からの応援が伝わればうれしい」と話した。呼び掛けに対し大勢の人が参加を希望したが、新型コロナウイルス対策で多くを断わらざるを得なかったという。演奏は動画でも配信した。
ウクライナ国歌の「自由のために魂と身体をささげる」「私たちは私たちの土地を治めよう」との歌詞の内容を紹介した後、合唱が始まった。合唱にはウクライナ出身者も参加。京都市国際交流協会職員のオレーナ・シガルさんは「国歌を一緒に歌うことは励ましになる。戦争が始まりショックだ。一日も早く戦争が終わってほしい」と述べた。大阪市の会社員、マリヤ・ボドナルさんは「ウクライナは今、非常にひどい状況だ。みんなと一緒に歌えて感動した」と話した。
ピアノは2019年10月、山本さんが理事長を務める一般社団法人「まほろば芸術ラボ」(奈良県桜井市)が寄贈。ピアノ教室で多くの子どもたちが奏でたピアノで、駅ビルではコンサートやイベントなどで使われている。
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国歌を歌うことを、侵略戦争時の歌、天皇賛美の歌だと嫌う人がいます。中には、式場で自らの国歌ヘイトの表現として着席して歌わない教員もいます。教え子に、表現の自由こそ民主主義だと教えたいのだと思います。国旗や国歌をヘイト表現する人たちが参加する卒業式や入学式は、君が代を国歌と認めている人は、国が分断されているようで嫌な気分にさせられます。帝国主義者の歌と日本国歌をヘイトする人たちは、ウクライナ国家なら反戦の歌として侵略反対の歌として歌うのかもしれません。
ウクライナの人たちは祖国や故郷を破壊しないでほしいと国歌を歌います。同胞を殺さないでほしいと歌います。それに憤り立ち向かう人々や兵士を応援して歌います。国歌や国旗は祖国の象徴です。それを歌うだけで国民が一つになる記号です。その記号にあれこれの意味づけを始めれば国民は一つにはまとまれません。国旗や国歌に様々な理由をつけてヘイトする人たちはそれを目指しているのかもしれません。国が一つにまとまらず祖国の自衛すらできないようにしたいのかもしれません。
みんなでウクライナ国歌を一緒に歌ったマリヤさんの感動は、自国の国歌すら認めない人たちは得ることはできないと思います。BS・NHKで放送される「駅ピアノ・空港ピアノ・街角ピアノ」は静かな人気番組です。今回のウクライナ国歌が演奏された場所は、「京都駅ピアノ」としても放送がされた場所です。悲しい時、嬉しい時、ピアノが弾ける人は自分の好きな曲を弾いて表現できていいなと、ピアノが弾けない人も魅了する番組です。人は人の思いを音楽で共感することができる生き物です。