2020年2月の記事一覧
注目を得たい不適切な言動
F君が、いつもはそんな幼稚なことはしないのに、今日は変な事ばっかりするのでどうしたのかなとか、G君が仲間にブランコ替わって欲しいのに嫌味ばっかり言って逆効果なのにとか、スタッフから疑問が出ました。
要するに、もっと上手く振舞えるはずだし、わざわざトラブルのもとになるような言動を何故するのかというものです。上手く振る舞えないから、上手な交渉はできない、かと言って実力行使はダメだと知っている。しかし、要求は実現したいから不適切でも先の言動をとるのです。
自分の不安が漠然としてはっきりわからなかったり、わかっていても表現する言葉を持ち合わせていない時に子どもは大人の気を引く行動をします。また、上手にブランコを代ってもらう交渉スキルがないので、お友達が怒り出してしまうほどのセリフを言えば席を立ってくれるのではないかと嫌味を言うわけです。どちらも相手の感情がどうなるかは考えられていないので、高確率でトラブルも起こりますが、たまに自分の思い通りになる時もあります。これをギャンブル依存理論=間欠強化と行動分析ではいいます。
「なんて言えばいいかわからず困っているねん」「どういえばいいの」というワンフレーズを発信すれば済む話なのですが、大人に向かって援助を求めることが難しい人が多いのです。こういう場合は、軽微な内容ならその場で正しい言い方に修正させます。自分でも気持ちの整理がつかないような不安定な状態なら、まずは気持ちがフィードバックできる環境を作って自分がどういう感情だったかを確定してから取るべき行動を考えさせます。
よく、「注意喚起行動は無視する」とスルーすることが絶対だと勘違いしている大人がいますが、それはその子に利得を得させないという場合のみ有効なのです。しかし、修正介入しなければ事は解決しない場合に、無視だけしていても、どんどん激しい行動になって結局応じてしまわざるを得ないことが予測できるなら、さっさと修正介入すればいいのです。スルーはがまんくらべではないのです。