すてっぷ・じゃんぷ日記

今日の活動

今家庭でできることをはじめる

「光とともに」
『光とともに… ~自閉症児を抱えて~』は、2001年から10年近くにわたって月刊マンガ誌『フォアミセス』に連載され、その間にテレビドラマ化もされて大ヒットした作品です。コミックスの累計発行部数も全16巻260万部を超え、「このマンガを読んで、自閉症について初めて知った」という読者も多いです。

自閉症の息子(光君)を抱えた1人の母親の姿が描かれていて、診断される前後の苦悩や、障害の特性行動に悩む母親の姿が描かれています。自閉症の母親なら少なくない人が読んでいるという、バイブル的漫画です。1巻の最後の保育園の卒業式の場面。園児がそれぞれ、将来の夢を口にして発表するなか、言葉が話せない光君の変わりに、母親が光君の手を上げて「大きくなったら、明るく元気に働く大人になります」と宣言する姿が感動的です。

作者の戸部けいこさんは、執筆中に病気で亡くなられて物語りは完結はしていないですが、きっと光君が働く姿を描かれたかったんだろうなぁと思います。主人公の母親が壁にぶつかった時に、「だったらどうしよう」と考える姿も感銘をうけます。子育てのゴールは自立。子どもの成長を考えるときに、成人して「就労」ということを基準に、色々なことを選択しようというメッセージが込められた漫画です。

昨年末までに就学先を決めた方は、新しい学校の様子や子どもの状況の情報交換しながら、新年度を迎える準備をされている方も少なくないと思います。行き先の学校ことが気になる時だからこそ、「大きくなったら、明るく元気に働く大人」になるために、学校以外の家や地域で何が必要か、今家庭でできることをはじめる事が大事と、光君のお母さんは描かれています。