指示しない
高学年のM君が怒って文句を言いに来ました。「スタッフは僕には時間を守れとか細々と甲高い声で注意するのに、Nさんが時間を守らなくても何も言わないってどういうこと!」。Nさんが、話し言葉でのコミュニケーションは十分できないことを彼はよく知っています。「君それ本気で言っているの?」「とても残念やわ」と返しました。彼はうなだれてみんなのもとへ帰っていきました。要するにM君はスタッフの自分のへの指示の仕方が気にくわなかったのだと思います。でも、Nさんと自分を比較して不公平と言ったことは自分でも残念だったのでしょう。
小学校高学年に接する場合、叱り方や注意の仕方も重要です。小学校高学年の場合、これまでと同じような叱り方をしていても、言うことを聞かなくなってしまうこともあります。
まず重要なのは、「指示しない」ということ。子どもに叱る場合、小さな頃には「こうしなさい」といって叱ることが多いものですが、小学校高学年になると、命令口調の叱り方は反発につながることがあります。そのため、「こうしなさい」ではなく、自分で解決策を引き出すことができるようなメッセージを伝えるとよいです。たとえば何か失敗したとき「なぜ失敗したの?」ではなく「どうすればよかったと思う?」という問いかけの形でメッセージを伝えることで正直な気持ちを引き出すことができます。また、単に叱るのではなく、「それに対して大人である私はどう思ったか」と、「私」を主体にしてメッセージを伝えると子供にも伝わりやすくなります。