「やったねBくん!」
すてっぷの活動で作業課題というのがあります。手指の操作の力を高めること、見本や指示に合わせて作業する力を育てることを狙いとし、就労支援に繋がることを願って取り組んでいます。すてっぷには現在、空き缶潰し、ペットボトル分解、箸の袋詰め、醤油さしやナットの組み立てなどの課題があります。
先日、BくんとCくんが協力してペットボトルを分解する作業に取り組みました。作業課題に入る前のおやつの時間でも楽しそうに笑いながらおしゃべりするほど仲の良い2人。作業前も爆笑するほど楽しんでおしゃべりしています。職員が説明に入り、Bくんにはペットボトルのラベル剥がしとキャップ分けの役割、Cくんにはプレス機でペットボトルを潰す役割を任せると伝えました。すると、さっきまでの様子と打って変わって、「はい」と真剣な表情で返事をしてくれました。まだ作業に入る前なのに、職員は二人の返事だけで感動してしまいました。
協力作業が始まると、Bくんは苦悶の表情を浮かべます。ペットボトルのラベルが中々剝がれないのです。時間をかけて少しずつ剥がすBくん。ラベルが剥がれたペットボトルを受け取ってプレスするCくんは、受け取り待ちの状態でしたが、Bくんを急かすことも集中を切らして他の事をするわけでもなく、Bくんの方に姿勢を向けていつでも受け取ることができるようにじっと待っていました。そして、Bくんが剥がし終わり、「はい。」とCくんに手渡すと、Cくんも「はい。」と言って受け取ります。そして、作業が完了し、職員が二人に「これで作業は終了です。BくんもCくんも頑張っていましたね。」と伝えました。すると直後に二人はハイタッチをしたのでした。そして、Cくんが言いました。
「やったねBくん!」
Bくんが苦労しながらも、Cくんに渡そうとあきらめずに作業を続けられたこと。そんなBくんをじっと待ち、終わってから称賛したC君。そんな2人の姿を見て、人が協力して働くことの尊さを思った職員。子どもたちから学ばせて貰えてよかったと感じる時間になりました。