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外出自粛でゲーム依存の相談急増

外出自粛でゲーム依存の相談急増「成績下がり、学校に行けなくなった」

2021/01/26 10:43【読売新聞】

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛の影響で、パソコンなどのゲームにのめり込む子供らが増えてゲーム依存症が拡大する懸念が高まっている。依存症患者の支援組織には親からの相談も相次ぐ。

大阪市の主婦(43)は、昨春の一斉休校を機に小学1年の次男(6)がゲームをする時間が増えたと心配する。兄が使わなくなった携帯ゲーム機で遊ぶようになり、学校再開後も毎日1~3時間ほど必ず手にとる。

外で遊ばせるのが心配な上、現在は学校や習い事に行く前にゲームをやめ、宿題も真面目にこなすため、静かに見守るが、「将来スマートフォンを持ち始めると親のコントロールができなくなるかも、と考えてしまう」と不安を漏らす。

ゲーム依存症からの回復支援などに取り組む「MIRA―i(ミライ)」(東京都)ではコロナ禍の影響で昨夏以降、子供のゲーム依存に悩む親の相談が2倍ほどに急増した。「ゲームから離れられず、生活リズムが戻らない」「成績が下がり、学校に行けなくなった」などの声が寄せられる。

国民生活センターによると、オンラインゲームの課金絡みのトラブルも増加。2020年4~12月の関連相談は4544件と前年同期比で1・3倍に増えた。

ゲームやネット依存の専門外来がある国立病院機構・久里浜医療センター(神奈川県)が昨年5~6月、通院患者80人(12~44歳)を対象に実施した調査によると、感染拡大前の昨年2月に3・9時間だった1日平均のゲーム時間(オンライン)が5・4時間になり、半数前後は「ひきこもり」や「睡眠障害」などが悪化したという。

厚生労働省研究班の17年度の調査では、ゲームやネットに依存しているとみられる中高生は93万人と推計される。センターの樋口進院長は「依存症患者の実態は不明だが、外出自粛で在宅時間の増加が続けば、患者数はさらに増える可能性がある」と指摘する。

世界保健機関(WHO)は19年5月、ゲームにのめり込んで生活や健康に深刻な影響が出た状態を「ゲーム障害」と名付け、ゲーム依存を、アルコールやギャンブルなどの依存症と同じ精神疾患と位置づけた。▽時間や頻度を制御できない▽他の生活上の関心事よりゲームを優先する――などが主な症状の特徴だ。

「MIRA―i」でカウンセラーを務める臨床心理士の森山沙耶さんは「子供の頑張りに目を向け、コミュニケーションをとりながらゲームの時間を決めるなど、一緒にルールを作ることが大切」と助言する。

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ここ数年PCゲームをあまり見ていなかったので`久々に見てみました。とてもおもしろいです。描画や動きも超リアルになっています。大人でもなかなかやめることは難しいなぁと感じるゲームも多いです。親の言い分はいろいろあるかもしれませんが、オンラインゲームの無料提供で一度体験してみると子どもがはまってしまうわけも分かると思います。

オンラインゲームに火をつけたのは、2017年リリースのフォートナイトです。世界で3億5000万のユーザーがいると言われる世界規模の巨大ゲームです。スイッチにもプレステにも移植されダウンロードさえすれば基本プレイは無料なので子どもたちが群がるわけです。

子どもの外遊びは誰も自粛せよなどとは言っていません。むしろ外に出て外気に触れましょうと文科省も学校も進めています。今回の自粛ではさすがに公園の大型遊具を禁止する自治体もなくなりました。家籠りをあおっているとすればテレビをはじめとするマスメディアです。

また、ほとんどのオンラインゲームはWiFi環境が必要なので家庭用Wifiルーターを保護者がコントロールすることは可能です。子ども用の端末にはWiFiが通じないようにもできます。こういうことを全く知らずに子どもにネットワーク環境を提供してしまっている保護者は少なくありません。

子どもネット環境の管理は保護者の責任だという前提のもとに、大人向けのWiFi管理講座などを無料で学校や自治体が主催してゲーム管理は大人の責任であることをリードして伝えていくべきだと思います。デジタルネットワーク社会に対応する保護者や大人の課題であるのに、子どもの成績や生活態度が乱れる原因までもがデジタルゲームの責任にすり替えられているように思えます。

不正請求の2業者を指定取り消し 京都市

放課後デイサービス、不正請求の2業者を指定取り消し 京都市、自治体の指導追い付かぬ実態

2021/01/26 16:51【京都新聞社】

京都市は25日、市内の放課後等デイサービス2カ所で給付費の不正請求などがあったとして、運営する2事業者に対し、指定取り消し処分を行った。市は両事業者に対し、給付費の返還を求め、利用児童計32人の受け入れ先を調整するよう指導している。

処分を受けたのは、放課後等デイサービス「ChauChau」(東山区)を運営する株式会社SEIBU観光企画(同区)と、「なちゅらるはうす」(伏見区)を運営する株式会社トゥルー・セルフ(京田辺市)。ともに通報を受けた市が昨年から監査を行っており、指定取り消しは4月1日付。

「ChauChau」は、指定申請時に常勤が不可能な職員を管理責任者として届け出たほか、職員の配置基準を満たしていなかった。また個別支援計画などの不備に伴う減算を適用せず、給付費を不正請求していた。加算金を含めた返還請求額は約636万円。

「なちゅらるはうす」では、退職した管理責任者の印鑑を用いて個別支援計画が適切に作成されたかのように偽装し、給付費を不正請求していた。返還請求額は約1874万円。

市によると、両事業者とも不正の事実を認め、給付費を返還する意向を示しているという。

放課後等デイサービスを巡っては、開設が相次ぐ一方で自治体の指導が追い付いていない。国は新規事業所は開設から1年、その他は3年に1度程度の実地指導を自治体に求めているが、今回処分を受けた2事業者は開設から2年以上たつが、1度も実地指導は行われていなかった。市は「通報が先にあり監査を行う結果となったが、本年度中には指導予定だった」と説明している。

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京都市は相談事業所が少なく保護者の作成したセルフプランを行政が直接受けて支給量が決定します。支給量は保護者が正当に必要とする申請がほぼ認められますから、月27日という支給量の方も少なくありません。京都市は所得の制限がありますが、ほとんど人は1割負担上限額の月4600円のうち2300円以上の補助があることから利用者も多いのです。支給量が多いという事はサービス提供量も多いので放デイ事業所もたくさん必要です。需要があるかぎり供給側は増えますから、中には不届き者も出てくるという図です。

今回の不正は、相変わらずの職員配置基準を満たさないままの運営と、支援計画を形式的に作成して存在しない責任者の認印を押印して偽造文書を作るという悪質なものでした。放デイの事業検査の仕組みは2年目と以降3年に1回の保健所の実地指導ですが、これは半日ほどの書類検査と面談なので、悪意のある不正文書は見抜くことが難しいです。結局、ほとんどの不正は内部告発で発覚しているそうです。

福祉の世界に会社法人が参入してくるから儲け主義になり不正の温床となるという方もいますが、どんな法人形態で経営しているかは関係ないと思います。むしろ、社会福祉団体の既得権益を改革していく90年代の福祉の構造改革があったから、様々なサービスが生まれてきたのも事実です。現在、保護者や従業員アンケートから自己評価を行っているように、利用者の意見公開を義務付けることで運営の透明性を担保しようとしています。しかし、収益の9割を税金で賄う制度ですからもう少し公的オンブズマン制度のような査定を行う第三者機関を制度として位置づけることが必要だと思います。

教育再生へ大きな宿題 東須磨小暴行

「学校組織改革を」神戸の教育再生へ大きな宿題東須磨小暴行

2021/1/27 21:55【神戸新聞NEXT】

どこの学校でも起こりうる-。神戸市立東須磨小学校の教員間暴力の再発防止策として、専門家委員会が27日発表した報告書。教員の気質や職場の風土に踏み込み、「学校組織を変えていくべき」と迫った。社会に衝撃を与えた問題から1年余。神戸の教育再生に向け、学校現場や教育委員会に大きな宿題が課せられた。

■「まさか先生が」
「教員間のハラスメントは起こるという前提に立ち、システムで抑止するという『フェイルセーフ』の考え方に立つ必要がある」報告書に記された「フェイルセーフ」という言葉は、鉄道や航空機などの設計で使われる。万一のトラブルがあっても、安全を保つ考え方だ。

「『まさか先生がそんなことしないだろう』というように、間違えない『無謬性』にとらわれていたのが学校という組織。フェイルセーフの考え方は妥当」組織論が専門の同志社大の太田肇教授は感想を述べた。「教員が積極的に市民の中に入っていくことも必要。他地域や私立学校との人事交流や専門家の招聘など、流動性が高い組織に変えていくべきだ」

■管理職への期待
報告書では「管理職のマネジメント力不足」も指摘された。一般社団法人「職場のハラスメント研究所」の金子雅臣代表は「管理職が校長と教頭だけであとは横並び。権限や責任が一部に集中している組織はマネジメントが機能しづらく、問題も起きやすい」とする。「主幹教諭など中間管理職的なポジションを増やすなど、学校組織を内側から変えていく視点もいる」と話す。

神戸市内の小学校長(60)は「今でも管理職は山ほど仕事がある。働き方改革を後回しにしないと、求められることは到底できない」と漏らす。「校長や教頭がやりがいのある仕事と思えるかどうかが鍵」と説く。

■特効薬はない
一方、家庭訪問や生徒指導など手厚く行ってきた神戸の教育については、「一定の効果を上げたが、教員同士の関係性を濃くし、公私の領域を混在させてきた」と指摘された。元市教委参与で、神戸親和女子大の洲脇一郎教授(72)は「神戸の学校が誇ってきた長所が時代や環境の変化に適応できず問題になっている。信頼回復に全力を挙げてほしい」と期待を込めた。

数々の再発防止策について、市教委の担当者は「どうすれば実効性の高い取り組みにできるのか、正直難しい。すぐに改善できるという特効薬もないし、優先順位を付けるのも難しい」と頭を悩ませる。外部講師による研修の実施などすでに取り組む内容も多い。「さらに改善するよう求められているということ。地道に積み重ねていくしかない」と話した。

(斉藤絵美、井上駿、長谷部崇)

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どこの学校でも起こりうる???読んでいて、頭がクラクラします。人の目に異物を入れるのは傷害罪。人の車の上を飛び跳ね車体をへこませたら器物損壊罪。上司に訴えたことを脅して止めさせるのは脅迫罪。義務のない行為を無理矢理に行わせたら強要罪です。しかし、悪質性の高い行為を行っていた元教諭については、警察としても刑事裁判への立件を視野に入れていたのに、すでに懲戒免職処分となり、社会的制裁を受けていることから立件を見送ったといいます。学校の中で教職員の犯罪が見て見ぬふりをされ、隠蔽されてきたのであり、ハラスメントがどうのこうのと言う話ではないと思うのです。

その犯罪が、校内で長く生じていたことについて、「神戸の学校が誇ってきた長所が時代や環境の変化に適応できなかった」等と「良いところもあるのだから頑張ればなんとかなる」というような感覚でこの事件を見るべきではないだろうと思います。そういう感覚でいるから、時間がないからできないなどと平気で言う管理職が出てくるのです。犯罪は告発して処罰すべきだし隠蔽も犯罪なのです。学校は治外法権ではないのです。

感染情報、身内にも秘密に 鹿児島市教委が口止め

コロナ感染情報、身内にも秘密に鹿児島市教委が口止め文書児童生徒や保護者対象に学校へ連絡

2021/01/29 08:20【南日本新聞】

新型コロナウイルスを巡り、鹿児島市教育委員会が、感染者が確認された学校に対し、その事実やPCR検査受診を「身内にも口外しない」旨を児童生徒や保護者に伝えるよう文書で連絡していたことが28日、南日本新聞の取材で分かった。学校現場からは「過度な情報統制は不安の増大につながる」と対応を疑問視する声が上がっており、市教委は「誤解を招いたのなら改める」として文書見直しを検討する考えを示した。

市教委によると、文書は、市保健所の助言を受けて送付。市保健所の吉住嘉代子参事は「不要な不安をあおるのを防ぐために適切な対応。身内の範囲は人それぞれ」との考えを示し保育所や企業などにも身内へ他言を控えるよう助言したと認めた。

市以外の県内13保健所を管轄する県は、親族に事実関係の口外を控えるよう指導はしていないとしている。

市教委などによると、遅くとも昨年秋ごろから感染者が出た学校に文書を送付。「身内をはじめ、地域住民や他の保護者らへ他言しない」との内容。市教委保健体育課の池田隆課長は「誹謗(ひぼう)中傷を防ぐためで、身内としては同居しない親族を想定」とした上で「保健所と協議し、改めて学校側に連絡する」と話した。

市内の学校では、PCR検査を受ける児童の保護者に対し、祖母ら親族にも伝えないよう連絡した教員もいた。感染者が確認された学校には、保護者から「会社に伝えていいのか」などの問い合わせもあった。市教委の文書に従った学校長の一人は「検査結果が出ないまま、あいまいな情報が広がることを懸念した。配慮に欠けていた」と釈明した。

感染症による社会的影響に詳しい関西福祉大学の勝田吉彰教授=渡航医学=は「身内と情報を共有しなければ、さまざまな情報が出回り、逆に不安や臆測が広がる」として中傷防止につながらないとの見解を示した。

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鹿児島の1/27の陽性者数は10名で、100万人当たりの陽性者数では日本は3000人、鹿児島県は約3分の1の979名です。それでもテレビ中継は東京から全国ネットで配信される番組がほとんどですから、地方の視聴者でも東京の事態を自分のことのように受け止めるのかもしれません。また、お年寄りと同居される家族が多い地方では感染には皆がナーバスになるのも分かります。だから祖父母にも知らせるなと言う教員もいたのでしょう。以前にも書きましたが、武漢風邪の症状や感染分類、感染防止策についてはいろいろな意見がありますが、これだけマスメディアに恐怖感をあおられてしまえば、知らせないことが集団パニックの引き金になります。

まだ検査結果も出ていないから知らせないという配慮のつもりが、学校は感染を隠しているという中傷につながります。SNSが誰にでも使える現在、情報漏れだけでなく、情報が捻じ曲げられたり、捏造されてばらまかれることも少なくありません。そこに煽って大騒ぎしてくれることを楽しむ愉快犯も便乗してきます。こういう時は、トップが正確な情報を発信して、その都度、感染に関わる人権侵害が生じている事態も伝えながら、感染はお互いさまで個人を責める問題ではないとアナウンスし、冷静に事態の対処をしている態度を見せ続け、市民に信頼を得ることが大事なのだと思います。

消えた「はだ色」、聖徳太子の名称変更

消えた「はだ色」、聖徳太子の名称変更小学校の「新常識」

1/29(金) 17:00【週刊朝日】

昭和・平成・令和と三つも元号が変われば、世の「常識」もガラリと変わり、気づけば浦島太郎状態に──。なかでも教育現場は、そんな「新常識」のオンパレードだ。たまには、子や孫の教科書をめくり、学校の話を聞いてみてはどうだろう。

***
「はだ色のクレヨン、取ってちょうだい」
東京都内在住の女性は、小学1年生の娘が学校で使うクレヨンに一本一本、「お名前シール」を貼っていた。すると、娘からは思わぬ言葉が返ってきた。
「はだ色は、ないよ」
不思議に思って「はだ色」を手に取ると、クレヨンに巻かれた紙には「うすだいだい」と印字があった。

総合文具メーカーのサクラクレパスの広報担当者が説明する。「20年ほど前に、『多様な国籍の人が暮らす時代において、差別的だと感じる人もいる』との問題提起があり、業界全体で『はだ色』の名称は使わなくなりました」

教育現場でも、国籍や男女の垣根は消えつつある。クラス名簿は、男女混合の50音順が主流に。「蒼」や「葵」で「あおい」と読む男の子の名前も一般的で、名簿で男女の区別はつかない。運動会も変わった。受験を控える小学6年や中学3年の保護者は、ケガで勉強に支障が出るのを嫌がる。「名物だった組み体操のピラミッドやタワーをやめる学校は、年々増えています」(都内小学校の女性教員)

安全性への配慮は手厚くなった。理科の実験でおなじみだったアルコールランプも、カセットコンロに移りつつある。アルコールランプに使われる液体のメタノールは、気化しやすく爆発の危険があるためだ。「マッチを触ったことがなく、火をつけられない子どもが増えたという背景もあります」(大手科学教室のスタッフ)というから、将来がちょっと心配になる。

校庭の白い「ライン引き」に使うライン材も、中身が変わった。2007年、文部科学省は全国の教育委員会などに、強アルカリ性の消石灰系のライン材は目に入ると視力障害を残す危険性があると指摘した。それを受けて、弱アルカリ性の炭酸カルシウム系のライン材に移った。

みさき眼科クリニック(東京都渋谷区)の石岡みさき院長が警告する。
「消石灰系のライン材は、漂白剤の『ハイター』が目に入るのと同じくらい危ない。目の角膜が再生できないほどの視力障害を負ったケースもあります。炭酸カルシウムも、弱いとはいえアルカリ性。風で舞った際に目に入らないよう、気をつけて」

消えた「昭和のアイテム」といえば、プールの腰洗い槽と目の洗浄用蛇口もある。腰洗い槽は肌寒い日、“苦行”の代名詞だった。塩素入りの腰洗い槽は時代とともに、大腸菌で汚染される可能性が知られていった。数十秒のシャワーで同じような殺菌効果が得られ、濾過(ろか)装置付きのプールが各地で増えるようになり、退場を余儀なくされた。

小さい穴つきの蛇口が上を向いた、洗眼用の水道蛇口もいまは昔。
変化の背景には、日本眼科医会の、塩素や排尿やふん便、鳥が泳ぐなどして汚染されたプールの水が角膜に悪影響を与えるとの指摘も大きい。

前出の石岡院長は、研究グループのメンバーとしてこの問題に取り組んでいた。洗眼は戦後の日本でたくさんの失明者を出した眼感染症、トラコーマ予防策の名残だとしたうえで、次のように説明する。「ゴーグルを装着すれば洗眼の必要はありません。プールや水道水の消毒に欠かせない塩素が、角膜を傷つけることもある」小学校の学習指導要領には、「水にもぐって目を開ける」という指導例があるが、水泳時には小学生でもゴーグルを着用してほしい。

教科書も変わった。
改めて読むと、昭和世代には驚くことばかりだ。その象徴的なものは、死後の呼称である「聖徳太子」から、「厩戸王(うまやとおう)」への変更だろう。10人の言葉を一度に聞き分け、十七条憲法を制定したり、巨大帝国だった隋を相手に“対等外交”を主導したりしたスーパーヒーローだ。

『逆転した日本史』などの著書がある歴史研究家、河合敦氏が話す。
「小中学校の教科書は、学習指導要領の関係から聖徳太子の名称とともにヒーローのままですが、近年の高校の教科書は、政治の主役は推古天皇で、厩戸王(聖徳太子)はその協力者に変わっていた」

歴史上の人物の肖像画の「別人説」も次々に浮上している。
旧1万円札の肖像でおなじみだった聖徳太子像。原画となった宮内庁所蔵の「唐本御影」肖像画もその一つだ。「高校の教科書から件(くだん)の肖像画は消え、中学の歴史教科書では、『聖徳太子と伝えられる肖像画』と、自信なさそうな表現に変わりました」(河合氏)

国宝「伝源頼朝像」は、足利尊氏の弟、直義だとの研究もなされている。足利尊氏像と覚えた「騎馬武者像」も、別人だった疑いが強まった。ここまで教科書が変わった背景には、学習指導要領の影響もある。「政治史の王道、『江戸の三大改革』を実行した徳川吉宗、松平定信、水野忠邦の名前が小学校の教科書から消えたことでもわかりますが、いまの教科書は政治史から文化史や外交史に重点が置かれています。また、新しい研究の成果がより反映されている印象です。新説はまず本文外の脚注に載り、それが定説になると、本文に“昇格”していきます」(同)

かつては「士農工商」で教えられた江戸時代の身分制度の記載も、歴史教科書からなくなった。武士(士)・百姓(農)・職人(工)・商人(商)という固定的身分が存在するのではなく、武士が支配階級として君臨し、その下に百姓や職人、町人がゆるやかに並列して連なっていたイメージだったようだ。養子縁組で町人が武士になるなど、それなりの“自由”もあったという。

江戸幕府の「鎖国」も、実際は長崎や対馬、薩摩を窓口にオランダや中国などと交易していたとされるから悩ましい。「誤解を生みやすい『鎖国』の用語について、文科省は改訂を試みましたが反対が強く、いまだに使われています」(同)

機会があれば、子や孫の教科書をめくってみると、世相の変化や新たな発見に出会えそうだ。(本誌・永井貴子)

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昭和生まれの知識では子どもたちに「古ぅ~」と言われそうです。「肌色の何が悪い、ちびくろサンボの廃止は焚書や文化大革命と同じだ」とポリティカルコレクトネスには意見がありますが、教えられなくなった言葉を使う事で、子どもたちに「おっちゃんは昭和やから…」ともいわれたくないです。ただ、運動会でひたすらピラミッドの底辺を支えてきた者にとってはよくぞ廃止してくれたと思うところもあります。カセットコンロと言えばすき焼き・水炊きと相場が決まっており、理科室とは相性が合わないです。マッチが擦れないと、アウトドアで山ガールに鼻で笑われそうです。けれども、その一方で火おこし動画が花盛りなので人力着火はすたれることはないと思います。

消石灰系のライン材で毎日コートを引いてきた者にとっては怒り心頭に発します。消石灰の強アルカリ性は昭和から分かっていたはずなのになんで子どもに使わせたのか疑問ですが、塩素消毒したプールの中で「目を開けて!」と指導されたことから考えると、先生たちも知らなかったようです。でもラグビーと水泳部の顧問は化学の先生だったので、知っていたけど長いものに巻かれていたのかもしれません。

「聖徳太子」と「厩戸王(うまやとおう)」は昭和の1万円札を知るものにとってはさみしい限りですが、聖徳太子の逸話は作り話に決まっているような話でしたからやっぱりねとは思います。徳川吉宗の話も盛りに盛った歴史話とすれば暴れん坊将軍のドラマはどうなるんでしょうと心配したりしていますが、子どもたちは「は?それ何?」と知らないのです。実にジェネレーションギャップを感じる今日この頃です。