今日の活動
「太秦映画村へ行こう!」
すてっぷでは、もう一人の卒業生がいます。小学生のCくんはすてっぷに通い始めて3年半。中学校に進学するため、すてっぷは卒業になります。
通い始めた当時から言葉をたくさん知っていて、友だちや職員と関わることが好きだったCくん。うれしいことや楽しいことを友だちや職員によく話していました。一方でイライラした時や嫌なことがあった時のコミュニケーションが難しく、勝ち負けへのこだわりや他人からの言葉を勘違いしたり注意を受け入れづらいこともあり、パニックになる事がよくありました。
パニックになった時はカームダウンできるようにしながら、感情コントロールなどのコミュニケーション課題に取り組んできました。友だちと落ち着いてやり取りする経験も少しずつ積んできたCくん。学年が上がり、年下の友だちが増えてきたこともあって、次第にコミュニケーションが取れるようになり、受け入れられることが増えてきました!
そして今年度、Cくんは小学生グループの最高学年になりました。同級生はいませんでしたが、1つ年下の友だちが多く、みんなで相談する場になると、5年生の友だちから意見が出てきます。ただ、ときには出てくる意見が「これしたい」「あれしたい」と対立し、なかなか決められないことが。そんなときはCくんが「こうしたらいいんじゃない?」と提案! みんなのまとめ役として、友だちをリードしました。
先日は友だち3人とすてっぷ最後のお出かけに太秦映画村まで行ってきました。職員が先導するのではなく後ろから見守る形で、子どもたちだけで映画村まで行く取り組みです。3回の事前学習に取り組み、時間や予算を考えながら、公共交通機関を使って映画村まで行くルートを検索したり、映画村のアトラクションや食事場所はどこに行くかを相談したりして計画を作り上げました。当日はすてっぷから最寄り駅まで徒歩。「こっちやでー」とCくんがリードします。駅からは調べたルートの1つで電車を乗り継いで映画村まで無事到着できました! 映画村では「どこから回る?」「みんなで相談してから決めよう」と提案するCくん。友だちは「Cくんが後悔しないように決めよう」と答え、相談してアトラクションの順番を決めました。いくつもアトラクションを回った4人。お昼は事前に決めた近くのうどん屋さんへ行きました。帰り道ではCくんはこの日めぐったアトラクションやうどん屋を一つひとつ思い出しながら「楽しかった~」と何度も感想を伝えました。無事すてっぷまで帰ってきた4人。Cくん、友だちと楽しいお出かけができてよかったね。ご卒業おめでとうございます。
ご卒業おめでとうございます!
2024年度もあと少し。卒業のシーズンがやってきました。すてっぷの高等部生2名も先日、支援学校で卒業式を迎えました。
AくんもBさんも、すてっぷができた当初から7年近く通ってきました。初めの頃はボールでいっしょに遊ぶこともあり、Aくんがてんで違う方にボールを投げると、「Aくーん」とBさんがたしなめるように言いながらボールを拾いに行ったものでした。ただ課題自体はAくん、Bさんそれぞれ違い、次第にすてっぷでのグループも別になって、自分の課題にチャレンジしていくようになりました。
Aくんは歩くことや食べることからのチャレンジでした。補装具をつけ、学校や家庭でも運動や訓練を行う中、すてっぷでもさんぽや食事に取り組んできました。車いすの手すりを持って体を支えながら歩き、ミキサー食やとろみをつけたお茶から始めました。今ではある程度重い自分のカバンを持っても転ばないようしっかりと歩くようになり、かむ力や嚥下の力が付いたことで、普通食や普通のお茶を食べたり飲んだりできるようになり、外食も楽しめるようになりました! 絵カードも近くで見ることで見分けがつき、何のカードか分かってスケジュール理解ができたり、絵カードを渡して欲しいものを伝えたりするなど、コミュニケーションの力も向上しました!
Bさんは手指の操作の苦手さがあり、また気持ちが崩れると切り替えが難しくなるといったコミュニケーションの課題もありました。ですが、自立課題で補助道具(ジグ)などの工夫があることで、自分で分かって出来たという経験を積むことができました。仲のよい友だちとの協力作業にも取り組んできたこともあり、苦手な手指の操作がある課題でも自分で工夫して取り組めるようになりました! またすてっぷでの友だちも増え、楽しい時間が過ごせるようになることで、前向きに向かえる活動も増えてきました!
2人とも、卒業後の進路が決まっています。AくんもBさんもこれまでつけてきた力を発揮して、がんばってくれると思います。次に会う時はどんな立派な姿を見せてくれるかなと楽しみにしています。ご卒業おめでとうございます!
「じゃあ、こっちだね」
前回「どうやって行く?」(2025/2/22)で紹介した小学生のJくん、Kくん、Lくん、Mくんの4人。池田市にあるカップヌードルミュージアムへのお出かけを自分たちで調べて計画しました。
いざ当日。少し曇っていましたが、雨の心配はなさそうです。前回子どもたちが1人1つずつ、自分で作った自分用のしおりを職員が渡します。今日のお出かけでは、職員が作った予備のしおりも持っていきますが、自分で作ったしおりをまず確認するように言いました。子どもたちは自分で書いたしおりを見て、もう一度経路の確認。「西向日駅まではどうやって行くの?」「俺が分かるよ」と相談してから、さあ出発です。Jくんが先導して、西向日駅まで歩きます。西向日駅から電車に乗る前に「次はどの駅で降りる?」と確認すると、Kくんが手元のしおりを見ながら、「長岡天神駅。乗り換えるから」と答えます。長岡天神駅で特急に乗り換えたあと、Lくんは次に降りる十三駅にいつ着くか気が気でないようです。電車が次のアナウンスをするたびに、「次は十三駅?」と友だちに確認します。「(車内の)掲示板を見ればわかるよ」と教えてもらい、Lくんは掲示板で「次の次が十三駅だね」と確認しました。十三駅に着く前にJくんが「(掲示板を)見て。宝塚行は5番ホームだよ」とみんなに教えます。4人はしっかり十三駅で乗り換え、池田駅に着くことができました。
池田駅からカップヌードルミュージアムまでは徒歩で行きます。経路を調べる必要があるのですが、改札口から出ると「地図がある!」と気づいた4人。改札口のそばの大きな地図で、「カップヌードルミュージアムあるよ!」と道を確認します。そしてそのまま南出口へ。ところが南出口からカップヌードルミュージアムまでの道が、さっきの地図から思い出せません。ですが慌てず約束通り、「先生、iPad貸して」と、Jくんは職員に伝えます。職員からiPadを受け取ったJくんは、グーグルマップで道を調べました。「わかりやすい目印ないかな」「あっちにコンビニあるよ」「じゃああっちかな」と歩き出すと、Mくんが「あっ、看板あるよ」と一番に気づきました。「じゃあこっちだね」と4人は無事にカップヌードルミュージアムへ到着しました。
カップヌードルミュージアムに着くと、Kくんが手元のしおりを見ながら、「集合場所を決めよう」とみんなに提案します。これも事前に確認していた約束の1つでした。集合場所を決めた4人。思い思いに見学した後、みんなでカップヌードル作り体験へ。オリジナルの絵をカップに書き、メニューを見て決めたスープや具材をスタッフさんに伝えて、自分だけのカップヌードルを作りました。その後も昼食のためやよい軒に行くときはJくんが地図を見て、Mくんが飲食店の並びからやよい軒を見つけるなど、みんなが活躍しながらお出かけの行程を進めていきます。帰りの時間も意識して、予定よりも1つ早い電車に乗って帰ってくることができました!
じゃんぷに到着後、作ったカップヌードルを見せ合いながら振り返りをした4人。自分で道を調べたJくん。しおりをしっかり確認して提案できたKくん。次の場所を意識し友達と行動できたLくん。友だちと一緒に道を探しながら目印に気づけたMくん。4人ともが自分の力を発揮して協力しながら、自分たちだけで池田市までのお出かけをすることができました。4人とも、本当に素晴らしかったです!
「どうやって行く?」
皆さんは初めて一人で、または友だちなどの子どもだけで、遠出したときのことを覚えていますか? 筆者も、四条河原町の映画館まで、電車を使って行ったことをよく覚えています。大人になれば当たり前に電車に乗って外出することも、子どものときの初めての経験は、ドキドキ、わくわくしたのではないでしょうか。
先日、じゃんぷの小学生メンバーで兵庫県の池田市にある、カップヌードルミュージアムにお出かけしてきました。もちろん職員が付き添いますが、この日は先導しません。当日までの話し合いも含めて、子どもたちだけで相談して、行先や行く方法を決めてきました。
外出に行くのは、Jくん、Kくん、Lくん、Mくんの4人。4人はまず、外出先をカップヌードルミュージアム、お昼ごはんは近くのやよい軒で食べることを決めました。そして「どうやって行く?」「グーグルマップで調べよう」とiPadを準備します。Jくんが代表してiPadに入力。「一番近いのは池田駅だって」「経路検索ってどうやってしたらいいの?」職員に助けを求め、職員は最低限の助言や操作をします。経路検索で出発地を入力するときには、「西向日駅からでいい? 前もそうだったよね」と、過去の経験も生きました。「乗り換え駅はどこ?」「十三駅で宝塚行急行。5番ホームらしいよ。」と乗り換えや時間も調べ、調べた事は、職員が用意した表を元に、一人1つの自分のしおりとして、その場で書いていきます。「もしみんなとはぐれたらどうする?」トラブルが起きたときの対応を職員が質問すると、「電話する!」「でも携帯ないよ」「公衆電話って知ってる?」「何それ」「俺知ってる。駅にあるやつでしょ」と答えます。最後に緊急時用に事業所の電話番号を書いて完成! 一人一つずつ、自分で書いたしおりが出来上がりました。
さあ、あとは当日を待つばかりです。子ども達には、職員は後ろに付き添うのみで、自分たちだけでカップヌードルミュージアムを目指す事を予告しました。さて、子ども達は自分たちの力を発揮して、無事カップヌードルミュージアムにたどり着くのでしょうか? 次のブログに続きます。
「20分の1は0.05!」
「1、2、3…」と1ずつ増えていく数は『自然数』と、中学校の数学で習います。自然にある目に見えるものを数えるときに、「1つ、2つ、3つ…」と数えていくことをイメージすると、覚えやすいかもしれません。小学校で習う数も、この数から始まります。また「0」は、「あと10秒」といったカウントダウンなどで、「…2、1、0」と数える経験をしていると、自然と身についているかもしれません。「0」を知っていて書けるようになってから、「10、20、…」といった数を習っていきます。
ただ同時に、中学校では自然では目にしない数も習います。さきほどのカウントダウンでは、「…2、1、0」と言った後で、「-1、-2…」と続ける人はほとんどいないでしょう。中学校で負の数を習うときは、温度や海抜などでマイナスを使っている場面を紹介されます。ですがそれらは、人間が数を考えやすいように、基準を0にして測っている数になります。そのため、温度計や高度計といった計りでしか、目にすることはできません。そしてさらに言えば、小学校で習う小数も同様です。身長や体重、先ほど挙げた温度などで小数はよく目にしますが、それらも1m、1g、0℃など基準を決めた上で、0と1の間の数として表れます。そのため、自然な数え方から考えようとすると、なかなかイメージしづらい数になります。
じゃんぷに通う小学5年生のIくんは先日、小数の倍数を考える問題に取り組んでいました。20gの小麦粉は100gのケーキの何倍?というような問題です。何倍と言えば、1倍、2倍、3倍…と数えることに慣れているIくん。問題を読んですぐ、「5倍」と答えました。ところが答えは0.2倍。「なんで?」と考えるIくんに、職員は「何倍を考えるときは、1(基準)にするものを考えるよ」と教えます。Iくんは少し考えて、「ケーキ?」と答えました。「そうそう、じゃあ、どういう計算になる?」と聞かれると、Iくんはしばらく悩んで、「20÷100=…」と式を書いて答えを求めることができました。
ただ、やはり小数の倍数はイメージしづらいようです。振り返りで改めて職員が図示化しながら整理して伝えましたが、なかなか頭に入りづらいようでした。そこで「逆が5倍ってわかったら、小数の倍数は5分の1倍になるよ。5分の1は1を5に割っている数だから、小数にすると…」と聞くと、「0.2」と答えました。そのまま、「じゃあ10分の1は? 20分の1は?」と次々聞くと、Iくんは「分かった! 2分の1は0.5だから、そのさらに10分の1の20分の1は0.05だ!」と答えました。
実はこの考え方は分数の逆数を使って、÷ではなく×での計算に変える方法で、中学1年生で習う方法です。それも示しながらですが、Iくんの気付きや理解しやすい考えを優先しながら話を進めました。やはり見えない数のイメージはしづらく、ホワイトボードに書きながらでも言葉が入りづらい様子だったIくん。分数を小数に変えていく流れで、「∞分の1は?」「0に近づく?」「そう! これ高校や大学の勉強だよ」といったやりとりをしたのは余談になりますが、この「わかった!」という気づきとエピソードから、小数の倍数を考えるとっかかりになればよいなと思います。
「自分なりの完璧を追い求めて」
2025年1月21日、アメリカ野球殿堂入りに日本人選手だったイチローさんが選ばれました。日本プロ野球のオリックスで活躍されていたイチローさんは、2001年にアメリカ、メジャーリーグのマリナーズに移籍。最初の年から10年連続で200本以上のヒットを打ち、2004年には一年間の最多安打になる262安打を記録。この記録はメジャーリーグ記録を84年ぶりに更新し、20年経った今でも、これ以上の安打を打った人はいません。
アメリカ野球殿堂は、メジャーリーグのチームで選手としてどれだけ活躍したかや、チームにどれだけ貢献したかで、選手の候補者が選ばれ、そこから全米野球記者協会に10年以上所属する記者の投票で決まります。イチローさんは今年の殿堂入りの候補者の中で、一番得票率が高く、99.7%の票を得ました。満票には惜しくも1票足りませんでしたが、イチローさんはこのことに対して、「1票足りなかったのはすごく良かった」と笑顔でコメント。そして、「足りないものって(努力などでは)補いようがないんですけど、いろいろなことが足りない人って、自分なりの完璧を追い求めて進んでいくのが人生だと思う。(それとは別の話だが)生きていくうえで不完全だから進もうとできる。そこに向き合えるのはよかったと思う」と続けて話されました。
イチローさんが上のように語られた人生観は、福祉に携わる者としても、考えさせられるものでした。もちろん福祉に関する言葉ではありませんし、イチローさんが追い求めてきて辿り着いたのは比類なき成功です。ですが、『不完全な中で自分なりの完璧を追い求めて進んで行く』という言葉を、子ども一人ひとりの顔を浮かべながら考えると、どの子どもにも目指してほしい姿のように思えます。そして辿り着いた成功の場でイチローさんが語ったように、子どもたちも自分なりに辿り着いた成功の先で、「不完全な中で自分なりの完璧を追い求めてきた」と、さらに年下の子どもたちに伝えてほしいと思います。
読み書きに苦労してきた中学生のHくん。勉強がイヤでもなんとかがんばってきて、初めての文章でも自分なりの方法で読めるようになってきました。実際に上の1段落目もある程度スムーズに読みます。ですが、すぐに「どんな話だった?」と聞かれると、「イチローさんの…、あとは分からん」と答えました。職員がタブレットで写真を示しながら読み上げると、「その人知ってる。」と続きの文章にも理解を示します。続けて「どう思った?」と聞かれると「うーん…」と返答に悩みます。そこでマインドマップを使いながら、状況やイチローさんの言葉を整理し、感想を伝える練習をしました。すると「自分なりの完璧を追い求めて進んで行く」というイチローさんの言葉に「すごいなって思った」と職員に伝えられました! その後、自分でもマインドマップを書く練習をしたHくん。Hくんが、不完全な中であっても、自分なりの完璧を追い求めて進んで行けることを心から願っています。
ドミノで王国作り
ドミノといえば、テレビ番組などでもおなじみ、等間隔に立てて並べる遊びが思い浮かぶと思います。並べるだけでなく、先頭を倒すと連鎖的に最後まで倒れるか、わくわくしたりはらはらしたりと見守ることも醍醐味です。
ところで、このドミノですが、もともとは別の遊び方があることはご存じでしょうか? ドミノの板をよく見ると、サイコロのような模様が入っています。実はこの模様がサイコロと同じように、0~6を表していて、そのうちの二つを重ならないように組み合わせた28枚のドミノを1セットとします。そのドミノを数字が見えるようにテーブルに置いて、あとは同じ数を繋げたり、端の合計が5の倍数になるようにしたりするなど、ルールに沿って寝かせて並べていくのが、もともとの遊び方らしいです。
このような、ドミノのもともとの遊び方と同じように、森や小麦畑などのタイルを並べていくのが、「キングドミノ」というゲームです。ドミノと同じように、森や小麦畑など特徴のあるタイルが2種類組み合わさった板(ドミノ)を、プレイヤーが順番に選んで、自分の王国につなげて広げていきます。最終的には、タイルに描かれた王冠の数×繋げた同じ種類のタイルの数が自分のポイントになります。
このゲームの面白い所は、得点が高くなりやすいドミノほど、それを選んだプレイヤーは、次にドミノを選ぶ順番が遅くなります。つまり得点を狙うか、または得点が低くても(もしくは自分にとって得点が高くなる場合もありますが)次のドミノを先に選べるようにするか、という駆け引きが生まれます。また自分の王国のポイントが高くなるように選ぶばかりでなく、他のプレイヤーがどんな王国を作っているかを見て、ポイントが高くなりそうなドミノは先に選んで取られないようにするということも重要です。
先日も小学生3人と職員とで、この「キングドミノ」で遊びました。一度やってみるとルールはすぐわかり、また得点を高くするためには、王冠のイラストや同じ種類のタイルをつなげていくといった、視覚的に分かりやすいポイントで考える事ができます。子ども達も自分の得点が高くなるように、わくわくしながら次々とドミノを選んでいきます。ところが、その中の一人のGくんが、特に得点が高くなりやすい洞窟(金が取れるため)を独占していることに、他の友だちは気づきません。結果的にGくんが大差を付けての勝利。他の友だちたちは悔しがりながらも、次は洞窟の独占を防ごうと話していました。
ボードゲームは楽しいことが一番。ですが、その中には子ども達の気づきになるさまざまな要素があります。なるべくその要素が多そうなボードゲームを選んで取り組み、コミュニケーション・社会性に繋げられるよう支援していきたいと思います。
2025年新年のご挨拶
新年あけましておめでとうございます。2025年の干支は「乙巳(きのとみ)」。「乙(きのと)」は植物の成長、「巳(み)」は蛇の意味で、再生や変化を表すそうです。皆さまにとって、よい1年になりますように、お祈り申し上げます。
いっぽの児発単独化、じゃんぷの移転から、もうすぐ1年になります。すてっぷも合わせまして、今年1年も利用者様・保護者様によりよい支援・サービスができるよう、職員一同励んでまいります。
本年も、宜しくお願い致します。
2024年度年末年始休業のお知らせ
平素より格別のご愛顧を賜り厚くお礼申し上げます。本年は大変お世話になりました。来年もいっぽ・すてっぷ・じゃんぷ職員一同、利用者・保護者の皆様へのよりよい支援・活動を心がけてまいります。来年も保護者の皆様の変わらぬご理解・ご協力を賜りますよう、お願い申し上げます。
3事業所ともに、2024年12月28日(土)から2025年1月5日(日)まで、年末年始休業となります。6日(月)から通常営業となります。
来年もよろしくお願いします。良い年末をお過ごしください。
「病院のつぎはこれ!」
支援学校1年生のFくんは、すてっぷに来るようになって半年ほど。発語は難しく、大人へのコミュニケーションは手を引っ張ったり、両手をパンと合わせてサインを送ったりなどでした。また見通しを持ちづらく、病院に行くと泣いて拒否することもしばしばありました。
そこですてっぷでは、コミュニケーション練習と併行して、視覚支援によるスケジュール理解を進めてきました。絵カードでスケジュールを示し、実際にその流れで活動に取り組みました。最初は「○○したら△△」と2つの活動から始め、毎日すてっぷで取り組む中で、3つ、4つと少しずつ増やしてきました。
そして4か月ほどが経ちました。見通しの力もついてきて、またコミュニケーションで発揮できる力や場所、相手も増えてきました。成長した今なら、苦手な病院もその後に楽しい事があるという見通しを持つことで、泣かずに行けるのでは、とお母さんと相談。病院に行く前に絵カードでスケジュールを示してもらうことにしました。その日は病院の後にすてっぷに行く日。お母さんが絵カードで「病院→すてっぷ」と示すと、見事にFくんは泣かずに病院に行けました!
それからも家庭でイレギュラーなことがあるときは、絵カードでのスケジュール提示を活用しています。注射があっても泣かずに受けられたり、すてっぷがない日でも「病院→アイスクリーム」で見通しを持って病院に行けたりできるようになりました。
日常生活を送る中で必要となってくる通院などには、動機付けや気持ちの調整が必要な時があります。見通しを持つ力が育たないままだと、その行動ができないかもしれません。Fくんの場合は強みである「見て分かる力」を生かして、見通しを持つ練習に取り組んできました。大事なのはその人が分かる、自分で使える方法を職員がアセスメントし、自分から取り組めるように支援することだと思います。Fくんをはじめ、すてっぷのお子さん一人ひとりに合わせた支援を今後もしていきます。