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投稿日時: 2020/08/07 staff4

「うがい薬で唾液中のコロナウイルス減少」吉村知事会見
新型コロナウイルス

2020年8月4日 19時10分【朝日新聞デジタル】

大阪府と大阪市、府立病院機構大阪はびきの医療センター(大阪府羽曳野市)は4日、新型コロナウイルスの感染者に殺ウイルス効果のあるうがい薬でうがいをしてもらったところ、唾液(だえき)の検査で陽性となる割合が減ったとの研究結果を発表した。府などは肺炎などの重症化の予防につながる可能性があるとして、本格的な研究を始める。

政府が効果などを認めていないため、吉村洋文知事は「薬事法(現・医薬品医療機器法)上、効果があるとはいえない」とした上で、「(殺ウイルス効果のある)『ポビドンヨード』を含むうがい薬は『イソジン』などとして市販されているので、うがいを励行してほしい」と呼びかけた。

センターの松山晃文・次世代創薬創生センター長によると、研究は府内で宿泊療養している軽症や無症状の患者41人を対象に実施。ポビドンヨードを含んだうがい薬で1日4回うがいした人の唾液のPCR検査の陽性率は、1日目は56・0%で、4日目は9・5%に減った。うがいをしなかった人は、それぞれ68・8%、40・0%だったという。

松山氏は「コロナは鼻やのどの奥で増える。今回、唾液だけでやっているので、これで患者を治せるわけではない」とした。「ウイルスを含んだ唾液が肺に入ることで肺炎を起こすケースがある。唾液中のウイルス量を減らすことで重症化が抑制され、人にうつしにくくなるのではないか」とも説明。今後は対象者2千人を目指して研究を続けるとした。

効果が薄い場合の責任について記者団に問われると、吉村知事は「僕が責任を取るのは研究結果。結果は保証したい。コロナに完全に効く薬はなく、それに対して責任取るとか取らないとか、そういうものじゃない」とした。

会見で吉村知事は「買い占めはしないでください」と訴えたが、大阪市中央区のドラッグストアでは会見後の午後4時半過ぎ、イソジンを含むうがい薬を置く棚だけが空になっていた。男性店長は「1時間ほど前に売り切れました」。約30個あったうがい薬が10分ほどの間に売り切れたという。

「本来は風邪が流行する冬場に売れる商品。コロナの予防にはなるかもしれないですが……」。新型コロナウイルスの影響で1家族に1個と限定して販売していたという。

自転車で店に駆けつけた男性(40)は、売り切れた棚の前で立ち尽くし、「テレビ番組でうがい薬が取り上げられているのを見た妻に頼まれて買いに来た。本当に効くのか分からないが、念のため、あれば安心できるかなと思って」。肩を落とし、携帯電話で妻に報告した。(本多由佳、小林太一)

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うがい薬を知事推奨、大阪府に抗議・問い合わせ450件
新型コロナウイルス

2020年8月6日 19時56分【朝日新聞デジタル】

大阪府の吉村洋文知事が4日、新型コロナウイルス対策として、殺ウイルス効果のあるポビドンヨードを含むうがい薬を使ったうがいをすすめたことに対し、府に抗議や問い合わせの電話が相次いでいる。5日だけで約450件に上り、職員が対応に追われている。

吉村知事は4日、大阪市の松井一郎市長、府立病院機構大阪はびきの医療センターの松山晃文・次世代創薬創生センター長とともに市内で会見した。新型コロナ感染者がうがい薬を使ったところ、唾液(だえき)検査で陽性となる割合が減ったという松山氏らの研究結果を発表し、「薬事法(現・医薬品医療機器法)上、効能があるとまでは言えない」としつつ「うがいを励行して欲しい」と重症化予防につながる可能性を示唆した。

府によると、この発表について、府民からは「(うがい薬が)店頭からなくなった」、「ネットで転売しており、取り締まる必要があるのではないか」といった問い合わせが相次いだという。薬局からは「卸業者から入ってこなくなり現場は混乱している」、医療従事者からは「妊産婦らへの副作用もあり、安易に使用を推進するべきではない」といった電話もあった。府は、抗議への対応で通常業務に支障が出ており、専用の電話回線を4回線増設した。

吉村知事は6日、こうした意見が相次いでいることを受けて、「予防効果があるということはないし、言っていない。不要な買い占めは控えてほしい」とあらためて説明した。

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「何かがなくなりそうになったら、そうなる前に買い占めろ」という行動は、それが論理的に間違っているかどうかは別にして、自分を守るためには必要な行動ということになります。放送の時点でうがい薬を買わなかった人は、もう当分うがい薬は買えなくなるからです。科学的な根拠とは関係ありません。集団ヒステリーとはそういうものだそうです。

研究発表の内容で医師が述べているのは「唾液の中のウイルスを減らすことで、人にうつしにくい」ということです。そしてそのことが、軽症患者にとって重症化を防ぐことにつながるかどうかは、研究を続けていかないとわからない、ということでした。イソジンでコロナ陽性者が減るとは、言っていないのです。

手を石鹸で洗えば手に付いたウイルスが死ぬのと同じで、ポピドンヨードでうがいをしたら口の中のウイルスの一定数を滅らすことができ「唾液を使ったPCR検査における陽性反応者の数が減る」のは当然です。しかし、2005年の風邪予防の研究では、ヨード液と水道水でうがいをするのでは、塩素を含んだ水道水の方が効果があったことや、ヨードは甲状腺ホルモン合成が抑制されて、甲状腺機能低下を招くことが知られていますが、こうした情報はなかなか報道されません。