すてっぷ・じゃんぷ日記

2019年11月の記事一覧

しんどいから笑う?

C君、お迎えの時から笑っているので、調子いいかなぁと思っておやつ作りをしていたら、調理台の上に置いてあるオムレットの具材用のバナナ丸々一本を、ホットプレートの上でごろごろ転がして焼いてへらへら笑うので、普段はそんなことする子じゃないのになんか妙だったというスタッフの報告がありました。

今週は文化祭の前で授業や時間割もイレギュラーでいつも通りではないので、みんなかどうかは分からないですが、少なくない利用者の子どもたちは疲れています。そして、C君のへらへら笑いは楽しいのではなく、疲れてへとへとだという感情表現の間違いです。疲れたらへらへらしたりテンションが高くなる人は結構います。そして、自分が疲れたことに気が付いていません。

私けっこう得意かも

ニットクイックルーム(大型リリアン編み)を手芸に提供してみたら、結構うまく編めました。にんまりして「私けっこう得意かも」とどんどん編んでいくBさん。手にマヒがあってもこれなら編んでいけます。とっても誇らしげです。

おやつにオムレットを作ったのですが、不自由な手で粉を計量してると後ろから「もうちょっと」「あー多かったかなぁ」と外野がうるさいのでBさんしょんぼり。一人でできること=大人に介入されないこと=自尊感情が高まること、その逆は一人でできないこと=大人にしょっちゅう指示されること=自己否定感が高まること、を学んだ一日でした。

そだねー

利用者のほとんどは友達やスタッフと絡まって生活しています。絡まって生活していると、相手の行動が許せなかったり、スタッフの理不尽な言動に腹を立てたりすることは日常的な事です。絡み合って生活しなければ対人感情は発生しませんので、感情のコントロールはこういう現場でしか教えようがありません。しかし、発達障害の人に感情の存在を教え、適切な感情の表現を教えることは大変むつかしいです。

怒ると大声で怒鳴ったり甲高い声で騒ぎ立てていたA君に、「怒るのはいいけど、大声を上げたり泣くのはNGです」と感情表現コードを決めています。でも、怒ることは彼にとっては大声だったり泣いたりなのでこの言い方では「怒るな」としか理解できません。怒りそうになると「怒らない、笑顔ニコ」と感情を抑え込んでしまいます。普通の声で「怒った」とか「頭来た」とスタッフに言いに来るのは「感情表現コードOKです」と伝えてきました。最近ようやく、友達のふるまいに「むかむかする」等と独り言をつぶやいているのですが、この振る舞いを「グッジョブ」と言って強化していいものかどうか悩みどころです。誰にでも「むかつく―」と言っても困るからです。「そうかー。そだねー」とスタッフが共感することでいいんじゃないかということになりました。プラスの感情は共有しやすいですが、マイナスの感情の共感と言うのは難しいです。だけど、人間生活にとってとても大事なコミュニケーションです。