みんなちがってみんないい
実効再生産数
「実効再生産数」とは1人の感染者が平均してうつす人数のことで、これが1未満になれば感染者は減少していくという数値です。ただ、この数値は環境によって変動するので、数値が1未満になったから警戒を解除したらいいというものではないそうです。
イギリスやドイツでは「実効再生産数」を1以下に抑え込むことを政治目標にして、この目標を達成していれば徐々にロックダウンを解除して経済活動を正常化させると言います。対して、わが国は4月10日で全国も東京も「実効再生産数」は1未満であるのに、「緩やかな減少」とか「思ったほど減少しない」とか曖昧な表現が多いまま自粛の延長を図っています。
日本の場合、失業率が1%増えれば自殺は年間2300人程増えると言われています。現在の失業率は2%ですが、10年前までは5%でした。感染による死者を抑えながらも景気の立ち直りを支えていくことが重要です。それぞれの困難な生活を抱えながらの自粛なのですから、目標値をみんなで共有することは大事だと思います。
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4月1日ごろ減少転じたか 外出自粛要請など契機―専門家会議
2020年05月02日07時38分【時事ドットコムニュース】
新型コロナウイルス対策を検討する政府専門家会議は、1人の感染者が平均してうつす人数「実効再生産数」が4月1日ごろに「1」を下回り、感染が減少傾向に転じたとみられるとの分析をまとめた。「一定の成果が表れ始めた」と外出自粛要請など一連の対策を評価したが、人と人の接触の8割減は未達成で、減少ペースは緩やかだとした。
<新型コロナウイルス都道府県別感染者数・死者数>
同会議で感染状況の推計に当たる西浦博・北海道大教授(理論疫学)は、東京都内の感染が減少に転じた要因は、3月25日の小池百合子都知事による外出自粛要請などが考えられると指摘。緊急事態宣言の後、感染リスクの高いナイトクラブなどに対し休業を要請した効果も大きいとした。4月10日の実効再生産数は0.5に低下したが、「今後も維持できるか見る必要がある」と慎重な対応を求めた
感染の減少が緩やかな要因としては、医療機関や福祉施設内での集団感染を挙げた。仕事に就いている30代以上の年代では、接触減が8割に達していないとの分析も明かした。全国の同10日の実効再生産数は0.7で、東京ほどの低下はみられなかった。
大石和徳・富山県衛生研究所所長は「感染減のスピードが鈍いのは、政府の対応も影響している」とした。緊急事態宣言発令や店舗の休業要請、テレワークの推進などで、実施の遅れが目立つと指摘した。大橋順・東京大准教授(集団ゲノム学)も「感染減は不十分で、宣言を解除すればすぐに患者が急増する」と分析。「ロックダウン(都市封鎖)をしなくても、現状程度に接触を制限すれば感染が減りそうだと分かったのは良かった。今後の政策に生かしてほしい」と求めた。