視線が合うようになってきた
ASDのVちゃんの視線が最近職員と合うようになってきたと言います。Vちゃんと出会ってから18か月が経ち、やっと職員と目が合うようになったのです。Vちゃんは、欲しいものがあると宙に向かって叫んでいました。冷蔵庫に向かって「ジュースくださ~い!」と叫んでいたのです。おそらく、就学前まではそれでジュースが出てきたり欲しいものが手に入ったのでしょう。要求が叶わないとこの声はもっと大きくなるからです。
先日、公園に行ってロープ遊具で遊ぶ時に先生の援助が必要になった時、いつものように遠くから宙に向かって「ロープとってくださーい」と叫んでいました。職員が反応しないので、走ってきて職員の目をのぞき込んで「W先生 ロープ取ってください」と言えたのでした。この目をのぞき込む要求行動と並行して、Vちゃんの事業所での適応が良くなってきたそうです。相変わらず、一度自分で決めたパターンは崩せないのですが、指示は通りやすくなったと言うのです。
前回、(2の声でお願いします : 10/13) でも書きましたが、事業所に入る前にお願いすると、毎回ボリュームをひそひそ声にまで落として、こんにちわと挨拶してくれます。声をかけられた職員は必ず目を見て挨拶を返すようにしています。このように、Vちゃんが指示に沿えるようになってきたのは、職員の側がVちゃんのニーズが分かったからだと思います。
大声の原因は、あいさつしたら挨拶を返してほしいという要求だったとわかり、宙に向かって叫んでいる時と同じで、相手が特定できないまま要求していたことが分かったからです。ならば、目を見て私が受け止めたよという返事と2の声でと言う条件をセットにして適切なコミュニケーションを積み上げていくことができたからだと思います。
コミュニケーションが適切に取れだすと必ず子どもは落ち着いてきます。もう窓に登ったりして職員の反応を引き出す必要はないのです。声を出して喋ることができていたVちゃんへの導入は絵カードコミュニケーションよりこの方が良かったようです。ただ、声は消えてしまって見直すことができません。そろそろ、本格的にPECSに取り組もうと思います。