みんなちがってみんないい
光明寺の梅が咲きました
先週は寒くて、縮こまった梅のつぼみが昨日の陽気で一気に開花です。梅と言えば天満宮、天満宮と言えば菅原道真、道真公と言えば飛梅伝説とその和歌です。
【和歌】東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 あるじなしとて 春な忘れそ
【よみ】こちふかば においおこせよ うめのはな あるじなしとて はるはわすれそ
【意味】春風が吹いたら、香しい花を咲かせておくれ梅の花よ。主がいなくても、春を忘れてはいけないよ。
菅原道真が大宰府 (だざいふ) に左遷されるとき、大切にしていた庭の梅の木に上の一首をかけて去ったところ、その梅の木が道真を慕って、大宰府にまで飛んで行ったというのが飛梅伝説。また、その故事にちなんだ、太宰府市安楽寺の樹齢1000年の梅を飛梅といいます。
歌の威力を示す内容で、早くから『十訓抄(じっきんしょう)』などの説話集に取り上げられています。悲憤の死後、雷神となって天下を震撼(しんかん)させる道真の威力を、生前のできごとで印象づけるかっこうの材料となった伝説です。この伝説の背景には「飛び神信仰」があるといわれます。元来、神霊は空中を自由に飛び回り、人々の求めに応じて降臨すると考えられていました。その代表的なものが飛び神明(しんめい)です。伊勢(いせ)の神が各地に飛来してはその地の守護神となったという言い伝えがあります。このような飛び神信仰と道真の威光とが結び付いたのが飛梅伝説なのです。