すてっぷ・じゃんぷ日記

2020年7月の記事一覧

サービス担当者会議

相談事業所から○○さんのサービス担当(関係)者会議があるので集まってくださいと言われることがあります。この会議は下図の一連の流れでサービス計画を決めたり見直したりするのに最低限必要な会議ではなく、各事業所において利用者の行動問題などから支援が円滑に進まないという申し出があったときに、担当の相談事業所が利用者に聞き取りを行い、かつ関係者を集めて検討をする会議です。驚くべきことにこの会議に参加する関係者は無報酬であることや、相談事業所に支払われる加算は月1回まででたった100単位(一単位≒10円)ということです。

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サービス担当者会議実施加算 100 単位/月
継続サービス利用支援の実施時において、利用者の居宅等を訪問し利用者に面接することに加えて、サービス等利用計画に位置付けた福祉サービス等の担当者を招集して、利用者等の心身の状況等やサービスの提供状況について確認するとともに、計画の変更その他必要な便宜の提供について検討を行った場合に加算する。
※ 利用者1 人につき、1 月に 1 回を限度として加算。
※ サービス利用支援の一連の流れで行う担当者会議は加算に該当しない。
※ サービス担当者会議において検討した結果、サービス等利用計画の変更などを行った場合は、サービス利用支援費を算定することとなるため、算定不可。
※ サービス担当者会議の出席者や開催日時、検討した内容の要旨及びそれを踏まえた対応方針に関する記録を作成し、5 年間保存すること。

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日常的にコミュニケーションもしていない事業所同士が、課題が生じた時だけ集まって、成果が上がると考える方が無理があります。客観的に考えれば利用者の行動問題のほとんどは支援者側の問題です。そうしたデリケートな問題をよく話し合ったことのない支援者同士がちょっと集まって解決できると考えるのは無謀で、逆に支援者同士の感情的な行き違いを作る可能性のほうが大きいと思います。

どの事業所も同じ悩みを抱えているならまだしも、うまくいっている(と思っている)ところやそうでない事業所があれば、各事業所言いたいことだけを言い合ってお互いの違いを確認するのが精一杯です。こうした支援課題に関わる相談は、考え方の違う人を集めるよりも相談事業所がリードして専門家を入れてピンポイントで課題解決を図る方が合理的だと思います。

それにしてもこの会議開催の加算額はあまりにも低すぎます。逆に言えば、その単価程度の目的しか持たせていないというべきかもしれません。私たちが求めている目的を持たせるなら、最低この10倍は出すべきです。参加した事業所にも放デイの家庭連携加算を認めるべきです。また、行動問題の専門家(医師・心理士)を招聘してのカンファレンスをこの会議の内容として積極的に誘導するように、その経費も加算額に加えるべきです。

そうすれば、たとえ無報酬で参加を求められた事業所であっても、事業所のサービスの質を向上させられるというインセンティブが満たされれば積極的に参加しようとするはずです。勿論、そのためには相談事業所の行動問題への知見が確かであることは大前提です。

とにかく、巷ある関係者の『連携』会議は役に立たない、百害あって一利なしと相場が決まっています。まさに、船頭多くして船山登る状態と言わざるを得ません。船頭も決めず、行き先も決めずして船は進みようがないからです。