今日の活動
海外の九九の覚え方
昨日、九九の宿題で苦労している子のことを書いたら少し反響があったので、もう少し九九について考えてみます。今回は、海外では九九はどのように覚えさせているのか調べてみました。
昨日も書いたように、音韻障がいや読みの流暢性に問題のない人は、2×2=4を「ニニンガシ」というように、語呂よく、リズムよく暗記することができます。1の段から9の段まで、繰り返し暗唱して覚えていきます。しかし、海外でこのような方法を採用する地域は少なく、ひたすら数字を並べて暗記しているようです。たとえば、英語圏だと12×12まで暗記する必要があります。日本の暗記量は少ないほうで、世界の子どもたちはけっこう大変なようです。インドでは20×20まで暗記するのが一般的で、地域や学校によっては99の段まで学ぶところもあるようです。これができれば2桁×2桁の掛け算もスムーズにできるようになるため、計算のスピードが大幅にアップするというのが理由です。
九九を利用するインド式の掛け算も最近注目されています。計算が簡単で早く、暗算でも間違いにくいというメリットがありますから、覚えてみるのもいいかもしれませんね。アメリカやイギリスでは12×12まで暗記します。日本語のように数式を短く表現することができないため、九九の表を見ながらひたすら覚えていくやり方です。「Two times two equals four. Two times three equals six.」と、呪文のように暗唱する子が多いそうです。ひたすら暗記していくと、2×2を見るとぱっと答えが出てくるようになります。覚えるのは大変ですが、数字を見ただけで反射的に答えが出てくるため、計算は意外と早いようです。また、小学校で覚えない子も多いため、高校生でも九九の授業を受けることがあります。ただこれは音韻性障害のことが全く配慮されていません。(日本もですが)
ドイツは10の段まで覚えます。覚え方は英語圏と似ており、九九の表を見ながら2×2=4と数式をそのまま覚えます。丸暗記させる方式ではなく、最初は九九の表を参考にしながら問題を解きます。ひたすら計算を反復練習して、最終的に九九も覚えるのです。日本と大きく異なるのは、数字の読みあげ方です。ドイツでは、一の位の次に十の位を読みます。56なら6と50です。また、授業の進め方も異なり、九九をすべての段学ぶ前に、割り算がはじまります。確かに、掛け算と割り算には関連がありますから、合理的な学び方かもしれません。掛け算の基本である九九ですが、国によって覚える範囲や覚え方はさまざまです。ドイツのように丸暗記を重視しない地域や、インドのようにたくさん覚えて計算スピードを上げる国と様々です。
ただ、音だけで覚える方法は読み障がいのある人には致命的です。基本は視覚からも九九を取り込むことです。九九表の法則性がわかって来れば自分で答えが探せます。すらすら流暢に言えるようになるまで、大人は離れず最後まで聞いてどこがうまくなったか必ず評価してあげることです。