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公立高校入学試験の合理的配慮申請

公立高校の入学試験では障害のある志願者への合理的配慮を申請することが出来ます。自治体によって違いがありますが、子どもの特性を踏まえた措置をしてもらうことができます。2016年4月から障害者差別解消法が施行され、公立の学校については受験の際の配慮申請が通りやすくなっています。しかし、現実には入試においてなかなか当事者が望むような配慮は認められていません。私立学校の場合は合理的配慮は「努力義務」なので、各学校の裁量に依るところが大きいですが、公立の高校よりもむしろ私立学校の方が理解があり、別室受験や受験時間の延長などの対応をしているところもあります。そして、入学後の対応なども丁寧に行っているのも私立学校に多いようです。

高校入試のときの合理的配慮の申請に必要な書類の一般的な例ですが、高校入試の場合配慮の申請に必要なことや書類は以下のものです。

・医師の診断書・個別の教育支援計画(各自治体や各学校の様式に沿って作成)受験の際に支援の必要性を証明するために、校内試験でどのような支援を行っていたか記述したもの・中学校と受験先の高校との事前協議=ここで、認められる配慮の範囲について意見のすりあわせを行う。

入試の数か月前には中学校から受験先の高校との話し合いを行う必要があるようです。そのうえで、都道府県教育委員会に許可をとる必要がありますので、詳細については在籍している中学校や各教育委員会に問い合わせてください。学校に合理的配慮をお願いするときに大事なことにも書きましたが、それと同時に中学校での理解と配慮実績も必要になります。それを個別の教育支援計画や中学校での配慮事項などで、中学校での学習の仕方を高校へ伝えていく必要があるからです。

まだ大多数の中学校は、「高校入試の受験方法は特別な配慮がないので、中学校の勉強も皆と同じくする必要がある」と考えています。つまり、高校入試のために、普段の授業から慣れておく必要があるという考え方です。中学3年間などはあっという間に過ぎて行きますから、中学校との話し合いも中学入学時から進めていく必要があります。「学校の先生なら知っているはず」と思っていることでも、経験していなければ結構知らないことが多いです。「こういうことがあるそうですが」と、生徒や保護者の方から学校に伝えていく必要があります。正しい情報を伝えることで先生が動きやすくなることもあります。特別支援教育コーディネーターや進路指導、保健室の先生がよくご存じのはずです。