Zoom は、2011年に中国人 Eric Yuan 氏によってカリフォルニアのサンノゼで創立された会社です。サンノゼは、シリコンバレーの中心地です。「Zoom(ズーム)」というのは短縮名で、企業の正式名称は、Zoom Video Communications です。ビデオミーティングを中心に、ウェビナー、グループメッセージング、会議室ソリューションなどのクラウドサービスを提供しています。
創業者の中国人 Eric S. Yuan 氏は、以前、世界最大のコンピュータネットワーク機器開発会社Ciscoの技術部門の副社長として、ビデオ会議システム WebEx製品の中心となっていた人物です。Zoom の経営陣には他にも CiscoのWebEx の中心メンバーや、同種のサービス BlueJeans のメンバーが在籍しており、ビデオ会議のシステムや業界を熟知した会社だと言えます。つまり、Cisco社のWebEx Meetingsを大衆レベルで気軽に使えるように改良し宣伝したのがZoomと言えます。Zoom のサービス自体は、2013年1月に始まり、2013年5月までに100万人のユーザー数が2014年6月には1000万人に増えました。武漢ウィルスの感染の影響でテレワークが爆発的に進んだ昨今は、おそらく2億人を越えたと言われています。
Zoomは、Windows、Mac、Linux、Chrome OS、iOS、Android などさまざまなクライアント環境から利用できるWEB会議システムです。Skypeなどのオンラインテレビ電話とは、用途が全く異なります。ミーティングの主催者は会議室を設定し、その会議室番地を参加者に伝えます。参加者は会議番地(URL)をクリックするだけで参加でき、アカウントを取得する必要もなく、料金も発生しません。クラウド上のファイルを共有する方法と同じだと言えます。
また、ミーティングルームでは、主催者の使える機能と参加者の使える機能が分かれています。主催者は、参加者が快適にミーティングを遂行できるよう、参加者やミーティングを簡単にコントロールできるようになっています。Zoomはあれこれ考えなくても直感的に操作がしやすいのでビジネスシーンよりも日常生活で広がったとも言えます。
子育て中の保護者や家を離れる時間がなかなかもてない人には、Zoom はとても役に立つツールです。Zoomの無料コースはLINEのグループトークのビデオ版と思えばいいかも知れません。遠くまで出かけなくても自宅に居ながらにして打ち合わせや情報交換ができるのは助かります。無料コースの制限時間は40分です。一旦切って続けることも可能ですが、40分くらいがミーティングには最適な時間とも思います。どのスマートフォンでも主催も参加もできるのがこのツールの強みです。まずはアンドロイドかiOSのスマホかタブレット、カメラ付きのPCでインストールして試してみるとイメージが湧くと思います。
※3月にFBI=連邦捜査局が「Zoom」にセキュリティー上の問題があると指摘し、各国政府が使用を見合わせているのは事実です。会議の内容に秘匿すべき情報がないかどうかを考えて運用することは、個々人で判断することになります。