「○○ありますか?」
リリアン編みにチャレンジ(2022/8/2)で紹介した支援学校高等部のRくん。利用日に少しずつ取り組み、1mほど編んで筒状の生地編み物を作りました。それからまた新しく、リリアン編みを開始したのですが、前とは比べ物にならないほどのスピードで、もう2m以上も編み続けています。これにはとある理由が。
もともと車が大好きなRくん。以前からも、家に帰るときにこの車に乗りたい!と「ノアありますか?」と職員に尋ねることがありました。そしてRくんがリリアン編みにチャレンジしていた昨冬、すてっぷの送迎車として新しくルーミーがやってきました。さっそく興味津々のRくん。「ルーミーありますか?」と職員に尋ねます。このときのRくんはリリアン編みや作業課題に毎日取り組んでいたものの、切り替えが悪かったり手が止まったりすることがありました。そこで職員は、トークンエコノミーシステムの目標にルーミーに乗れることを設定し、そのためにリリアン編みや作業課題にがんばろう!と提案しました。
すると効果てきめん! Rくんはしっかりと目標を持ち、スピーディーに取り組むようになりました。切り替えよく課題に向かい、手が止まることもほとんど見られません。最初は苦手だったリリアン編みの毛糸のセット。職員に見本を見せてもらいながらも「いーやー」「てつだって」と職員にセットしてもらっていました。ところが編む回数の目標も増えて、早く取り組みたいRくんは職員にセットしてもらうよりも自分でセットしようとチャレンジ! 職員に教えてもらいながらだんだんと自分でできるようになり、ついにできたときは「やった!」と喜んでいました。
今では自分で次々と毛糸をセットし、一巻きするごとの回数も自分でペンを使ってチェックし、確認できるようになったRくん。課題が終わったらトークンシールをもらい、喜んで表に貼っていきます。表が貯まったRくんは念願のルーミーで帰宅。満足しながらも次の目標もルーミーに乗ることを選んで、日々の活動を頑張っています。やりたいことを要求できたRくんに、すぐにトークンエコノミーシステムで支援をしたことで、Rくんは自発的ながんばりを見せてくれました。子どもの要求は最大のチャンス、すかさず支援していきます。