みんなちがってみんないい
ワーキングメモリー
ワーキングメモリーは、情報を脳内で一時的に保持する能力・また保持した情報を選択して処理する能力のことです。
ワーキングメモリーは、日常生活における会話や読み書き・計算・仕事・勉強などを行っていくにあたって欠くことのできない能力です。私たちは、無意識のうちにワーキングメモリーを働かせています。
会話能力
人と話をしている時に、話しかけられた内容を脳内に記憶して、的確な返事をすることにワーキングメモリーは関わってきます。会話能力に長けている人は、人から言われた話やその場の雰囲気を瞬時に判断して、その場に適した言葉を選択することができています。これは、ワーキングメモリーが効果的に働いているからです。
物事の優先順位選択力
同じタイミングでいくつかのことをこなさなければいけない時、ワーキングメモリーが上手く働かないと、何を先にすれば良いのか分からなくなり、パニック状態に陥ってしまいます。仕事をするようになると、優先順位付けというのがとても大切で、これができないと職場や家庭生活で様々なトラブルを起こします。
スポーツでの判断力
ワーキングメモリーの、短期的な記憶と情報の選択という機能は、スポーツとも深く関わってきます。特に、チームスポーツのように、プレーの中にいくつかの選択肢があるような場面で、的確な判断をできる人は、ワーキングメモリーが強い人と言えます。子供が行うドッチボールなど単純なスポーツにおいても、「どこに投げればいいか」・「どっちに逃げればいいか」などの判断には、ワーキングメモリーが働いています。
発達障害のある人には、ワーキングメモリーが上手く働いていない人が多いようです。発達障害のある子供たちが日常生活において感じている様々な困難は、ワーキングメモリーの働きと関係していることもあります。
ただ、ワーキングメモリーが上手く働かないということは、言葉で上手く説明することが難しいので、子供も周囲に自分の状況を上手く説明できずに辛い思いもしています。
親や周囲も子供の置かれている状況を上手く想像するのは、難しく、つい叱ってしまうという場合もあります。
ワーキングメモリーを鍛える方法は様々ですが、まずはワーキングメモリーが弱くても、メモを取る、IT機器を使うなど弱さを補完する方法を当事者と一緒に開発することが支援の第一歩です。