手指を使った計算
計算が苦手な子どもの多くは手指を使ってたし算ひき算をしていることが多いです。ただそれには理由があり、手指を使うことが手軽ということや10の補数がわかっていないために数えているというわけではなく、10の補数を瞬時に思い浮かべることに困難さがあるなど「数的処理」を補うための外的手段として手指を使うと考えられています。
手指を使って計算している子どもの中にも大きく分けて3つのパターンがあります。そのタイプによって子どもがどこまで計算について理解をしているのかを知ることが出来ます。
①すべて数える方略
「1、2、3、4、5。。。」と被加数と加数を全て数える方略。両手指を使うことが多い。
②数え足す方略
被加数に「3、4、5」と加数のみを足していく方略。加数の指だけを使うことが多い。
③小さい方を数え足す方略
被加数と加数(例えば2と3)のうち、大きい3に小さい2を「4、5」と数え足す方略。この段階では②と同様、小さい2の数だけ手指を使って数えたり指をはっきり立てるのではなくほんの少し動かしながら計算する場合もあります。
このように一般的には手指を使用した計算とひとくくりにすることがほとんどですが、その方略にはいくつかの段階があり、それによって支援を考える必要があります。
今回は①の支援について紹介します。
①の場合、数を唱える際に被加数の次の数を瞬時に思い浮かべられないことがあります。すらすらと数を唱えるためには頭の中で数列を瞬時に思い浮かべる必要があります。したがって数をスムーズに唱えられるようにあんることを支援することから始める必要があります。数を途中から数え上げることや、ひき算で数え引きをするために必要な数え下げなど、基本的な数の理解に基づき数唱がスムーズにできるようになることを目指します。