みんなちがってみんないい
消える公立高願書の性別欄
消える公立高願書の性別欄男女の見た目統一に懸念も
2021.2.8 10:45 【産経新聞】
公立高校の入試の入学願書から男女を問う性別欄を廃止する動きが近年、全国で加速している。体と心の性が一致しないトランスジェンダーの生徒への配慮を背景に、「願書に性別を記載する必要性はない」という判断からだ。大阪府や京都府などが以前から廃止しているほか、兵庫県など今年度から撤廃するところもある。一方で、「性別による統計自体は必要」との指摘もあり、制服などで形式的に男女の見た目を統一化する「ジェンダーレス化」を懸念する声も上がっている。(藤井沙織、地主明世)
大阪府教育庁は平成30年、全庁的に行政文書での「不必要な性別記載欄」を見直した際に願書の性別欄を廃止。担当者は「自認する性別とは異なる戸籍上の性別を書くことは、生徒にとって苦痛。高校に男女別の定員もなく、必要ないと判断した」と話す。
性別欄の廃止は、学校におけるトランスジェンダーの児童生徒への配慮を求めた27年4月の文部科学省の通知をきっかけに広まった。兵庫県教委も「県全体で行った不必要な性別欄の見直しの一環」として今年度から廃止。同じく今年度からの富山県教委と、昨年度に廃止した京都府教委は「精神的な負担の軽減。全国的な動きを踏まえた」とする。ただし、いずれの教委も「体調不良の際の対応など入試運営に必要」(大阪府教育庁)などとして、中学校が作成して願書と一緒に高校に提出する調査書には男女の記載がある。
■「性別による統計自体は必要」
願書に限らず文書の性別欄の必要性を見直す自治体は多いが、本当に不要なのか。奈良女子大の三成美保教授(ジェンダー法学)によると、「事案の調査や分析のため、性別による統計自体は何事においても必要」という。こうした統計がなければ、例えば性別を理由にした不当な扱いにも気づけない。しかし、入試の調査書のように別の書類で統計がとれる場合は必要最低限にすべきだとし、「必要な場合も、『答えない』など男女以外の選択肢を」と訴える。
トランスジェンダーの当事者で講演などの啓発活動をしている山崎あおいさん(50)は「当事者は性別欄にどちらの性別を書けばいいかと悩み、現実を突きつけられて苦しむ。年を重ねれば割り切れるようにもなるが、未成年には難しい」と、不要な性別欄の廃止を歓迎する。
一方、願書の性別欄を残す自治体もある。千葉県教委の担当者は「なくしてほしいという要望を受けていないので廃止していないが、書きたくなければ空欄でいいと学校を通じて説明している」。東京都教委の担当者は「各校で男女別の定員があり、願書に基づいて男性か女性かを判別した上で合否判定を行っているため、性別は必要な項目だ」と話している。
■性差なくす「ジェンダーレス化」に懸念
トランスジェンダーへの配慮は入学願書の性別欄だけでなく、更衣室やトイレの個室化など社会全体に広まりつつある。そんな中、学校現場で導入が進んでいるのが、女子生徒もズボンをはけるなど、男女でデザインに性差のない「ジェンダーレス制服」だ。出生時の性別に違和感のある生徒が、そのことを意識せずに過ごせるようにという意図がある。しかし当事者の山崎あおいさんは、トランスジェンダーへの配慮を理由に男女の見た目を統一化することには懸念を抱く。
近年は、子供の名前を男女どちらでも通用するものにしたり、男性も化粧をしたりするなど、性別にとらわれない「ジェンダーレス」の考え方が広まっている。また、性的マイノリティーを表す言葉として「LGBT」という言葉も定着し、多様な性の存在が認識されるようになった。
しかし山崎さんは「男女で同じ見た目を求めるジェンダーレス化は、『性別にとらわれない』ではなく、性の統一化。多様性とは逆行する」と指摘。その上で「かっこいい服、かわいい服を着たいという気持ちは、私たち当事者も同じ」と話す。
三成美保教授も「大切なのは性差をなくすことではなく、誰もが自由に服装や振る舞い、言葉遣いで自分の性を表現できる社会にすることだ」と強調する。性認識は男性か女性かの両極ではなく、グラデーションのように多彩だからだ。
学校によっては、性別を問わず制服のスカートとズボンを選べる例もある。しかし、実際に男子が周囲の目を気にせずスカートをはくのは難しい。そんな現状を変えるために、三成教授は「学校でトランスジェンダーの当事者の話を聞かせるなど、子供の頃から多様な性があると教えることが大事だ」と話している。
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東京都教委の性別が必要な理由として・各校で男女別の定員・男女を判別し合否判定というのには驚きました。性差で合格ラインの差別をしているわけです。こう言えばきっと「女子の方が成績が高い」から「男子が少なくなる」と言うのでしょうか。だから男には下駄をはかせて合格させてやろうというわけです。時代錯誤も甚だしいです。高校に男女の人数差があってもかまわないと思います。試験結果が男女不平等の方がはるかにおかしいと思います。
今回はこの発言に驚いて他の情報が入ってこない感じですが、多様性社会は統一化社会ではないという論調に賛成です。結局、男女以外が書き込めないことへの配慮といいつつ厄介なことから逃げたい役人根性が見え隠れします。そして、性別を書かないことで子どもたちはどのようにこれを理解するか教育論議はなされたのでしょうか。確かに、男女のどちらかを聞かれたときにどちらでもないと感じる人はいるでしょう。
だからと言って、「その他」の項目を設けないのは、それはそれで少数者のカミングアウトを強制していると言われかねないからです。しかし、教室ではこのことを議論してほしいのです。多様性社会を目指すと言っても、子どもたちの中では性差をネタにした遊びやいじめが蔓延しています。このことに立ち向かっていかなければ、結局、面倒なことは書かさなければいい、表に出さなければいいとネガティブに理解されてしまうのではないかと思います。
発達障害児童向けオンライン指導
国内外の発達障害児童教育の格差を無くす! 株式会社AXTが「発達障害児童向けオンライン指導」を海外展開
2021.02.09 11:00【プレスリリース配信 @Press】
株式会社AXT(所在地:東京都新宿区、代表取締役:津嘉山 晋弥、以下 当社)が運営する発達障害・グレーゾーン専門の学習塾「個別指導のコーチング1」は2021年2月より、「発達障害児童向けオンライン指導」の対象を海外在住の日本人へ拡大し、海外展開を開始しました。
これにより国内外の発達障害児童教育における格差を解消する一翼を担うことができます。
詳細は以下の通りです。
■1. オンライン指導を海外展開する理由
海外の日本人学校における発達障害児童教育は日本国内に比べて不十分であり、特別支援教室が設置されている日本人学校は世界で10校ほどしかなく、教室での学習を助ける学習支援員がいる学校もほとんどありません。
また、民間の学習支援についても、海外進出している一般的な学習塾が一部あるとはいえ発達障害の特性に配慮した指導は難しく、隠れた教育格差が存在しています。
このような現実を踏まえ、当社は「発達障害児童向けオンライン指導」を海外在住の日本人へ提供することによって、国内外の教育格差を解消したいという考えに至りました。
■2. オンライン指導の特徴
◎海外在住の発達障害児童に対して完全マンツーマン学習指導を提供
これまで国内で行ってきたオンライン指導を海外在住の発達障害・グレーゾーン児童に対して提供可能となります。
また、オンライン指導は全て完全マンツーマン指導で、新型コロナウイルスの感染リスクが低い自宅で学習することができます。
◎創業10年で5,920件の相談・指導実績に基づいた受験対策・進学支援
当社は受験対策・進学支援を行う学習指導に特化した発達障害専門の学習塾です。
創業10年で5,920件の相談・指導実績があり、この実績に基づいたノウハウを以って生徒の特性の分析や具体的な指導方針、志望校対策などを提案し、帰国後の受験や進学の選択における教育格差の解消を目指します。
◎専門知識が必要な発達検査の解釈および活用
発達検査を受けたにも関わらず、検査を行った臨床心理士や医師から教育における具体的・実践的な助言を貰えることは少ないです。
臨床心理士や医師が、職域を超える教育的助言を控えるのは仕方がないことですが、多くの生徒・保護者は検査結果の活用方法が分からずに困っています。
当社には検査結果を解釈する専門知識がありますので、検査結果を学習指導に反映するだけでなく、家庭での保護者の関わり方や学校の先生との連携方法も提案し、総合的な教育格差の解消を目指します。
■3. 今後の業績見通し
本件に伴う業績への影響等につきましては、必要に応じて速やかにお知らせします。
【会社概要】
商号 : 個別指導のコーチング1(株式会社AXT)
所在地 : 東京都新宿区西新宿3-7-1 新宿パークタワーN30階
代表者 : 代表取締役 津嘉山 晋弥
事業概要: 発達障害・グレーゾーン専門の学習塾・家庭教師の運営
URL : https://www.juku-coaching01.com/
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検査をしてアセスメントをしてから支援しようというのは当たり前のことですが、発達障害児の学習やSSTをやってるよという放デイでもあまり前面に打ち出しません。というかやみくもにプログラムを展開している感じもあります。当法人のじゃんぷではアセスメントを大事にすることを打ち出していますが、これは放デイ事業のサービス内容ではないので実費で請求しています。
しかし、大阪東京の個別指導塾とはいえ、アセスメントも指導料も結構な値段です。検査料金は14,000~15,000円となり、提携している心理士がおり、塾には検査結果を支援に読み込めるスタッフが揃っているそうです。じゃんぷは心理士がスタッフにいますのでアセスメントと指導はダイレクトにつながりますし、料金も半額以下です。指導料は週1回で月18000円ほどだそうですが、放デイなら週1回90分来ておやつ代込みで月3000円くらいです。塾か放デイかの区別はあまり関係なく、発達障害の生活や学習の困難さを軽減するエビデンスに基づいたプログラムは同じです。
これをリモート学習で、海外在住の日本人子弟まで広げるというのですから需要が見込めるのでしょう。考えてみればリモートなら国内も海外も関係がありません。ネット環境さえ整っていれば地球の裏側でも時差はあるにせよ指導は同じです。いいところに目を付けていると思います。
教科担任制
小学校の教科担任制
2021年2月10日【宮崎日日新聞】
◆優秀な人材確保へ支援を◆
これからの小中高校教育の在り方について、中教審が答申をまとめた。小学校は学級担任がほぼ全教科を教えてきたが、中学のように各教科を専門の教員が教える教科担任制を5、6年生に本格導入することが柱だ。ほかにも高校普通科の再編や、情報通信技術(ICT)への対応、いじめ対策、特別支援教育の充実などさまざまな課題の処方箋を並べた。
鍵は、学校が多忙な「ブラック職場」とされて志望者が減る中で、優秀な教員をより多く集め子どもの能力を引き出せる環境をつくれるかどうかだ。日本の将来を支えるため、国は人材確保に全力を尽くすべきだ。
答申は、2022年度をめどに教科担任制の本格導入を求め、英語と理科、算数を例示した。きめ細かな指導による授業の質の向上が狙いだが、実は、より本質的な面でも効果が期待できる。
担任が一日中、一緒の小学校は「学級王国」とも呼ばれる。担任が指導力を発揮できる半面、学級外からの干渉を認めずに絶対的な存在になる恐れがある。複数の目で評価すれば公平性が保たれ、児童の小さな変化にも気づける。担任が一人で問題を抱え込む危険も減る。
ただ、小学校には英語、理科、算数に精通する教員は少ない。小規模で教員が少ない学校での実現も容易ではない。地域内の他の小中学校と専門の教員を融通し合うような工夫が求められる。
さらに21年度からは小学校の1クラスの上限を5年かけて35人とすることが決まった。既に35人の1年生を除けば、現在、2~6年生は40人で、上限の一律引き下げは約40年ぶりだ。少人数化は教育現場の悲願で、財政難を理由に財務省が拒んできた。だが、新型コロナウイルス禍で教室の「密」を避けて感染防止を求める声が自治体や与野党から上がり、実現した。
小中で30人学級を求める文部科学省が財務省と折衝して今回の形に落ち着いた。よりきめ細かな指導を考えれば、さらなる少人数化を進めたい。
学級数が増える分、新たに5年で約1万4千人の教員が必要だ。公立小の教員採用試験の競争率は年々下がっている。受験者が減り、大量採用世代の退職で採用増が続いたためだ。根本的な解決策は、学校をいかにやりがいのある職場にできるかにかかっている。
精神的に病み、休職する教員は19年度に過去最多を更新した。労働環境を改善し、子どもに向き合う時間を増やせれば、人を育てる仕事の魅力が増し、志望者も増えるのではないか。そのために国は最大限の支援をする必要がある。
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優秀な人材とは何が優秀なのでしょう。学級指導も教科教育も保護者対応も向かうところ敵なしの教師はいません。むしろ問題は、時代はどんどん進んで変化しいるのに何から何まで昔と同じように現場の仕事としてきた教職と言う仕事が制度疲労を起こしているのでしょう。
国算理社体図音習道9教科に、新しく増えた英語にプログラミング、40人の学習進度を見極め生徒指導を行い保護者対応して学校イベントの準備をする。併せて発達障害の子どもの合理的配慮まで法的に課せられています。こんなに忙しくては全教科の勉強ができるわけがないと思います。
でも、昔から教科の教え方の勉強をしている先生は、研究授業の前の先生か新人以外見たことがありません。学年会や様々な打ち合わせと、学級通信を書きテストや宿題の丸付けで8時間の勤務時間は昔から足りていません。
それでも、昔はそこそこ学校は成り立っていました。居残りで勉強した子どももその家族も先生をあてにしてくれました。今は、勉強は学校に期待されていないのです。お金を払って塾に行きます。大阪などは塾費用に月1万円補助してくれる自治体も出てきました。
これほど学校があてにされなくなった今、我こそはとオールマイティーの優秀な人材が集まるとは思えません。学校の仕組みを変え、従来の学校観をかえるしか道はないように思います。制度が現実に合わなくなっているのに個人の責任にするのは改革を遠ざけるトップがよくやることです。そして、制度を変えようとすると既得権益を守ろうとして反対する勢力も、結局改革を遠ざけている人たちと同じです。
年上の先生のチョコの思い出
「ほかの子には内緒だよ」年上の先生のチョコの思い出 佐藤仙務
2021年2月11日 10時00分【朝日新聞デジタル】
もうすぐバレンタイン。私には、忘れられない思い出がある。
小学6年生のころ、気になる人がいた。「クラスの女の子?」と聞かれそうだが、そうではない。学校のある先生がとても気になっていた。
その先生は当時、20代半ば。まだ12歳だった私の一回り近く年上だったが、廊下ですれ違うと、必ず声をかけてくれる優しい人柄にひかれた。
バレンタインが近づくと
ふだんの私は、クラスメートや先生たちから「おしゃべり好きのひさむくん」と言われていたが、その先生が話しかけてくれるときは決まって口数が減った。
2月になり、バレンタインが近づくにつれ、先生からどうしてもチョコレートがもらいたくなった。すると、学校でそわそわしている私を見て、別の先生が声をかけてくれた。その女性の先生は、私が気になっている先生と同い年ぐらいで姉御肌な性格なこともあり、私はよく悩みを相談していた。友だちに話せないことも、その先生には話すことができた。
私が「あの先生からチョコがほしい」と打ち明けると、その先生は「なんだ。そんなことか。じゃあ自分からチョコがほしいって言えばいいじゃないの」と言った。
私はアドバイスをもらっておきながら、「先生、わかってないね。自分からチョコがほしいって言うのはだめなんだよ」と小生意気に返した。
すると、その先生がくすっと笑い、「きみも男としてのプライドがあるんだね」とちゃかし、こう続けた。「好きって言わないと、その思いは相手のなかでは存在しないの」
私がクラスメートに相談せず、その先生に相談していた理由はこの快活さにあった。クラスメートに相談しても、きっと「大人は子どもなんて相手にしないよ」などという答えが返ってくると思ったからだ。
背中を押してもらった私は意を決し、気になる先生に「バレンタインに先生のチョコがほしいです」と言った。たまたま給食の時間で一緒になったときだった。ドギマギする私を見た先生はひと呼吸おいて、「うん、いいよ。でも、ほかの子には内緒にしてね」と言ってくれた。
チョコにも先生の優しさが
約束通り、先生はバレンタインデーにチョコを手渡してくれた。包みを開けると、ディズニーの棒付きのチョコが入っていた。
当時はまだ、私は手を動かすことができた。棒がついていれば、自分の力で食べることができるのではないかと先生は考えてくれたのだった。チョコはもちろん、先生のその優しさや気づかいが本当にうれしかった。
もったいなくて食べるかどうか、数日悩んだ。
相談に乗ってくれた先生に報告すると、「よかったね。ホワイトデーでお返しをしないとね」と自分のことのように喜んでくれた。だが、少し元気のない声で「でも卒業したら、あんまり会えなくなるね」とも言った。
そのとき、私は初めて気付いた。卒業したら、気になる先生とも相談に乗ってくれた先生ともあまり会えなくなるのだ、と。小中高一貫の養護学校とはいえ、教室の階は違うし、先生たちが転勤する可能性もある。
私は少し考え、相談に乗ってくれた先生にこう言った。「ぼく、卒業する前に手紙書く。思いはきちんと言葉にしないと、相手には伝わらないんでしょ?」
先生はにやりと笑った。
「じゃあ、ひさむくんが話した言葉を先生が手紙に書いてあげる」
そういうと先生は、かわいい便箋(びんせん)を用意してくれた。ペンで字を書くことが難しい私の代筆をしてくれたのだ。ペンを走らせ、私の思いを文字として紡いでくれた。
ホワイトデー当日。私はバレンタインのお返しと一緒に、用意した手紙を気になる先生に渡すことができた。後日もらった先生からの手紙の返事は「好きって言ってくれてうれしいけど、ごめんね」というものだった。
正直落ち込んだし、気持ちを伝えないほうがよかったのかなとも考えた。でも、相談に乗ってくれた先生が言うように「好きって言わないと、その思いは相手のなかでは存在しないの」という言葉を信じた行動だった。
今、当時気になっていた先生は結婚され、子育てに奮闘されていると聞いた。ただ、数年前、母校の文化祭で会ったときに思いがけない言葉をかけてくれた。
「今でも、ひさむの手紙を取ってあるの」
私はなんだか恥ずかしくなった。「何年前の話ですか。もう勘弁してくださいよ」と大人ぶりながら返したが、心の中でこう思った。「やっぱり、伝えておいてよかったかな」
佐藤仙務(さとう・ひさむ)
1991年愛知県生まれ。ウェブ制作会社「仙拓」社長。生まれつき難病の脊髄性筋萎縮症で体の自由が利かない。特別支援学校高等部を卒業した後、19歳で仙拓を設立。講演や執筆などにも注力。著書に「寝たきりだけど社長やってます ―十九歳で社長になった重度障がい者の物語―」(彩図社)など。ユーチューブチャンネル「ひさむちゃん寝る」では動画配信も手がける。
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佐藤さんの「障害は個性」とは思わないとというエッセー(「障害は個性」、それ本当? 2020/09/10)についてコメントを載せました。彼の下で働く障害者のスタッフに「障害は個性だと思うか?」と尋ねたところ、「障害は障害です」と悲壮感なく答えたという話です。そして、何か壁にぶち当たったときに「障がい者だから仕方ない」ということは決して言わないと言います。障害は個性だという言葉で自分を美化しなくても、彼らは障がい者以前に、自分自身の役割と価値を信じ、懸命に生きているからだという主張でした。
今回は、そんな佐藤さんの思春期直前の思い出です。まだ、手が動くだろうからと棒付きのチョコをお店で買う大好きな先生の姿を、佐藤さんは何度も思い描いたに違いありません。背中を押してくれた先生も粋です。「好きって言わないと、その思いは相手のなかでは存在しないの」と恋の指南をして、ラブレターの口頭筆記を引き受けた先生はどんな思いで彼の横でペンを走らせたのでしょう。なんだかぽかぽかと温かいものがこみ上げてきます。障害は障害でしかないけど、障害があるから恋ができないわけじゃないと、佐藤さんはバレンタインデーのあの日に、失恋したホワイトデーのあの日に二人の先生から学んだのかもしれません。
育て未来のAI人材
育て未来のAI人材徳島大が塾開校徳島
2021年2月12日 9時00分【朝日新聞デジタル】
徳島大学が今年、小中学生や高校生を対象にした「AI(人工知能)塾」を新たに開講した。高い情報技術を身につけ、徳島の産業に活力を生み出せる人材を育てるのがねらいだ。初めての塾生として約60人の児童生徒が学び始めた。
開講したのは「とくぽんAI塾」。徳島大のマスコットキャラクターであるタヌキ・とくぽんを名前に冠した。2~6月にかけて土曜の午前中などに開講し、大学教員や企業の社員らが講師を務める。新型コロナウイルス対策として動画コンテンツの配信やオンライン開催、サテライト教室を活用する。
今月6日に開塾式があり、ほとんどの塾生はオンラインで参加した。
徳島大の会場で式にのぞんだ徳島市の中学1年、鈴江康平さんは学校の授業でウェブページの作成などを学んでいるという。「技術を高めたくて参加しました。データ処理にも興味があります。今の社会に役立つプログラムをつくってみたい」と意欲を話した。
塾長を務める徳島大デザイン型AI教育研究センター講師の谷岡広樹さんは「どういうふうに世の中を見て問題を解決していくか、プログラミングをして何を実現したいのかが大切。受け身ではなく、知識の使い方を身につけてほしい」と語った。
学校ではプログラミング教育の導入が進んでいる。2020年度から小学校、22年度は高校でプログラミングが必修となるなか、AI塾は実践に役立つ経験を積める場にするという。
塾生は「仮想空間デザイン入門」「AIデザイン入門」など6コースから各自の習熟度に応じて選択できる。身の回りのコンビニやスーパーなどにある課題を解決するプロジェクトという形をとり、企画を実現するためのホームページ作りやプログラミング、データの分析活用、といった技術を身につける。
今年はケーキ屋に焦点をあて、顧客を増やすための消費者ニーズの把握や新メニュー開発などに取り組む計画で、実店舗との連携もすすめる方針という。
徳島大ではこの講座を来年以降も具体的なテーマを設定して続けるという。受講生の対象を社会人に広げることも検討している。(斉藤智子)
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地方大学の地域開放プログラムは様々なものがありますが、AI研究を先頭とするコンピューター教育が今の流行でしょうか?昨日も教材室で「おっちゃんこれプログラム教材やな」とスタッフ研究用に置いてあったプログラム教材を引き出してきました。「う~ん。それまだ勉強してないからわからんわ」というと、彼は「触らんことにはわからんで」とつぶやきながらいじり始めました。
ごもっとも、触ればそのうち分かるものです。発達障害の子どもたちの中には、デジタル物や電気、電波、化学、宇宙に生物、と科学大好きっ子が少なくありません。大人は、彼らの手の届くところに興味のありそうなものを置いておき、興味を持ち始めたら、一緒に勉強して、もう降参と大人がなったら、このような大学公開講座にお任せするのがいいなと思います。予算の許す限り、子どもの興味を引き出しそうなプログラムや教材を用意したいなと思います。もちろん、科学や歴史の物知り大人=カリスマティックアダルトも必要です。