みんなちがってみんないい
視覚障害支援(その1)
視覚障害者はひとりで買い物に行けないのでは?と、思う方がいるかもしれません。けれど、最近ではサービスカウンターやコンシェルジュを設置するスーパー、デパートが増えてきました。商品の場所や値段を教えてくれるだけでなく、なかには新鮮な野菜を選んでくれたり、必要な量を見てくれたりと、さまざまな配慮をしてもらえるお店もあるのです。
見えないのではなく、見えにくい人の場合、値札が読めなくて困ることが多いそうです。そういう人は、携帯型の拡大読書機を使ったり、最近ではスマートフォンで写真を撮って拡大したりと、工夫して買い物をしています。ただ、店内写真撮影お断りのお店では、店員さんに声をかけておかないと誤解されることもありますので注意が必要です。
拡大読書機やスマートフォンがなくとも、商品を顔に近づければ見える人もいます。「あの人、お肉のパックを顔に押し当てている!」などと驚くことがあるかもしれませんが、もしかしたら値札の表示を見ようと一生懸命な視覚障害者の可能性もあります。
白杖を持っていないと、なかなか視覚障害者とは分かりづらいです。でも、社会には見えない人、見えにくい人も大勢いて、ひとりで買い物に出かけることもあります。もし見ることに困っていそうな人がいれば、お店の人に手伝ってあげるように伝えるだけでも助かります。
視覚障害者で点字を使える方は約10%です。点字は文字のひとつで、使いこなすためには、まったく新しい文字をイチから覚える必要があります。先天性の視覚障害者であれば、子どものころから点字を習う機会もあるでしょう。けれど、中途視覚障害者にとって、点字はなかなか難しい道具・文字です。
ですから視覚障害者であっても、「点字が読めないので音声で聞きたい」「字で読みたい(活字を音声に変換するソフトがあります)」という人がたくさんいることを知ってください。もちろん点字は街中さまざまなところで使われているので、習得した方がいいです。特にエレベーターの階数表示や、切符を買うときのボタンなど、数字だけでも読めると便利です。ただ、ITが普及した現代では、点字が読めなくてもデジタルデータが代行してくれることが増えました。長い時間をかけ訓練する必要がないことは、とてもいいことです。ITを視覚障害のために活用する道具や方法が標準的になっていくと思います。
また、行政が発行する案内は点字が用意されていることが多いです。公務員試験などでも点字の受験が可能になっています。反面、パソコンを使った受験にはまだ制約があるようです。点字ではありませんが、シャンプーの容器にはブツブツした突起がついていて、コンディショナーと区別できるのをご存知ですか。ほかにも、牛乳パックの頭には切れ目がついおり、目を閉じていても見分けがつきます。こういったユニバーサルデザインのものは身近にたくさんあるので、ぜひ探してみてください。
リタリコ
最近youtubeのCMによく出て来るリタリコ就労支援。障害者向け就労支援サービスでは、全国600社以上の企業をインターン先として紹介することで、障害者やその親がそれまで気づかなかった適性を発見するチャンスを増やしています。発達障害などの「生きづらさ」を抱えた子どもの学習支援では、気持ちのコントロールや友人との付き合い方などのソーシャルスキルを、一人一人異なる方法で教えています。放デイ事業にも乗り出し、リタリコ独特のアレンジでトップを走り続けています。
2005年に仙台市で創業。本社を東京都目黒区に移し、2017年には東証1部に上場。社員約1600人を擁し、障害者支援分野では国内最大手。成長を牽引しているのは社長の長谷川敦弥さん(33)です。障害者支援や子育て支援、教育をはじめ、福祉、医療、環境、地域活性化などの分野で、社会が抱える課題をビジネスの力で解決することを目指す起業家が、最近どんどん生まれています。
リタリコの鮮やかなウェブサイトは、「儲からない」「地味」という福祉のイメージを覆します。長谷川さんは、名古屋大学理学部を卒業後の2008年に新卒でリタリコに入社しました。当時はほぼ無名で東京の社員は十数人。営業職などを経て、翌2009年には社長に就任。いまリタリコが掲げるビジョン「障害のない社会をつくる」は、長谷川さんの体験から生まれたものです。
岐阜県多治見市の出身。幼稚園の頃から集団生活が苦手、言う事を聞かない子どもで、中高生時代も学校のルールや教師の教えを疑問に思うことが多く、それらを変えようと発言したり行動したりして「気持ち悪い」と言われたり、嫌がらせに暴力を振るわれたりしたそうです。
大学1年のアルバイトで働いた焼き肉店のオーナー夫妻が、「いい声してる」「お客さんに好かれる」「行動力がある」と、否定され続けた長谷川さんのすべてを評価してくれたのです。「敦弥くんには世界を良くする力があるかもしれない」「東京かニューヨークに行ってみなさい」という夫妻の言葉に背中を押されて大学を休学。上京して3年間、IT企業で働き「ITはすごい。これをゲームや戦争ではなく困っている人のために使いたい。そうすれば若くても、社会をいい方向に変えられる」と思ったそうです。
東京で出会った政治家や起業家は、常識に縛られるのが苦手で、周りからちょっと浮いていた学生時代の自分とうり二つであることも発見したそうです。社会起業家を育成するNPO法人や若者に議員事務所でのインターンシップを斡旋するNPO法人など現代を代表する社会起業家たちは、長谷川さんの社会を変えていこうという強烈な思いを感じたといいます。
学校では、創造性を発揮すればするほど規則を破る迷惑行為として非難されるけど、社会を変えていくのはそういう人。人と違うのはいいことで、そういう個性を大事にできる社会の仕組みや教育をつくりたいと思うようになったそうです。障害は人ではなく、社会の側にある。それをなくしていくことが目標と言いいます。
売上高は約90億。「ビジネスはあくまで手段。うまくやりたいという願望はゼロ」と言い切る長谷川さんだが、上場したことで信頼度が上がり提携話も舞い込むなど、チャンスは圧倒的に広がっています。利用者から「不思議だけど自分たちが認められた気分になりました」と言われたことが何より嬉しいそうです。そして、一社では、社会は変わらない。リタリコが自己犠牲ではなく『ビジネス』としての持続可能性を示すことで、障害者支援はニッチな市場でビジネスとして成り立たないと尻込みしていた人や企業にどんどん参入してもらい、新しい支援ビジネスを生み出すことが必要だと語ります。
感情表現は社会的産物
感情のコントロールは家族や先生、近所の人など身の回りの人からのフィードバックから学びます。嬉しい、悲しいといった感情は基本的に主観的であり、自分自身の感情状態を知るのは自分だけです。「スキップしそうなくらいワクワクしている感情は”嬉しい”という感情」「涙がこぼれ落ちそうで気持ちが沈む感情は”悲しい”という感情」という風に感情状態に名前をつけます。また、感情をコントロール出来るようになるためには、環境からのフィードバックが欠かせません。
例えば、子どもがおもちゃ屋さんで欲しいおもちゃがあったけど、買ってもらえず、怒って床に転げまわる時。大人が「おもちゃが欲しかったんだね」となだめたり、「怒っちゃったんだね。でも、床で転げまわったらだめだよ」と諭したりすることで、子どが落ち着き、「自分の思い通りにならなくてイライラする感情は”怒り”で、おもちゃを買ってもらえなくても、床でジタバタしたらダメなんだな」と感情に名前があることを知り、感情をコントロールすることが必要だということを学びます。
しかし、このとき大人が大声で怒鳴ったり、過度な罰を与えてしまうと、子どもにとって効果的なフィードバックとはならず、過度の罰によって引き起こされた強い恐怖で必要以上に自分の感情を押し殺すようになる可能性があります。このようなフィードバックに関して、研究者らは大人の適切なレベルでの抑制が子供の正常な感情表出につながると論じました。つまり、大人の抑制が強すぎると、自分の感情を押し殺す傾向が強くなり、抑制が弱すぎると、過剰な感情表出をする傾向になる可能性があるということです。
また、どのような場面でどんな感情表出をすれば良いのかというのも周りのフィードバックから学びます。例えば、プレゼントをもらった時に嬉しそうにすると、プレゼントをくれた人も喜びますが、不満そうにすると、プレゼントをくれた人が悲しそうな顔をします。このようなフィードバックを受けることで、「プレゼントをもらった時は、嬉しい顔をした方がいいんだ!」と感情を表すときの規則を学んでいくのです。
子どもの感情の表現は、このように大人や周囲の人からフィードバックされ社会的価値として学習されはじめてコントロールされる、極めて社会的な産物なのです。
てんかん(その4)
抗てんかん薬の多くは、脳全体の働きを抑える作用があり、飲む量が増えると眠気やふらつきなどの副作用を起こしやすいことが知られています。また、飲みはじめの早い時期にみられる副作用として発疹などのアレルギー反応、長期間の服用では、肝機能の低下、白血球減少、脱毛などがあります。また、抗てんかん薬によって、体重増加、食欲低下、体重減少、発汗低下、歯肉増殖などの副作用が出ることもあります。
ただし、副作用の起こり方は人によって違うので、同じ薬を同じ量飲んでいても、同じように副作用が起こるとは限りません。一般に薬を初めて飲むときには、副作用を避けるために少ない量から始め、薬の効果や副作用を確認しながら徐々に増やしていきます。また、定期的な血中濃度測定や血液検査などをチェックして副作用を避けるようにします。
血中濃度測定は、飲んだ薬がどの程度血液中に入ったかを調べるものです。人は同じ薬を飲んでも、体重や年齢、性別、薬の飲み方(回数や量など)などで薬が腸から血液に入る量が変わってきます。そして、吸収された後も、薬が体の隅々にいきわたり方、薬の効き方、尿や便などを通じて体外へ出ていく量が人によって違うため、抗てんかん薬の血中濃度は変わってきます。
しばらく発作が止まっていたり、副作用を心配するあまり、本人や家族の判断で薬を飲まなかったり、回数を減らしたりして、てんかんの症状を悪化させてしまうことがあります。患者さんが医師の処方どおりに服薬することを「コンプライアンス(服薬遵守)が良好である」といいます。最近では、単に処方で定められたように薬を服用するコンプライアンスよりも、本人自身が十分納得して治療のために積極的に薬を服用する「アドヒアランス」という言葉が使用され、治療が医師からの一方的なものではなく、本人や家族と協力して行われるという考え方が定着しつつあります。薬は納得したうえで指示されたとおりに飲み、副作用が心配なときは素人判断せずに主治医に相談することが大事です。
てんかん(その3)
てんかんは、主に抗てんかん薬により治療します。抗てんかん薬はてんかん発作を起こさないように、大脳の過剰な電気的興奮を抑える働きをもっており、発作を起こす可能性のある間は、続けて飲む必要があります。現在、日本には多くの種類の抗てんかん薬がありますが、抗てんかん薬はどのような発作に効果があるかわかっていますので、医師は発作のタイプを考慮し、また年齢や性別、体重、合併症や服用中の薬との飲み合わせ、過去の副作用の経験なども考えてその人に合った抗てんかん薬を選びます。
どんな薬にも共通しますが、すべての人に効く薬はありません。てんかん発作のタイプによって使用する抗てんかん薬の種類や量が異なります。また、同じてんかんでも、年齢や性別、体重、合併症や現在服用中の薬との飲み合わせ、過去の副作用の経験などによって使われるくすりが異なり、主治医はその人にあった抗てんかん薬を選んでいきます。ですから、同じてんかん発作でもAさんに効いた薬がBさんに効くとは限りません。Bさんのくすりがないからと言ってAさんのくすりをもらって飲むことはできません。
抗てんかん薬以外にも薬を何種類か飲んでいるときは、それぞれの薬がお互いに影響しあって、薬の吸収や代謝に影響があらわれることがあります。薬物相互作用のため、薬の効果が弱くなったり、強くなりすぎたりすることがありますので、抗てんかん薬以外に何か薬を飲んでいる人は主治医や薬剤師に相談してください。また、一部の健康食品(セイヨウオトギリソウ)も抗てんかん薬の作用に影響することがありますので、そのような時には、主治医や薬剤師の先生に相談することが重要です。
てんかん発作は、大脳の神経細胞の過剰な電気的興奮と、その興奮が広がることによって起こりますが、抗てんかん薬はこの「興奮系」を抑えるタイプと、興奮の広がりを抑える「抑制系」の働きを強めるタイプがあります。神経細胞は、ナトリウムイオンやカルシウムイオンが細胞の膜を通過して細胞内に入ることで興奮します。これらのイオンの動きを抑えることにより、過剰な興奮が起こらないようにします。また、脳の中にはGABA(ギャバ)という興奮を抑える働きをもつ物質がありますが、抑制系を強める抗てんかん薬はGABAの働きを強め、てんかんの症状を抑えます。なお、新しい抗てんかん薬には、これまでとは違った働きをする薬もあります。一般的に、抗てんかん薬により発作が消失する割合は、最初に飲んだ抗てんかん薬により50~60%、2番目以降の抗てんかん薬で10~20%で、残りの20~30%は抗てんかん薬が効きにくい難治性のてんかんといわれています。難治性てんかんには、抗てんかん薬を2種類以上併用したり、場合によっては外科手術などが行われます。
てんかん(その2)
部分発作は、過剰な電気的興奮が脳の一部に限定されて起こる発作です。意識がはっきりしている単純部分発作と、意識障害が伴う複雑部分発作に分けられます。なお、部分発作の中には、限定された部位の過剰な興奮が大脳全体に広がるものもあり、部分発作に続いて全般発作がみられるものがあります。発作の始まり方から部分発作に含まれますが、次の段階で電気的興奮が広がっていくことから、「二次性全般化発作」と呼ばれます。
(1)単純部分発作
本人は意識があるため、発作の始まりから終わりまで、症状をすべて覚えています。過剰な電気的興奮を起こす部位によって、運動機能の障害(手足や顔がつっぱる、ねじれる、ガクガクとけいれんする、体全体が片方に引かれる、回転する等)、視覚や聴覚の異常(輝く点や光が見える、ピカピカする、音が響く、耳が聞こえにくい、カンカンと音が聞こえる等)、自律神経の異常(頭痛や吐き気を催す等)など多彩な症状を自覚しています。
(2)複雑部分発作
意識が徐々に遠のいていき、周囲の状況がわからなくなるような意識障害がみられる発作で、本人には記憶障害がみられます。しかし、意識障害中に倒れることは少なく、 たとえば、急に動作を止め、顔をボーっとさせるといった発作(意識減損発作)や、辺りをフラフラと歩き回ったり、手をたたく、口をモグモグさせるといった無意味な動作を繰り返す(自動症)などの症状があります。
(3)二次性全般化発作
単純部分発作または複雑部分発作の症状から始まり、ほとんどの場合は強直(きょうちょく)間代(かんたい)発作に進展します。発作が始まる前に「前兆」がみられ、意識が消失します。症状だけでは強直・間代発作との見分けが難しいですが脳波の測定により弁別できます。
全般発作は、大脳の両側にまたがる広い範囲で過剰な興奮が起こることで発生する発作です。発作時には、ほとんどの人は意識がありません。
(1)強直間代発作
突然発症して、強直発作と間代発作を起こします。発作後は、自然睡眠(終末睡眠)と呼ばれる30分から1時間くらいの眠りに移行することがありますが、その後は普段の生活に戻ります。発作直後は意識がもうろうとしていますので、物にぶつかったり、熱い物に触ってやけどをするなど、発作そのものよりも、もうろう状態での事故も少なくないので注意が必要です。強直(きょうちょく)発作:突然意識を失い、口を固く食いしばり、呼吸が止まり、手足を伸ばした格好で全身を硬くしていきます。数秒から数十秒間持続します。強直したまま激しく倒れ、けがをすることもあります。間代(かんたい)発作:膝などを折り曲げる格好をとり、手足をガクガクと一定のリズムで曲げたり伸ばしたりするけいれんが起こります。一般には数十秒で終わりますが時に1分以上続くこともあります。
(2)脱力発作
全身の筋肉の緊張が低下・消失するために、くずれるように倒れてしまう発作です。発作の持続時間は数秒以内と短く、発作と気づかれにくいこともあります。
(3)欠神(けっしん)発作
数十秒間にわたり意識がなくなる発作ですが、けいれんを起こしたり、倒れたりはしません。話をしたり、何かをしているときに、突然意識がなくなるので、急に話が途切れたり動作が止まったりします。注意力がない、集中できない、などと思われて、周囲の人がてんかん発作であることに気が付かないこともあります。学童期や就学前に症状が現れることが多く、女児に多い発作です。
(4)ミオクロニー発作
全身あるいは手足など、どこか一部分の筋肉が一瞬ピクッと収縮する発作です。瞬間的な症状のため、自覚することが少ない発作ですが、連続して数回起こることもあります。また、転倒したり、持っている物を投げ飛ばしてしまうほど症状が強いこともあります。光によって誘発されることもあり、寝起きや寝入りに起こりやすい傾向があります。
てんかん重積状態とは、発作がある程度の長さ以上続く状態、または短い発作の場合でも繰り返し起こってその間の意識がない状態で、生命に危険が及ぶ可能性があります。従来は、発作が「30分間以上続いた場合」に重積状態とされていましたが、最近の考え方では5分から10分間以上発作が続く場合はてんかん重積状態と判断しててんかん治療を開始します。
てんかん(その1)
人間の体には、神経が張りめぐらされ、その神経の中を弱い電気信号が通ることによっていろいろな情報が伝達されます。脳には神経細胞が集合し、さまざまな情報を処理しています。たとえば、目や耳から入る情報、皮膚で感じる情報、匂いや味などの情報は、神経を通じて脳に伝達されることによって、「きれい」「暑い」などと感じます。逆に、脳からの命令、つまり、「話す」「走る」などのように、意識することによって体を動かすこともします。さらに、意識していない心臓の動きの調節や呼吸なども脳からの命令であり、感情・情緒・理性などの精神活動や記憶も制御しています。このような働きのある脳内の電気信号が何らかの原因で一斉に過剰に発生するとその部位の脳の機能が乱れ、脳は適切に情報を受け取ることや、命令ができなくなり、体の動きをコントロールできなくなります。この電気信号の一斉の過剰発生をてんかんと呼びます。
大脳は、中央の溝を境に大きく左右(右半球と左半球)に分かれています。そして、右半球は左半身を、左半球は右半身の神経を調整し、また脳は各部位ごとにそれぞれの働きを担っているため、電気信号の乱れや興奮が起こる部位によって発作の症状が変わってきます。てんかんの方は、発作の起こる部位が決まっているために、発作ごとに同じ症状が繰り返されます。たとえば、手を動かす神経の部位で過剰な電気的興奮が起こると手のけいれんが起こり、言葉の部位で起こると言葉がしゃべれなくなります。
脳の神経は興奮と抑制がバランスよく働いています。車のアクセルとブレーキのように、興奮が強くなりすぎると抑制側の神経が働いて興奮を抑える、というようにバランスを取ります。しかし発作が起こる時には、興奮系の神経が強く働いたり、抑制系の神経の力が弱まることで、激しい電気的乱れ(過剰興奮)が生じます。
脳は、中央の溝を境に右半球は左半身、左半球は右半身の神経を調整し、大脳、小脳、間脳、脳幹などから構成されています。その中で、人間らしい複雑な行動をコントロールするのが大脳です。大脳は、前頭葉、頭頂葉、後頭葉、側頭葉の4つに分けられ、それぞれの部位によって働きが異なります。前頭葉:手足など、体の各部を動かす指令を出す働きの他に思考・推理・理性・学習・選択などの高度な情報処理をつかさどります。頭頂葉:皮膚や耳などから入る感覚情報を分析したり空間を認識します。後頭葉:人の顔や物の形など、目から入った情報を認識します。側頭葉:耳から入った音や言葉の情報や情動に関係します。側頭葉の内側には、記憶に関わる領域である海馬(かいば)があり、てんかんの焦点(発作が起こり始める部位)となることが多い部位です。てんかん発作が起こる部位でどんなダメージを受けるのかこの部位によって推測ができるわけです。次回はてんかん発作のタイプについて書きます。
ハローワーク
ハロワークに求人募集してきました。1月からは自社でのネット登録の仕様が変わるそうで、今回は直接ハロワークに来てくださいとのことで、京都駅の横にある七条職安に行ってきました。来ているのは求人ばっかりでした。ネットで検索できるので、ハローワークに来るのは、失業保険の手続きの方が多いみたいでした。
今回登録した内容は
以下の通りです。
皆さんのお知り合いにもこのURLを示してご協力ください。見に来るだけでも大歓迎です。
求人番号
26020-32103691
求人情報の種類
一般(フルタイム)
事業所名
特定非営利活動法人 ホップすてーしょん
電話番号
075-924-5010
FAX番号
075-924-5020
代表者名
所長 田中 一恵
所在地
〒617-0006 京都府向日市上植野町樋爪6-9
事業内容
障がいのある小学1年生から高校3年生までの児童に、授業の終了後や学校の休業日に生活に必要なプログラムを提供し、遊びや体験を通して健全な育成が図れるよう支援をしていく事業です。
職種
放課後等デイサービス指導員
就業形態 フルタイム
産業 医療,福祉のうち児童福祉事業
定年制 あり 一律 65歳
雇用形態 正社員
再雇用 あり 70歳まで
加入保険等 雇用 労災 健康 厚生
年齢 44歳以下
年齢制限の理由 長期勤続によるキャリア形成のため若年者等を対象
雇用期間 雇用期間の定めなし
就業時間
(1)10:00~18:00 又は09:00~18:00の間の8時間程度
週所定労働日数
時間外 あり 月平均12時間
休憩時間 60分
賃金 月給
a 基本給(月額平均)又は時間額
180,000円~200,000円
a + b
180,000円~200,000円
b 定額的に支払われる手当
c その他の手当等付記事項 資格手当:5,000円 (教員免許、保育士、福祉士等)
賞与 あり 前年度実績 年2回・計4.50月分
休日 日 他
入居可能住宅
年間休日数 105日
週休二日 毎週/*年末年始・夏期3日
利用可能な託児所 なし
育児休業取得実績 あり
就業場所 京都府向日市
沿線 阪急京都線
従業員数 企業全体:7人 うち就業場所:7人 うち女性:5人 うちパート:5人
採用人数 2人
通勤手当 実費支給 上限あり 月額:10,000円
マイカー通勤 可 /駐車場自己負担 なし
転勤 なし
仕事の内容
・障害のある子どもたちの療育(個々の子どもの課題に応じ た生活や遊びの指導など) ・レクリエーション等の行事の企画、運営 ・文章作成(個別支援計画書等。作成の仕方はレクチャーし ます。スタッフで協力して作成していきます) ・子どもの車での送迎
学歴 短大卒以上
必要な経験等 不問
必要な免許・資格 普通自動車免許(AT可) ペーパードライバーでない方
選考方法 面接 書類選考 その他(作文・実習)
選考結果通知 7日後
応募書類等 ハローワーク紹介状 履歴書→写真添付 職務経歴書 その他(運転免許証)
選考日時 随時
求人条件にかかる特記事項
※バイク・自転車通勤:可 ※駐車場自己負担 なし ※選考結果:7日後 ※昇給制度あり 前年度実績あり ※賞与制度あり 前年度実績あり
備考 ※教育・福祉関係の有資格者の方は、資格証をご持参お願 いします 〈コメント補足入力あり〉
受理日 令和元年11月21日
有効期限日 令和2年1月31日
受理安定所 京都七条公共職業安定所
子どもの群れる意味
昔、子どもの遊びは「群れる」ことが当たり前でした。そしてその群れの多くは異年齢集団です。遊びは年上の子から年下の子へと受け継がれ、遊び方やルールも異年齢ならではのものがありました。ガキ大将は年下の子の面倒を見なくてはつとまらず、勝手な振る舞いをすればトップの座から追いやられました。遊びのルールは、年下の子を同じ遊びに入れ「遊ばせてやる」ための特別措置が必要でした。大人が意図的に仕組まなくても、こうした集団の中で他を思いやったり自分たちだけの「掟」やルールを作ったりする体験を積むことができていました。これは学校の「学年別集団」では経験できない、貴重な「文化」でした。
現代を生きる子どもたちの多くは、残念ながら集団の中での振る舞い方を体験的に身につけてきていません。それは彼らの責任ではなく、社会、とりわけ子どもの周囲にいる大人の責任ともいえます。しかし、だからこそ私たちは集団で遊んだり遊びを創造する経験を持たせたいと強く願っています。「群れて遊ぶ」ことの意味や価値を知らしめなければ、今後そうした経験をしないまま大人社会へと巣立ってしまいます。
以前、ギャングエイジについて書きましたが(11/7「9歳の壁」「10歳の節目」)、同世代で群れるのと異年齢で群れるのではその構成論理は全く違います。同世代で群れの原理は排除と強者の論理ですが、異世代の群れは多様性の享受であり弱者の擁護と公正の追求です。いじめが仮に生じても、長期化しません。必ずトップが介入して、不正を修正するか排除します。だからこそ従う子どもたちの憧れは強固なものになるのです。そしてそれは細部にまで模倣されて群れの存続につながります。異年齢集団は、民主主義や道徳のあれこれの小難しい理屈を並べなくても、人として何が価値ある振る舞いかを体現します。そこに大人も学校も必要なかったのです。私たちは、この子どもの自然を回復するためにだけ役割があると言っても過言ではありません。
前思春期
「思春期」と聞くと、ティーンエージャーの時期と思いがちですが、実は、小学校の中学年あたりから、助走は始まっています。「今までは学校や友達のことをよく話してくれたのに、最近はなんだか無口。こちらから聞くと、なんだかめんどくさそうで無愛想になった」「きちんと整理整頓するタイプだったのに、最近では部屋や机の上が物置状態!」「最近、まわりの目をすごく気にするようになった」……。それまでは純粋で元気な子どもだったのに、小学生4年生あたりから子どものこんな変化を不安に感じる大人は多く見られます。そろそろ思春期の前触れ「前思春期」なのです。
一口に思春期といっても、年齢によってその表れ方に微妙な差があります。個人差はありますが、第二次性徴がはじまるのが9、10歳ごろ。ホルモンの分泌が盛んになり、成長へ体力が取られて、体内バランスが崩れやすくなる時期です。また、心理の面から考えると、自我が芽生えるのも10歳前後です。自我が芽生えると、幼い万能感が薄れて、現実が見えてきます。正式な思春期の一歩手前を「前思春期」と呼びます。
不機嫌だったり、イライラしていたりと思春期特有の態度は、体内の変化に要因があります。性ホルモンや成長ホルモンといったさまざまな脳内物質の分泌が活発になると、体調も不安定になりがちなのです。とくに、11、12歳くらいは体や脳が急激に発達する時期。思春期のはじまりです。感情中枢も刺激を受けて、イライラしたりだるくなったりと、本人もどうしたらいいかわからないくらい不安定な時期です。
さらに、自我の発達により、自分とほかの人との間で大きく感情が揺れ動く体験をするのもこの時期です。友達と自分を比較して、自分の実力を実感することで自信をなくしたり、自尊心がぐっと低下することもあるでしょう。少し先を想像する力もついてくるので、さまざまなことへの不安を感じるようにもなります。だから、小グループをつくって、徒党を組んで行動したがります。小さな集団は形を変えつつもその構成員である子どもは属性を拠り所とします。逆に友達のいない子どもは一気に所在がなくなります。高学年時にはどの集団にも属さず独りぼっちだったというASDの子どもは少なくありません。これはASDの子どもは徒党を組むことに関心が少ないからでもあります。
とにかく、思春期前後の子どもはかなりハードな環境にあるのだということを、大人はまず認識しておきましょう。子どもだって、好きでイライラしているわけではないのです。いろいろしんどくて、大変な時期なんだなと大人が知っておくだけで、対応もずいぶん変えられるはずです。大人が理解していれば、子どもの不愛想な態度にいちいち腹を立てることがありません。よけいな言い争いも回避することができます。この時期の子どもに、大人にぜひやってほしいのは、言葉に頼らず、子どもをよく見て観察することです。表情や部屋の様子など、さりげなく見守ってあげましょう。自尊心がぐっと低下しやすいときなので、なにかひとつでも子どもが得意なこと、頑張っていることに注目してください。子どもが、自分はこれが得意だ好きだと確認することで、励みになります。
体が変化することは自分の意思によるものではないので、子どもは不安で仕方ないのです。この不安をとりのぞくには、「知識」をつけてあげることです。体の変化はなぜおこるのか、なぜ気分が晴れないのか。それが成長の一過程であり、生理的な現象であることがわかれば、子どもの不安はかなり解消されるます。無邪気だった低学年の頃に比べて、なんだか憂うつ。この年代の小学生は、いつもブルーなのです。思春期は、大人ばなれ、子ばなれの時期。それまでの子育てをシフトする機会でもあります。子どもは大人と少しずつ距離をとり、自分の世界を構築していくので、大人と話したくなかったり、話したくないことが出てくるでしょう。大人の干渉がうっとうしいのも、ある意味健全な成長の証拠です。