すてっぷ・じゃんぷ日記

主体性を育てるワークシステム

H君がワークシステムを途中で投げ出してしまい、やろうとしないという報告がありました。40ピースほどのピクチャーパズルをやろうとしないので6ピースのピクチャーパズルをかわりにやってもらったというのです。確かに、H君にとっては毎日同じピクチャーパズルは飽きたのかもしれないし、6ピースでもやったからいいじゃないかという見方もあります。

私たちはワークシステムで何を教えたいのか?H君にはどうなって欲しいのかという事を抜きにして、できたかできないかということを議論しても意味がないのです。私たちがH君に望んでいることは、今日のスケジュール内容についてやれるかどうか最初にご褒美も含めて選択し、選んだものは自立的主体的に完成させて達成感を持って欲しいのです。大人が選んだものを機械的にやれば良いとは考えていないのです。

例え構造化して視覚的にやる事がわかっても、やっている意味が分からなければ子どもはワークシステムにやがて従わなくなって当たり前です。しかし、せっかく理解したシステムなのに、本人が途中で投げだしたからと言って、スタッフが忖度して簡単な内容にしてしまうというのは、ワークシステムを続ければいいというスタッフ側の論理であって、そこで彼が何に困っていたのかはわからないので問題は解決しません。

ワークシステムはASDの子どもにとってたいへん便利なシステムですが、「仏作って魂入れず」のワークシステムは子どもの困り感を覆い隠してしまいます。