すてっぷ・じゃんぷ日記

手伝ってください

O君は通所したての頃は好きなことが中々見つからず,結局は大人の注目を得るために不適切行動をしてしまう子どもでした。インスタントラーメンとサイダーが好きなことがわかったので,ここ1年程「山登りの後ラーメン作りね。」というプログラムを設定していました。O君にとって「大人に見てもらえる。」「好きなラーメン,サイダーが貰える。」ということがわかったので徐々に不適切行動はなくなっていきました。

室内での過ごしは休憩時間が多く,O君にとって「何をしたらいいかわからない!」という時間もありましたが最近はさみを使う活動が好きなことがわかり,牛乳パックを切ったりペーパークラフトを作る活動を取り入れています。

簡単なペーパークラフトなら一人で作れるO君ですが,しきりに「○○さん,手伝ってください。」と援助を要求します。「どうしたの?」と見に行くとまた一人で黙々と作業に取り掛かります。

結局は「先生,見ててね。」ということでした。近くにいると「手伝ってください。」とは要求しません。不適切行動もなくなり,様々な好きなことを見つけているO君ですがやはり最大の強化子は「大人の注目」なのです。

「ずっと見てるわけにはいかんけどなぁ…」と思いつつ得意なことに取り組んで「見ててね。」と要求している方が今までの姿の何倍も良いです。O君のことを褒めながら,少しずつ離れ,それでも「見ているよ。」とゆっくりO君を見守ろうと思います。