障害ある子どもにオンライン家庭教師を 津田塾大プロジェクトがCF
2022年1月26日 【朝日新聞】
障害や学びにくさを抱えた子どもたちの学習を支援する津田塾大学(東京都小平市)のプロジェクトが、無料で利用できる「オンライン家庭教師」の実現を新たにめざしている。4月の本格的な開始に向け、クラウドファンディング(CF)で運営費を募っている。
準備を進めているのは、同大インクルーシブ教育支援室の柴田邦臣教授(48)が代表を務める「学びの危機プロジェクト」(通称・まなキキ)。2020年春から、コロナ禍の中で学習意欲がそがれたり、急速に進んだオンライン学習についていけなかったりする子どもたちに、ネット上の教材などを紹介するサイトを開設(https://learningcrisis.net/別ウインドウで開きます)している。有志の学生や院生らによる活用方法のガイドもあり、平易に、楽しく取り組めるように工夫してきた。
オンライン家庭教師を企画したのは、同大院生の浜松若葉さん(26)を中心とする大学生たち。子どもたちとオンラインでつながって学びを支えると同時に、コロナ禍で教える経験を積む場を失った学生たちにその機会をつくり、運営費からアルバイト代も出す計画という。
利用者として想定するのは、発達障害や学習障害があったり、不登校など学びにくさを抱えていたりする小学1年~中学3年生。学習を支える学生は、同大生を中心に他大学からも募集し、4月の本格的なサービス開始を予定している。
浜松さんは「障害のある子どもたちの学びを守るという趣旨に賛同いただけたらうれしい」と話す。
CFでは、障害者らの就労支援をする沖縄県の自家焙煎(ばいせん)コーヒーを主な返礼品に選んだ。CFへの出資を通して、子どもと学生、障害者の就労支援と幅広い社会貢献につながる形だ。
CF(https://www.makuake.com/project/manakiki/別ウインドウで開きます)は2月27日まで。問い合わせは同プロジェクト(050・6878・2585)。(井上恵一朗)
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一般家庭で学習塾に費やされる費用は、2018年の文科省調査では公立小学校在籍児童の平均で13万6000円です。約4割の家庭が月1万円を出費しています。公立中学校在籍生徒の平均では29万3000円。約7割の家庭が月2万5千円を出費します。もちろん発達障害の子どもたちもこの中に入っているはずですが、集団での学習では成果が上がりにくい人は家庭教師を使う家庭もあります。
しかし、そもそも学習障害があったり不注意や興味の限局などの問題があって、その障害特性を教える側が知っていないと時間の無駄になりお互いに嫌な気分になってしまう場合も少なくありません。このサービスがどれほどの支援の質を保障するかは分からないですが、少なくとも個別対応でオーダーメイドの対応をしてくれるなら素晴らしいです。オンラインでの家庭教師は増えましたし、発達障害に対応すると言うふれこみの塾もありますが、その実情はよくわかってはいません。
クラウドファンディングで資金を集め、利用者には無償で対応するとのことです。ただ、学生も経験の場として位置付けるので、必ずしもプロフェッショナルな支援ではなくその支援の質は今のところ分かりません。ただ、少なくとも先輩たちが積み上げてきたこれまでの経験を生かして学生が中心になってやろうとしていることはとても良いことだと思います。
学生の家庭教師アルバイト賃金は平均時給1800円くらいですが、返礼品のコーヒー代金も考えるとバイト料はもっと安いのだと思いますが、CFは目標額の倍以上集まっています。これで何名の志のある学生支援者を集め、延べ何時間の支援を考えているのか分かりませんが、面白いプロジェクトになりそうです。失敗は恐れないで、なんでもやってみたらいいと思います。取組んだ時間は生徒も学生もきっと貴重な財産になるはずです。