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みんなちがってみんないい

あさイチ「どう向き合う? 思春期の発達障害」

今日の朝のEテレで、あさイチ「どう向き合う? 思春期の発達障害」の放映がありました。思春期になると、周囲との違いを意識することで、生きづらさを感じることも多いですが、なかには発達障害が引き金になっていることもあり、周囲にはどんなことができるのか考える企画です。

ASD専門医の大御所でもある信州大学の本田秀夫先生の最初のお話は、発達障害は大人から見て変に見える事を基準に診断している面があるけど、大人からは見えていないけど、独特な感じ方や考え方をしている子ども達が思春期になってくると悩みが表面化するということでした。

通信制高校に通う女子は教室の明るさに疲れて授業が受けられなくなっていました。光過敏のASDの特性をよく知る専門の先生が、暗い部屋に導いて何故彼女が苦しくなったのか今後どういう配慮をすればいいのかを相談にのっている様子が流されました。人との煩雑な交流を配慮した通信制高校ではあったけど感覚の問題も見抜いてくれる助っ人がいるなんてすごいなぁと感心しました。

二つ目は、読み書き障害の書字障害のために字を書くと頭が混乱して勉強ができなくなるという中学男子の話です。彼の訴えを中学校が理解してくれてPCでのキーボード入力を認めて(?)くれ安心して教室で授業に向かえるようになったそうです。ただ、気になったのは、彼はわざわざ自分の書字障害をクラスにカミングアウト(障害を自分から公開する)してクラスメイトから許容(?)してもらったという下りは、なんで自分でカミングアウトしないとパソコン入力如きが教室でできないの?と思ってしまいました。この程度の合理的配慮は学校の責務だからです。同じように感じたゲストからは、オーストラリアでは、教室でのPC利用は生徒全員が利用できるという話や、入学の最初に学校から生徒と保護者に向かって違う学び方をする人もいるから理解してほしいと説明するのが当たり前なので、みんな違う学び方をする人に違和感はないと発言されました。本田先生もPC利用はメガネと同じことじゃないかと助言されました。

最も心に残ったのは、発達障害の人たちに一番必要なのは好きなことを心ゆくまで仲間と楽しめる趣味の場の保障だという映像です。興味のあること好きなことをとことんやれる居場所を保障している東京のNPOでは、アニメの教室やボードゲームの教室で活躍している発達障害の青年を取材していました。好きなことだから難しくても追求できる、得意なことだから人にも教えられる、そしてそのことで仲間から必要とされている自分に気づき自尊感情を高めていくことができるという映像です。このブログでもすてっぷが、PCプログラミングでもカードゲームでもeスポーツでも岩石集めでも遺跡ほりでもなんでもいいから好きなことを見つける場になれればいいと書き続けてきたので、この放映はとても心強く感じました。

 

不注意や集中しにくいADHD症状の治療(緩和)薬について

ADHDやASDの子どもの中に、勉強に向かうのにとても時間がかかったり、机に向かってもすぐに集中できなくなって他のことに興味が行ったりする子どもがいます。本人がとても好きな事でも、少し細かな作業や集中を要する内容があるとすぐに疲れてしまい、大人に代わりに作業をして欲しがったり、興味のあることなのにあきらめてしまうケースがあります。周囲には、「辛抱ができない」とか「あきっぽい」とか思われてしまったり、本人も「自分は皆と同じようにできなくてだめだ」と思い込んでいます。こうした子どもには、何をどれくらいすべきか視覚的に示したり、周囲の環境を調整して気が散らないようにしてあげたり、本人が集中できる時間を計測して学習や作業は短時間で休息を入れたインターバル構成にしたり、いくつか他の内容をするように設定してあげたりします。しかし、それでも本人の気が散って本来の能力が発揮できない場合や、自尊感情を失って意欲がない場合などは、服薬の力を借りて取り組みやすくしてあげることが必要な場合も少なくありません。ここでは、著しく不注意や気が散って集中しにくい子どもへの服薬について正しい知識を持ってもらうために、いくつかの資料からまとめてみましたのでお読みください。

コンサータ
鎮静効果があり、多動傾向や衝動的な行動を軽減することが出来ます。この事により、学校生活や仕事に集中することができ、生活にメリハリをつけることが出来ます。効果が出るのも比較的早く、服用をはじめて1週間以内にその効果があらわれます。効果時間は服用後、10~12時間継続し、1日1回(朝)が基本となります。最も多かった副作用としては、食欲低下で、不眠、頭痛と続きますが、副作用の有無は子どもによって違います。

ストラテラ
コンサータと同様に集中力の向上や多動傾向や衝動的な行動を軽減することが期待出来ます。ストラテラは即効性はなく、服用開始から効果が出るまでは約2週間かかり、安定した効果が得られるまでには6~8週間程度必要となります。ストラテラの効果の持続時間は服用から24時間です。子どもの場合は1日2回(朝・夕)が推奨されています。内用液剤もあり、カプセル剤が飲みにくい子どもにも飲みやすい物となっています。副作用の強さとしてはコンサータよりも軽く、副作用が発症しても2、3日で治まります。

インチュニブ
インチュニブはコンサータやストラテラと違い、小児用(6~17歳)のADHD治療薬として開発されました。効果自体は、コンサータやストラテラと同様に多動性、不注意、衝動性の症状を和らげる効果があります。服用開始からインチュニブの効果が出るまで期間は1~2週間であり、効果の持続時間は24時間です。服用は1日1回です。副作用として多いのは傾眠(うとうとする)で、血圧低下、頭痛と続きます。

ビバンセカプセル
2019年3月26日に日本で承認された新しい薬ですが、覚醒剤原料の規制対象となっていますので管理が厳しい薬です。小児にはリスデキサンフェタミンメシル酸塩として30mgを1日朝1回服用します。副作用は食欲減退(79.1%)、不眠(45.3%)、体重減少(25.6%)、頭痛(18.0%)、悪心(11.0%)などが報告されています。

効き目も副作用も個人差があり、人によってはほとんど効果がないものもあります。服薬の目的は「日々の生活を不自由なく、落ち着いて暮らせるようになる」ということと、学習は分かれば達成感のあるものだと感じてもらうことです。精神科が扱う薬だから不安だという感情をお持ちの方もおられますが、いつまでも処方するものではありませんし、服薬している多くの子どもたちが楽に過ごせているのも事実です。薬で無理に子どもを落ち着かせるという認識ではなく、また、効果について過度の期待もしないというスタンスが大事です。生きやすくなる手助けをするための「いくつかの中の一つの手段」として服薬があるということを理解することが大切だと思います。もしも、不注意の診断や治療を考えたい方があれば近隣の医療機関もご紹介できますのでスタッフまでご連絡ください。

地震対策

先日、新潟で震度6強の地震があり驚きました。東北地震は日中でしたが、真夜中や明け方が多い気もします。もしも日中放デイの時間帯に地震が起こったらどうするか避難計画を検討しています。この建物は軽量鉄骨製ですから、家屋が傾くことはあっても倒壊はしません。ただ周囲は木造家屋が多く夕食前などは火災が心配され、北側の家屋が火災を起こすと避難が必要かもしれません。

すてっぷの前は狭い市道ですが、もう一本南側は外環の府道が走り東側は171号国道ですので信号停電による大渋滞や渋滞から逃げる車が前の道をたくさん通行することが予想され徒歩による避難所=向陽高校(徒歩5分)への避難には注意が必要かもしれません。被災程度によって避難所で過ごすか火災などがなければここで過ごすのが妥当かの判断が必要になります。

電話が通じなくても最後までネットは通じるので、このホームページやSNSなどで被災状況を発信します。保護者の皆さんはホームページやツイッターのチェックをお願いします。(現在、ツイッターでの発信はしていませんが、重大地震が起これば #すてっぷ地震 で検索してください)

こうした児童福祉施設の災害」による非常事態の対策は、非常災害対策計画として厚生省令でガイドラインが示されていますので興味があればご覧ください。計画が確定したら保護者の皆さんにも配布したいと思います。

習い事型放課後等デイサービス

放課後等デイサービスについては以前掲載しましたが、前回は施行初期の頃の意義や厚労省が掲げたことをそのまま説明しました。しかし、実際は一言に放課後等デイサービスと言っても、取り組みの内容や一日の過ごし方など、施設によってかなりの違いがあります。
施設ごとの特徴としては次の4タイプ、もしくはそれらの混合があるようです。
A.生活型 B.療育型 C.お勉強型 D.運動型 
CDは習い事型といってもいいかもしれません。

A.生活型
ゆったり過ごせる雰囲気を大切にした放課後等デイサービスのことです。「それ、家でよくない?」と思うかもしれませんが、発達障害のある子は、人間関係を築くのが苦手な子が少なくないです。「他人に興味がない」「人の気持ちがわからない」という子には、生活型でゆったりと人とのかかわりを学んでいけます。
もちろん適切なかかわりを促せる大人の存在が必要なので、障害特性や支援のノウハウをスタッフが身に着けているかどうかでサービスに大きな差が付きます。
「学童保育」に近い内容、おやつを食べたり、宿題をしたり、友達と遊んだりするだけの場所なのですが、そういう「学校が終わった後に障害のある子も友達と遊べる場」という内容は最初に放デイに求められた社会的役割です。
また、親もスタッフと子育ての悩みや将来の不安などを相談できるという保護支援の観点も前回書いたところです。

B.療育型
療育型の放課後等デイサービスでは、子どもの発達支援に特化した取り組みをおこなっています。そのため、OT(作業療法士)やST(言語聴覚士)、PT(理学療法士)や心理士、音楽療法士などの専門スタッフが在中し、子ども一人ひとりの特性に合わせたカリキュラムを設定します。■感覚統合(バランスボールなど)■自立課題(弁別・マッチング・組立課題など)■自己理解 ■ソーシャルスキルトレーニング ■リラクゼーション訓練 ■日常生活動作訓練(ボタンの付けはずしなど)■学習支援(鉛筆の握り方など)■絵カードによることばの支援(理解・表出)■発音の訓練 ■基本動作の訓練(座る・立つ・歩くなど動作の維持・向上)■変形・拘縮の予防■姿勢の調整・管理 などを個別か小集団で取り組みます。
就学後の発達障害児が療育を受けるとなると、各自で専門の病院に通ったりする必要がありますが、このように放課後等デイサービスで療育をおこなうというのが特徴です。ただ、その分とても人気がある施設なので、かなりの数の待機児童がいます。

C.お勉強型
放課後等デイサービスの中には、■学力補充 ■英会話 ■ピアノ ■パソコン(プログラミング) ■ダンス などの個人レッスンを、本人や保護者の希望によりおこなってくれるところもあります(多くは時間制のようです)。発達障害児の場合、なにか習い事をさせたいと思ってもその環境(人の多さ・一斉指導など)に苦手感が出てしまい通えないという子も少なくないかと思います。「興味の幅を広げてやりたいけれど、一般的な習い事に通わせるのは敷居が高すぎる」と感じている方にニーズがあるようです。

D.運動型
お勉強型と同じように運動に力を入れた施設もあります。運動は、発達障害児の心身の成長にも良いので結構ニーズがあります。スイミングスクールで「プールサイドを走り回り、プールに飛び込み、ルールも守らないので危険」という理由で断られた経験のある親は少なくありません。聴覚過敏がある子もいるので室内プール特有の音の反響でスイミングが苦手になった子どももいます。こうした事態を把握してスイミングに力を入れ室内プールを持っている放課後等デイサービスも存在します。他にも■体操 ■テニス ■卓球 ■フットサル などスタッフの得意なスポーツを取り入れているようです。「運動面を伸ばしてやりたいのだけど、一般の習い事やスクールには通えなくて…」という方のニーズをくみ取ったのが運動型の放課後等デイサービスです。


ステップは生活型と療育型の混合を目指しています。様々な年齢、様々な違いのある子ども達が、スタッフの支援を受けつつ助け合ったりぶつかり合ったりして社会性が育つように取り組んでいます。また、子どもたちの自立性を高めるために構造化支援(視覚支援)を行い個別学習に取り組んだり、表出のコミュニケーション支援として個別指導を行っています。私たちは、社会性と自立性は多様な個性を基盤としながらも表裏一体なので日常生活の様子を把握してこそ生きた療育ができると考え、このAB混合型を選択しています。

CやDの習い事型は、このサービスの発足当初は想定されていなかったと思います。民間に任せれば、子どもを放置してビデオ・ゲーム漬けの悪徳放デイが出る一方で、利用者目線で痒い所に手が届く新しいサービスが生まれたのだと思います。障害のない子には学童保育も塾も習い事も家庭収入の差はあれども選択が可能です。やっとその選択の可能性が障害のある子にも広がってきたのだと思います。公立だから良くて民間だから劣るというのは間違いだと思います。利用者ニーズにこたえる公正な競争は良いサービスを生み出していくと期待したいと思います。また、そこに働く人々の労働条件や賃金も向上するようにバランスの良い業界の成長を期待します。

花粉症

昨日、すてっぷに来てから鼻水がずるずる出てくしゃみ連発なのでこりゃなんかのアレルギーだと思っていたのですが今日は何ともないのです。周囲を見回してみるとヒノキがありました。隣の庭のヒノキの花粉が風で飛んできて1本だけなので全部飛び散ったのかしらと推測しています。この時期はブタクサというイネ科の花粉とヒノキ花粉のアレルギーが多いといいます。

花粉アレルギーでアナフラキシーショック(アレルギー反応によって急速に、皮膚、呼吸器、消化器など複数の臓器と全身性の症状で生命にかかわるような状態)になる人もいるのでアレルギーといえども侮れません。最近はDNAレベルで治療するDNAワクチンが治療用にならないかと研究が進められています。

アレルギーには花粉だけでなく食物やペットの毛、化学物質、ホコリ、金属と挙げればきりがないです。なぜこんなにアレルギーが増えてきたのかは、ざっくりいうと人間の文明が進化したためです。古来人体が防護してきた微生物や細菌の防御機能が、清潔環境では感染がおこらず他のもので反応するようになるからだ(1989年イギリスStrachan博士)と言われます。

同じようなことはいろんなことで言えそうです。社会性の発達についても失敗がない子は後でしんどい目に合うと言われるようにです。ただ、だからと言って重篤な感染症にかかるのは予防する必要がありますし、病弱者なら些細な感染症でも防ぐ必要があります。同じように、重大な失敗体験が予測できるなら予防する必要があるし、子どもの特性によっては些細な失敗も重大なトラウマになってしまうこともあります。

要は一人一人の子どもの的確な見立て(どの程度の失敗なら大丈夫か)と、明確な支援策(失敗のリカバリー方法)を大人が持っているかどうかにかかわっています。これって、最近のアレルギー治療、つまり的確なアレルゲン特定と減感作療法(徐々に慣らす治療)によく似ています。

家事労働

子どもたちにお家で何のお手伝いしてると聞くと、たいがい「ふろそうじ」とか「食器下げ」です。昔は新聞取りとか牛乳取りとかあったのですが時代の変化で廃れたようです。

子どもは、お手伝いから多くのことを学び成長します。でも、お手伝いをやらせればいいというわけではないし親がどのように対応するのかが重要です。子どもは基本お手伝いをするのが好きです。子どもがお手伝いしたいと思う気持ちは、子どもが心身ともに成長しているからです。自分の力を試してみたいという意欲の表れでもあります。
自分からやりたいと言わない子どももやりたいと思っているかもしれません。「これをするの、一緒に手伝ってくれる?」と、声をかけてみましょう。一度にたくさんのお手伝いを頼まないように気をつけてください。お手伝いが嫌いになります。子どもによって、また、内容によって、子どもだけに任せる場合や、お母さんやお父さんと楽しんで一緒にやることもあると思います。


お手伝いは基本ほめましょう。子どもはお手伝いしたことをほめられると、また頑張りたくなります。失敗しても決して叱ってはいけません。少々のことには目をつぶり、大目に見て、やってくれている気持ちを尊重しましょう。たとえば浴槽洗いで子どもの洗い方が不十分な場合でも、その場で注意し、スポンジを奪い、親が子どもの目の前で洗い直すということは決してしないでください。子どもの自尊心を傷つけます。まずは感謝の気持ちを述べ、洗い直したければ、あとで子どもに気づかれないようにこっそりすればいいのです。次の機会に、親子で一緒に洗いながら「この角っこのところ、とくに注意して洗おうね。ヌルヌルが残っていないか、指でキュッキュッと、確かめてみるといいよ、そうそう上手上手」と教えてあげましょう。


子どもは、お手伝いしたことを感謝されることにより、人の役に立ててうれしい気持ちを実感し、また、最後までやり終えた達成感から、自分に自信を持つようになります。そして自分の判断で行動できる子どもになります。子どもはお手伝いからたくさんのことを学びます。どうやったら早くできるのか、どうやったらうまくいくのかを考え、工夫します。家族の一員として何か役割を与えられると責任感が芽生えます。
お手伝いは、子どもに任せるお手伝いもありますが、親がやっていることを一緒に手伝ってもらう場合もあります。親と同じことをすることで一体感が生まれ、いつもは話さないことも語ってくれるものです。子どもの方からあまり語らない場合は、親の方から子どもの頃の話など色々と話すと、子どもは共感し、心を開き自然と語るようになります。お手伝いをさせないで育ててきた子どもに、大きくなってから急に手伝わせようと思っても難しい話です。幼稚園や小学校など小さな頃からお手伝いの習慣をつけると自然に仕事が好きな子どもに育っていきます。

西陣麦酒プロジェクト

昔、作業所で作ったアクセサリーを買ってほしいと会合で現物が回ってきたことがありました。皆さんは好意的に購入されていましたが、現物は販売品質のレベルには達していませんでした。材料費だけでも回収したいというスタッフの気持ちはわかるのですが、それなら正直にカンパをお願いしたらどうかと思ったことがあります。これは作業所の利用者のスキルの問題ではありません。経営者や職員がこの商品から製作に関わった利用者がどのように購買者にイメージされるか想定できたかどうかの問題だと思うのです。

前回(4/20)掲載した「西陣ビール」の続報が京都新聞6/11に掲載されました。「おいしい」「かわいい」「背景ストーリに共感」と言われ他の地ビールより割高でも取引されているそうです。商品は欲しいと思われてなんぼだと思うのです。おいしい!かわいい!がバズり(流行り)、そのことで製作にかかわった人たちが身近に感じられるように、経営戦略を立てることは会社だけでなく福祉の事業所にも求められていることだと思いました。

https://www.762npo.jp/

みんなでお出かけしたい。福祉車両が欲しい

当事業所は職員の自家用車を事業対応車として保険に入り送迎の運用をしています。自宅の送り迎えはそれでいいのですが、みんなでお出かけするときは小さな車だと分乗となり車内指導がむつかしかったり運転手が余計に要ったりで効率が悪いのです。10人乗り車なら子どもを一気に乗車させてみんなで移動できます。車内指導も容易です。

さらに、福祉車両なら車いすも乗ったままでそのままリフトやスロープ・ウィンチで乗車できるのでみんなでお出かけできます。また、車いすの方の乗降介助は窮屈な姿勢で介助されるので、精神的にも肉体的にも当事者が一番負担なのです。

でも福祉車両は例えばワゴン車なら400万近くしますし軽自動車でも150万を突破します。これを2台買うとかなり厳しいなと唸っています。そこで、あちこちの助成団体を見て申し込もうと思っています。だいたい価格の6割程度は助成してくれるそうです。しかし、車屋さんに聞くと当選の確率はこの地域では1~2割だそうです。でも申し込まなければ何も始まらないので書類の山と格闘することにします。がんばります。

アセスメント

当事業所が発達検査を実施しているのは「読み書き障害」のところで掲載したところです。当事業所が実施しているのはKABC2という最新の理論に基づいた検査です。この検査は子どもの認知力と学力の両方を見る検査です。WISC4などほかの検査は認知力しか見られないので実際の読み書き計算の力がはかれません。ただ、認知と学力の両方を検査するので2回に分けないと子どもが疲れてしまうという課題はあります。

アセスメントは、医師がおなかが痛いのに頭痛薬を出さないように、療育者もどこが課題か把握してから療育を進めた方が最短距離で結果に到達できるからです。もちろん検査なんかしなくても、長年の勘で子どもの課題を見つけて支援を考える方もおられますが、今はチームで支援するのがあたりまえですので、誰もが根拠に納得をして支援を進める必要があります。誰もがというのは支援を受ける本人も家族もさしています。

検査はするけど、検査結果を口頭でしか報告しないとか、報告すらしないという検査者がいるそうです。こういう方は、病院で検査をして結果表を病院が見せてくれなくても、医師が数値をもとに診断しなくても大丈夫なんでしょうか。みなさん「数値が独り歩きする」と言って「親が数値だけで子どもを見てしまう」と報告されないのですが、それならあらゆる統計値で構成された天気予報も保険料も認めないのでしょうか。天気予報が外れたと訴える人はいないでしょうし、保険の生存率や事故率を認めない人もいません。統計値を確率として了解しているからです。

とういうことで検査根拠に基づいた支援をしてほしいとご希望される方はスタッフまでお知らせください。

 

宿題と学習時間

筆者が小学校の頃は先生によって宿題の量はまちまちだったみたいです。「みたいです」というのは、最後まで宿題をやったためしがないのでおそらくそうではなかったかという話です。今はほぼマニュアル化されていて先生によって大きく違うことはないようです。文科省が出している宿題の目安として(引用資料探せませんでした)、「学年×10分」です。1年生なら10分、6年生で60分です。はっきり言って短いです。でも、平均より学力の低い子を目安にこの程度と言われています。小学生段階だと、家庭学習の「習慣」を身につける練習にはこれくらいということでしょうか。

ただ、学力は量だけで決まるものではなく質だと言われる向きもあります。平均的高学年の子どもが学習を持続できる時間は50分程度といいます。そのうち完ぺきに集中できる時間は平均15分程度らしいです。だとすると、集中できる15分間に何の学習をもってきて、それ以外の時間にはどんな学習を持ってくるのか考えておく必要があります。漫然とドリル学習をさせるだけではもったいないということです。

ここまで読んでお気づきの方もいると思います。同じ子どもが向かっている学習時間ですら時間帯によって質が違うとすれば、違う子どもならさらに違いが生じるはずだということです。子どもの特性をよくつかんで宿題を開始する時間、内容の順番、今の宿題の学習量や質が子どもに適しているかどうかは家庭で組み立てたり見てあげるしかありません。小学校の宿題は子どもが大きくなって家庭で自学自習の習慣とその自信を子どもにつけるために行うものだということです。