2020年5月の記事一覧
障害特性に合わせたワードバスケット
ワードバスケットとは、バスケット(箱)に入っている文字で始まって、自分の持っているカードで終わる言葉を考えます。思いついたらその単語(3語以上)をいいながらカードをバスケットに投げ込みます。たとえばバスケットに「す」のカードが入っていて「か」のカードを持っていたら、「すいか!」 といいながらカードを投げ込みます。出てるカードは「か」になりました。こんどは「か」で始まる言葉です。「う」があれば、「かとりせんこう!」です。ワイルドカードはどの音でも使えます。(音数を規定する様々な種類のワイルドカードがあります)
手持ちカードをなくすゲームですが、順番はありません。思いついた人が出していく早い者勝ちです。一人で続けてどんどん出していいのです。でも、これは音韻障がいを原因とする発達性読み書き障害の人にはすごく難しいゲームです。言葉の力には言葉を思い出す「語想起」と滑らかに思い出す速さの「流暢性」があります。従って、読み書き障害の多い放デイ事業所等では、思いつくのが遅い人のために、あえて順番を導入して時間をある程度与えてあげないと、参加しても思いつく速度が遅いので面白くないのです。
しかし、使いようによっては読み書きの障害の良いトレーニングになります。ワードバスケットルーにも年少ルールで2文字にするとか、強い人は4文字以上で参加するなどのハンディキャップ制度を導入すると楽しく遊べると思います。また、手元にホワイトボードの升目を置いて「す」「★」「か」と書いておくと視覚で苦手な音記憶の補助ができるので、取り組みやすくなると思います。ボードゲームも障害特性に合わせた工夫次第で楽しく有意義に取り組めるということです。