京都市 介護従事者や保育士など対象 ワクチン優先接種始まる
06月28日【NHK】
京都市は介護従事者や保育士などのエッセンシャルワーカーを対象にした、新型コロナワクチンの優先接種を28日から始めました。
京都市左京区の「みやこめっせ」に設置された京都市の集団接種会場には、午前中から介護施設や障害者施設で働く職員やスタッフなどが次々に訪れました。
訪れた人たちは、5つのレーンに分かれて、健康状態に問題がないか確認する医師の問診のあと、順番に接種を受け、30分ほど待機して体調の変化がないか、様子を見ていました。
今回の優先接種は、京都市内で働く介護従事者や保育士、それに教職員など、生活を支えるエッセンシャルワーカーおよそ5万人が対象で、今後は、市バスの運転手やゴミ収集の作業員などにも拡大していくということです。
接種を受けた介護従事者は、「病院に行くことも多いので、早くワクチンを打って利用者の方に安心して付き添いたいです」と話していました。
京都市医療衛生推進室の板原征輝 担当部長は、「子どもを守るためにも、地域の人たちに接する職種から先に受けてもらっています。このまま計画が順調に進むよう、ワクチンの安定供給を国に要望していきたい」と話していました。
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京都市が京都府より動きが早いのは、人口がほぼ同じでもトップダウンでの「関所」が少ないからでしょう。府や県は協議したことを、各自治体におろし、各自治体はそれをまた協議して決定するという手続きがあり結果的に実施が遅くなるのかもしれません。普段はそれでもいいかもしれませんが、有事の時は政府からのトップダウンが早く末端まで届くようにしないと、有事の時間勝負の対応に間尺が合いません。
先日、京都府から事業所職員のPCR検査用の採取容器が送られてきました。ワクチン接種を一刻も早く広げようとしている時期に、頓珍漢なタイミングで送られて来た原因はわかりません。採取日のみ1日だけの感染検出のために症状のない何万人も検査を行い、陽性反応が出れば各保健所は事業所に行ってクラスター調査を行うことになり、ワクチン接種で投入すべき人員を割くことになります。当然事業所も、擬陽性であっても最低三日程度は休業が必要になります。
武漢株からインド株に変異していることが危険とメディアは煽りますが、インド株の主症状の多くは頭痛と鼻炎です。高齢者の重症化率はワクチン接種の広がりで顕著に減少しています。今は、ワクチン接種を高齢者と関係者に急ピッチで接種することが優先課題です。京都市が事業所PCR検査をとばして事業所職員ワクチン接種に取り組んだのかその両方を実施したのかはわかりません。ただ、一般的にはトップダウンが通りやすい仕組みは、決めたことでも状況を見て柔軟に変更する決断が早いと言えます。
先日、海外選手に陽性者が出ているのに、日本のバス運転手も自治体コーディネーターも選手と一緒にバスに同乗して宿舎に向かい、濃厚接触者と認定されたという報道がありました。感染しているかもしれない海外の選手に対応するのはとても感染リスクが高いです。ワクチン接種は高齢者からという順番ルールはあるけれども、ホスト自治体に海外変異株を広げないためには海外選手の対応をする関係者は優先してワクチン接種をすべきです。トップダウンの「関所」の自治体で協議の機会があったはずなのに、国からの指示はないとして何も変更して決められなかったのです。一方、接種のやり方は自治体に任されていると言うのが国の言い分ですが、全体を俯瞰して危機の予測ができるのは政府ですし、オリパラは国家事業です。こういう事態こそメディアは正確に取り上げて欲しいものです。