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みんなちがってみんないい

教育支援委員会

この時期は特別支援学校の学校説明会やら各自治体の教育支援委員会が主催する就学相談会が始まっています。自分の子どもはどんな教育環境が適しているのだろうとお悩みの保護者の方もおられるかもしれません。そもそもこの教育支援委員会は昔「適正就学指導員会」といういかにも上から目線みたいな名前がついていました。「適正」とは誰が決め、誰が誰に何の権限があって「指導」するのでしょう。やがてこの名前は時代と共に就学支援委員会という名前になり、最近は教育支援委員会という名前に衣替えしています。

前年度の半年ほどの期間で学校や学級を決める話をするのでは相談にも支援にもならないというのが名前変更の理由みたいです。もっと前から相談利用者と相談担当者が子どもを真ん中に置いてどういう教育をすればいいのかというやり取りを続け、その経過として学校選択や学級選択があり、義務教育が終了するまで相談員や関係者が伴走するような理想的なイメージで文科省のHPには説明されています。ただ、この相談に係るのは教育委員会の担当者と就学前施設の園長だったり学校の校長や関係職員の兼務が殆どです。就学だけでなく特支級入級や特支校への転学や中学校のことまで扱うので(本当は特支級から通常級への戻りも検討することになっています)、その相談数は長岡京市や向日市クラスの自治体でも半端ではない数です。文科省の言うとおりに長期間に何度も相談をするとなれば他の業務が滞ると関係者は言います。

虐待問題で児童相談所の職員数が少なすぎるという事を以前掲載しましたが、相談者の人手不足は特別支援も同じです。相談と名はついていますが、相談担当者と保護者の意見が違う時には説得担当者になってしまうと言う声も聞かれます。相談担当者にすれば人的配置の権限は行政にありますから来年度の職員体制を想像しながらの相談になるので立場は複雑です。また、相談から決定に至る期間が短いようにも思います。本当に相談してよかったと利用者に思われるにはまずは相談担当者にも時間的余裕が必要です。そして、利用者である保護者が結論を保留しているときでも、教育の在籍場所で教育内容が決まるのではなく、どこにいても可能な限り必要な教育サービス(例えば専門的支援の人員)が行われる財政的な裏付けが必要です。

では相談利用者である保護者はどうすればいいでしょう。一昔前よりははるかにましになったとはいえ、まだまだ特別支援に関する理解もその財政的な規模も先進諸国と比べれば不十分ですし、居住する場所によって地域格差もあります。居住地域の教育サービス情報を親の会などから仕入れ、まずは信頼のできる診断の専門家と支援の専門家を助言者にして子どもの特性や支援についての正しい知識を得ていくことが大事ではないかと思います。放デイは学校の行き先の相談はできませんが、子どもの特性のことやその支援についてなら助言はできます。ご希望の方があればスタッフまでご連絡ください。