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「経済を回すのと同時に、子どもの教育もしっかりまわしていくことを考えるべき」東京都医師会・川上...
「経済を回すのと同時に、子どもの教育もしっかりまわしていくことを考えるべき」東京都医師会・川上理事が話す「子どもとワクチン」
2月9日(水)【TBS】
東京都医師会の川上一恵理事(小児科医)は8日に都内で行われた東京都医師会の記者会見で、新型コロナウイルスによる学級閉鎖や保育園休園、学校行事の中止などが相次いでいることを受け、感染の実態を説明するとともに「経済を回すのと同時に、子どもの教育もしっかり回していくことを考えるべき」などと話しました。
(会見の概要は以下)
■子どもの新型コロナウイルス感染 “症状”や“感染経路” 実際のところは?
川上一恵 東京都医師会理事:
小児のコロナはどんな感じなのでしょうか。これはデルタ株のときまでのデータで、日本小児科学会の「コロナ対策」のメンバーがまとめた論文から引っ張ってきました。子どものコロナは、デルタの時ですら、大多数が軽症でした。たまに、中等症、酸素が必要かな、という子が出てくるような状況です。ただ中には重症になる子が、本当に少ないがいて、それは2歳未満だったり、基礎疾患を持っている子だったということです。今回でいうと、0歳児の発症を私も沢山見ています。ただ、皆さんほとんど自宅療養できるくらいに軽くなっています。
「軽い」とはどのくらいかと言うと、子どもの場合は38~39度くらいの熱で発症します。その熱も長くは続かず、1日から長くても3日で皆さん解熱してしまいます。小学生くらいだと、喉の痛みを訴える子、熱が高い時に頭痛を訴えるお子さんが多いです。そのあとに咳がどのくらい出るかというと、軽い咳を訴える子が少しいるが、ほとんどの場合、10日間の待期期間の大半は暇を持て余して、家に閉じ込められて、その相手をする親が大変という状況で過ごしています。
では、先行感染者はどうなのか?というと、これも小児科学会のデータで2021年11月までのものだが、ほとんどはやはり70%が家族から、お父さん、お母さん、あるいは大きいお兄ちゃんやお姉ちゃんが学校や会社で貰ってきてしまって、それを家庭内でちびちゃんたちがもらっているというパターンがあって、今もほとんどがそれです。
今も、よく「保育園が閉鎖になった、保育園でうつっているんじゃないか」とか、「学校で広まっているんじゃないか」と言われるんですが、保育園や学校は対応がとても早いので、私が見ている限り、一人目の(陽性者の)発見が早ければ、それほどクラスターにはなっていません。ただ、学校とか保育園は、幼児のために濃厚接触者をしっかり見出して、濃厚接触者の指定をして、休園にしてしまうとか、学級閉鎖にしてしまうという結果で報道にあるような学級閉鎖が多発している、保育園もクラスごとに閉めているということが起きている。
■「コロナは風邪だと言い切れない疾患」まれだが血管炎の症状も
川上理事:
小児でたまに重症化があるということで、なめてかかってはいけないと思うんですね。「ただの風邪でしょ」とは言えないのは、「小児多系統炎症性症候群」という全身性の血管炎が起こります。ただ、これは発症当初ではなく、発症から2~6週、平均では28日前後経った頃に起きる、「お腹が痛い」とか熱の再燃という形で始まる全身の血管炎であると。
ここでステロイドを使われたりという治療を受ける子どもがいる。ただ、これに関しても米国のデータと比べて日本は、米国でさえ発症率は0.08%と言われる中で、日本はその25分の1である0.003%前後しかいない。いないけれども、無視はしてはいけないという意味で決してコロナは風邪だと言い切れない疾患です。
■本来、小児期に学ぶべきことが出来ていない子どもが増えている
川上理事:
このコロナ、流行が丸2年続いた。そうした中で子どもたちはどう過ごしているのかというと、臨時休校措置から始まり、学級閉鎖、濃厚接触者としての登校停止。さらに家庭内では親が家にいることで、家庭内で居場所がないとか。家にいても東京ですから、なかなか豪邸ではないです。狭い家に親子ともに一緒にいる中で、「うるさい」とか、親がリモートで会議をしているときは「だまってろ」とか、あと「勉強なぜしない」などと叱られる子が沢山いて、静かにしていればゲームしちゃうとか、生活リズムが崩れちゃうというようなお子さんが多々見られています。それから学校ではさまざまな行事が中止されています。
この2年、修学旅行も行っていない、運動会も文化祭もやっていないというような学校、保育園が多発しています。中学校高校だと3年間しか行かないのに、2年間行事が全くなくなってます。それから乳幼児それから学校でもマスクをしているために友だちの顔を全く分かっていません。人の表情を見て、人の心を読んで行動するというような本来、小児期に学ぶべきことが出来ていない子どもが増えています。
それから臨時休校措置後に分かったことですが、子どもは2か月、3か月家に閉じ込めただけで体力運動能力が落ちてしまい、すぐに座り込んでしまったり、学校が再開されたら転びやすくなってしまったりと顔にケガをする子が増えました。それから視力が低下しているというデータも上がってきています。さらにこういった状況、大人ですら、「いつになったらこの状況が終わるんだ」と思って生活している。子どもたちはその状況すら良くわからないで生活している分、鬱っぽくなったり、やる気がなくなったり、すぐちょっとしたことでキーっと感情のコントロールが出来ない子が増えたり、中高生になると自殺する子もここに来てぐっと増えています。
■5~11歳へのワクチン接種 基礎疾患ある子は「自分の身を守るため」
川上理事:まもなく5~11歳のワクチン接種が始まるが、「子どものコロナは風邪なんだからワクチンするメリットはないんじゃない?」という声もあるが、さきほど言ったように重症化しやすい、リスクのある子がいるなど、基礎疾患がある子に関してはワクチンをすることは一つ朗報。そして、これによって、学校行事の中止がもし今までのようなことが変化できるなら、行事をやってもらえるようになるのであれば、やるメリットはあるかもしれません。
ただここは国が考えることですから、保証の限りではありません。同居する家族に高齢者がいたら、その人たちを守れるじゃないかという説もあります。しかし、まずは大人は自分で自分の身を守る。その中に付随して子どもたちが、おじいちゃん、おばあちゃんのためにも自分はワクチンを接種したいという、自ら希望する子にとっては、ワクチン接種で心の安定も得られるでしょうし、本人の免疫をつけられるというメリットもあると思います。
ワクチン接種のデメリットに関して言えば、やっぱり痛いです。筋肉注射に日本の子どもは慣れていないので、特に5歳児、6歳児は初めて筋肉注射を打つことになりますから、その痛みに対する対応をどうするのか。それから接種の意義に関して、どのように説明していくかということが課題だと思います。
子どもに関して、今、オミクロンがこれだけ流行っている中ですぐに「接種しろ」とは言いません。しかし、これから先も変異株が次々出てくる可能性を考えた場合に、いつまで子どもたちが行事も出来ず、マスクをしたままの状態で生活をし続けなければいけないのか。どうやったら子どもたちの健やかな育ちを保証してあげられるのかということを、そろそろ私たち大人は考えていかないといけないのではないかと思います。今、一番の課題はここではないでしょうか。
(以下質疑)
ーー子どものワクチンについて基礎疾患を持つ子どもへ推奨しているが、基礎疾患を持たない子が打たないと学校でクラスターが発生するなど、現状とあまり変わりないようにも思うが?
川上理事:
質問の論点が2つごっちゃまぜになっている。基礎疾患のこどもにワクチンを打つのはその子自身が自分で守らせるため。それはそれで意義がある。他の子に関しては、ワクチン接種をやるか、やらないか、と言ったときに、やったらクラスターが避けられるのか、というと、大人の世界もそうだが、2回接種してもかかっている人がかなりいる状況において、今のような子どもたちの「1人発生したら濃厚接触者を10人くらい洗い出して、みんなまとめて休ませて」ということをやっていたらば、それは避けられない。
今現在も確かに、中にはクラスターというくらい陽性者が多発し学校閉鎖になっているところもあるが、かなり多くのところは1人、2人しか陽性者が出ていなくても、「濃厚接触者の子たちも10日間休ませると、学級が成り立たなくないから、じゃあ結構学級閉鎖にしよう」とか言うところが結構多い。だから学級閉鎖の基準も「こうなったら学級閉鎖です」という基準がないので、各学校の管理者と学校医の間で相談をして、「ここらへんは学級閉鎖しておいた方がまん延しなくていいかな」という形で決めていますので、基準が全く違います。ですから、今の状況を持って、学校がクラスター化していると捉えるのはちょっと違うと思う。
それからワクチンの件だが、子どもによって「やりたい」と思っている子もいます。健常児でも「接種したい」と思っている子もいるので、そういう子にはワクチン接種をさせてあげればいいと思いますが、やりたくない子にまで「やらなけれないけない」という同調圧力をかけてまでやる必要はないのではないかというのが、多くの小児科医が考えていることだと思う。
■経済回すのと同時に子どもの教育も回すことも今しっかりと考えるべき
川上理事:子どもたちがいかに、心身ともに豊かな子どもとして育っていく場にするためには、私たちは経済を回すのと同時に、子どもの教育もしっかり回していくかということを考えなければ、10年後20年後、この抑圧された状態で育った子どもたちが、大人になった時にどういう社会人になるかということも考える必要があると危惧しているところです。
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感染が減少したとは言え日本より感染者が多いイギリスやスウェーデンの政府では、すでに事実上の終息宣言をしました。国民の7割以上がワクチンの2回接種を終了していることでオミクロン株の感染があっても重症化は極めて少ないとして、社会を正常化する方向に舵を切りました。同時に、全国民に室内マスクの義務も解除しました。一体、この違いは何でしょうか?イギリスやスウェーデンのオミクロン株は我が国のものと同じものだし、症状もほとんどが無症状か軽症というのも同じです。違うのは国民の気質と政治家の姿勢です。
東京医師会の記者会見で小児科医が出てくるのは初めてだと言います。それほど、子どもの感染予防をめぐって不確かな情報が錯綜しているという事です。学級閉鎖の基準がなく判断がバラバラなのは学校医によって考え方が違うからだと、医師会の担当理事が言い出すのですから驚きです。おそらく全国の学校でも、ここ乙訓でも同じ事が起こっているはずです。もっと、びっくりするのは感染の多くは学校ではなく家庭で大人から子どもがもらっていると発表していることです。それならば学級閉鎖などしても感染防止には意味がありません。
子どものワクチン接種は同調圧力でするものではないときっぱり言い切る本音は基礎疾患のない子どもは打つ必要すらないと文脈からは読み取れますが、そうは言わないのは製薬会社に気を使っているかもしれません。川上理事の考えはほぼ英国やスウェーデンと同じなのだろうと思います。今後も変異株は出てくると思うが、それを心配して戸外に出ずにマスクを2年も3年もつけていて心身の発達に良いわけがないと言いたいのだと思います。それでも、政治家は「テレビ感染」した「コロナ脳」の有権者に媚びて、経済も子どもの教育も後回しにしていきます。