すてっぷ・じゃんぷ日記

転ばぬ先の杖?

「転ばぬ先の杖」とは、失敗しないように前もってあらゆる準備をしておく、前もって準備をしていれば、いざという時も失敗することはないという意味です。普段、歩く人は、まさか、自分が転ぶことはないと思っているので、杖を使うことはありません。しかし、いざ転んで怪我をしてから、杖を持つようになっても遅いので、前もって準備しておくことが大切という注意喚起の意味で使われることが多いです。「石橋をたたいて渡る」も同義です。

私たちの取り組みの場合は、なんでもかんでも失敗しないように準備する「転ばぬ先の杖」「石橋をたたいて渡る」とはちょっと意味がちがいます。しかし、「戦を見て矢を矧ぐ(いくさをみてやをはぐ)」の行き当たりばったりでもありません。S君とT君がカードゲームをしてS君が勝ったのにT君が「自分の知るルールは違うが今回は一番で許す」と上から目線で行ったのが、S君カチンときて席を立つハプニングがありました。あとでスタッフが、最初に「上がり」のルールを確認すればよかったと言うのですが、問題が起こらないのが良い療育でもなかろうと言う話になりました。

今回の問題はルールの問題と言うより、同学年なのに上から目線で言うS君と、それが我慢ならないT君の摩擦です。T君にはS君の何にむかついたのか、S君にはT君がなんで怒ったのかを二人でスタッフと考えれば良いし、今度うまくやるにはお互いどうすればいいのか考えるいい機会です。スタッフには、こういう摩擦が起こったときにどう導いていくか予め準備押しておくのが「転ばぬ先の杖」です。逆にこういう摩擦が想定外だとスタッフが感じるなら「戦を見て矢を矧ぐ」実践となっていることを事業所として反省しなくてはなりません。