すてっぷ・じゃんぷ日記

「ここまでは覚えた」

 ようやく秋らしい気候になってきました。行事盛りだくさんの2学期ですが、10月に入り、いよいよ本番。多くの中学校では、体育大会が先週今週とで開かれました。体育大会翌日にじゃんぷにやってきた中学生は「筋肉がバキバキやー」という第一声。その後も「なんで筋肉痛のときに勉強しなあかんの」と言いながらも、学習に取り組んでいました。

 子ども達に運動会や体育大会のことを聞くと、一番多く返ってくるのが「鳴子いややー」「ソーラン節しんどいー」といった、集団演技への苦手感です。すてっぷやじゃんぷに通っている子の中には、ダンスが苦手という子が少なくありません。その要因の一つは、手や足の動きがイメージしづらく、見本を見ながら同じように動かせない、音楽に合わせて動かせないと言った、目や体の使い方や同時に使うことの不器用さがあります。またいっしょに踊っている人との動きのズレが見てわかるので、他の人から指摘されやすく、失敗感を積んでしまうこともあります。

 一昔前までは、授業や放課後に全員でグラウンドに集まり、前の先生の見本通りに踊るという練習がメインでした。ですが今の子ども達は一人1台のタブレットを持っています。先日も小学生のZくんが、すてっぷでダンスの練習をしたいと先生に伝えました。先生がいいよと言うと、Zくんが取り出したのがタブレット。そしてタブレットで、先生の見本が映っている動画を流しました。なんでも先生が見本を撮ってくれたのだそうです。そして見本を見ながらダンスの練習をするZくん。タブレットをタッチしながら動画の時間を調整します。「ここまでは覚えた。今日はここから」友だちの前でも、とても張り切って練習を始めました。

 全員でダンスの練習をすることは、コミュニケーションや社会性の能力が必要になってきます。中学生になれば、体育大会や文化祭の準備や練習など、より複雑になっていきます。そこに運動や模倣の不器用さも合わさると、結果苦手感を積んでしまうという結果になってもおかしくありません。そんなとき、タブレットの動画で見本を見て練習することは、不器用な子にとってはとても重要な個人練習の機会になります。いよいよ来週は運動会本番。子ども達みんなが、できた、できてよかったという経験になるよう、応援しています。