みんなちがってみんないい
消去抵抗に負けないで
「部分強化効果」連続強化条件よりも部分強化条件の方が消去抵抗につよい(消去しにくい)のです。つまり、何回もこれが大事だというより時々これが大事なんだと言った方が効果が高いということです。彼氏に毎回会いにいきその度に好きだよと言われるより、毎回会いにいき時々好きだよと言われる方が嬉しい気持ちは高いといえばわかるでしょうか。しかも、ランダムに言われる。いつも言われるよりはるかに効果が大きいのです。だから毎回欠かさず会い行くことになります。これが変動比率スケジュールによる最強の部分強化です。
この最強の部分強化が不適切行動に応用された場合、消去するのは並大抵ではないのです。きっとまた好きと言ってくれるかもという最強の部分強化の餌食になるからです。これをきっぱり「彼は私を金輪際好きとは言わない」と自ら納得するにはどうすればいいでしょう。
自分の思い通りに周囲をコントロールしたいという動機に対して、それは叶わないと諦めてもらうには、思いが実現しない期間の長さと、願いはきっと叶うという不適切行動がバースト(エスカレート)しても耐え忍んで対応(無視)し続けることです。そうすれば時間はかかっても消去の時がやってきます。
行動療法を実践する人が、なぜそんなに力強く言えるのかと言うと、もちろん科学的根拠に基づくのはいうまでもないですが、この「パチンコ理論の行動消去に何度も成功した」という部分強化の学習をしているからです。期間も違うあれこれの問題行動の消去を直接にも間接(助言)にも実現したと言う変動比率スケジュールの部分強化の体験をしているからです。
貴方もくじけないでください。必ずやってくる不適切行動の消去まで頑張りましょう。子どもが受け入れてくれるには時間は相当かかります。だから、様々な不適切行動の結果として、ゲームを与えてはいけません。ゲームを買ってはいけません。テレビやゲームの時間を譲ってはいけません。「約束したこと」は不適切行動で譲ってはいけないのです。子どもたちは何の悪気もないのです。前は叶ったから、もしかしたら譲ってくれるかもという変動比率スケジュールによる部分強化の学習をしつこく続けようとしているだけです。その学習は実現させてはいけません。その決意が負の学習の終結を決定します。また、このブログでは繰り返しすぎるほど強調しますが、具体物を含めたあらゆるレベルでの自発コミュニケーションの獲得による適切なコミュニケーション場面の日常的な実現と、適切な行動を褒められる体験が増加する(強化される)機会を意識的に作り出すことが、小手先の無視行動よりもはるかに強い影響を与えます。