みんなちがってみんないい
博報賞
障害特性考慮し性教育、高評価国分教諭に「博報賞」
2020/10/30 16:30【静岡新聞】
優れた教育研究や実践活動に取り組む学校や団体、個人を顕彰する第51回博報賞(博報堂教育財団主催)の受賞者がこのほど発表され、県内から清水特別支援学校の国分聡子教諭が奨励賞に選ばれた。
国分教諭は知的障害や発達障害がある思春期の児童・生徒に性教育を20年以上実践する。「すてきな大人になろう」を合言葉に単元学習や個別指導を展開。障害特性を考慮した独自の教材教具を開発し、子どもたちが安心して思春期に起こる体や心の変化を学べるよう注力している。
また指導の工夫や成果をデータ蓄積し、教育現場で共有する仕組みを構築。教員同士で性教育への共通理解を深めるのに貢献し、子どもの生きる力を育む持続的な取り組みとして高く評価された。国分教諭は「性関連の情報が世にあふれる中、子どもたちに正しく生きていける十分な知識を伝える活動に今後も励みたい」と語った。
今年の博報賞には20個人・団体が選ばれた。
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その中に京都で受賞した「博報賞」がありました。
障がいのある生徒が、多くの仲間と「共に生きる」ことを目指して
京都市立朱雀中学校
活動内容
障がい理解推進と、他者の良さを探し認め尊重できる生徒の育成
盲学校小学部に通う弱視の児童が、「地域の中学校で多くの人と過ごし、さまざまな経験をしたい」と、希望したことをきっかけに、本校、盲学校、朱雀中学校区の小学校と連携。6年生時から交流学習や体験入学などに校区の児童たちと参加して、スムーズな進学につなげた。
入学後は、全教員がさまざまな立場から当該生徒に関わる体制を構築し、本人が取り組みやすい方法を盲学校の教員にアドバイスを求め模索しながら、教科によって柔軟な配慮に努めている。また学習面では、「障がいのある人と共に生きる」をテーマに、視覚障がいの見え方体験や困り感・想いを共有する人権学習、テーマを踏まえた地域調べを総合的な学習の時間で行うなど、障がい理解を深める活動に全生徒・教員で取り組んでいる。
仲間として共に過ごすうちに、「何でもやってあげよう」と気遣い・気遣われる関係から、本音を言い合える対等な関係に変化。障がいも一つの個性と捉え、一緒に行事を楽しむための方法や活動を生徒たちが考え出すなど、大きく成長した。さらに、他人のいいところを探し、認め、褒める「今週のきらりさん」活動が生徒らの自己有用感を高め、認め合う言動を習慣化。学校全体で多様性を寛容する精神を育んでいる。
審査委員より
特別支援学校(視覚障がい)小学部卒業後に、公立中学校に入学した弱視生徒を対象として、本人の想いと保護者の願いを踏まえた上で、特別支援学校からの助言・援助のもと、全教職員が障がい理解を深め特別支援教育の専門性を高めながら、工夫された独自の教育実践を展開している。また、この中学校で学ぶ生徒が、障がいがある生徒と共に学校生活を送ることによって、人間性豊かに成長していく姿が顕著である。インクルーシブ教育システムの充実に向けた新奇性のある先駆的教育実践であり、今後、他の学校への波及も大いに期待できる。
https://www.hakuhodofoundation.or.jp/prize/
心の成長を妨げないために
心の成長を妨げないために… 決断した薬の投与 副作用も見極め上手に付き合う
10/30(金) 12:11【朝日新聞EduA】配信
発達障害の診断を受けると、程度や困難にもよりますが薬を勧められることがあります。発達障害がある子どもへの対応は、周りの理解と環境調節が第一となりますが、それだけでは追いつかない場合の一つの方法です。必ず薬が必要なわけではなく、その人の状態や環境により薬がなくても大丈夫な場合が多いと聞いています。
もちろん薬が必要かどうかの判断は医師がすることですが、向精神薬の投与については様々な偏見や不安も付きまといます。ましてや自分自身ではなく子どもに飲ませるのです。その決断は親がすることになります。
私も最初は随分と悩んだ上での決断でした。私と同じくお子さんへの投薬に悩む方は多いと思いますので、一つの事例として我が家の経験談をお話ししたいと思います。
娘はADHDと自閉症スペクトラムの診断を受けています。多動と衝動、不注意があり、4歳で診断された時には親子ともども疲弊しきった状態でした。そこを緩和するべく、最初にリスペリドンという抗精神病薬の投与を勧められました。興奮を抑え、刺激の受けやすさを和らげてくれる薬です。
診断がついてまだ間もない頃でしたので、私もほとんど知識がなく、子どもに飲ませてよいものかどうか、随分と悩みました。ネットで調べると依存症や怖い話がたくさん出てきます。10年以上前なので今のように発達障害に対して正確な医療情報がネット上に少なかった時代でした。主治医の先生は私の不安に一つひとつ答えてくれ、無理に勧めることもなく、時間をかけて現在でわかっていることを正確に教えてくれました。
もちろんお薬ですので、どんなものでも絶対安全はありません。胃薬だろうが痛み止めだろうが、場合によっては副作用、まれに重篤な副作用が起きる可能性もあります。主治医に何度も相談しながら半年くらい考えた末、娘に薬を飲ませることにしました。
最大の理由は娘の飛び出しです。衝動性の高い娘は道を歩いていても、車道側に気になるものがあれば(たとえば草花)、何も見ないでいきなりとんで行きます。頭で考えればそれが危険であることは知っています。車にひかれたらどうなるかも知っています。それでもその瞬間は気になるもののことで頭が埋め尽くされ、飛び出てしまうのです。
外を歩くときは常に手をつないでいたので引っ張り戻すことが出来ていましたが、一生そういうわけにもいきません。何度も何度も話して聞かせましたが、なかなか自分で抑えきれません。就学を控えて、これではいつか事故にあってしまう。下の子の幼稚園と時間が微妙にずれていることもあり、毎日の送り迎えが不可能でした。
薬によって衝動性や授業中の多動を抑えられれば、座っている苦痛も和らげられるかもしれない。そう思って投薬に踏み切りました。リスクもあるかもしれないけれど、娘の命には代えられません。そうして4歳から、娘の頭の中の刺激の受けやすさを静かにしてくれるリスペリドンと、6歳からADHD治療薬(メチルフェニデート塩酸塩徐放錠)を飲むことになりました。
発達障害は生まれつきの脳のタイプ、性質ですので、薬を飲んだからといって治るものではありません。痛み止めやアレルギーの薬のように、効いている間は症状を抑えるというものです。
薬で症状を抑えることによって、落ち着いて学習ができたり、過敏症状を軽減したりできます。繰り返す失敗で自信をなくしたり、叱られたりするシーンも減らせます。本人が少しでも楽に社会生活を営めるというメリットがあります。
もちろん障害によって起きる困難を全て無しにしてしまうような魔法の薬ではありません。最初は変化に驚くこともありますが、決して人格まで変えてしまうような薬でもありません。日常生活で少しでも本人の負担を軽減するために飲んでいます
心の成長を障害の困難によって妨げられないようにする、そういった感じでしょうか。ですので、ずっと継続して薬が必要なケースばかりでなく、成長の過程で一時的に薬でコンディションを調整する場合も多いそうです。多動に関しては小学校高学年くらいにおさまるお子さんもいると聞きました。実際に周りのお子さんを見ていてもそのようなタイプは多いと感じます。
うちの娘に関しては、多動は今のところおさまる兆候はなく、おそらく一生続くものかと思われます。よく考えれば、娘とそっくりな性質の父親は多弁多動で不注意だらけです。我が家の場合はどうみても娘と父親の特性が似ているので、この先も薬と付き合っていくことになるだろうと思っています。
同じ薬でも効果には個人差
発達凸凹の子の中学受験
子どもに継続して向精神薬を飲ませることに対して、賛否両論あることは知っております。これは我が家の場合の話であって、すべてのケースに投薬を勧めるわけではありません。
時折、学校から投薬を勧められるケースを聞きますが、向精神薬はあくまで医師の判断で処方され、本人のために飲むものです。結果として集団生活に適応しやすくはなりますが、周りの都合で集団生活に適応させるために飲ませるものではありません。
ADHD治療薬(メチルフェニデート塩酸塩徐放錠)に関しては、依存症を心配される方も多くいらっしゃいます。私もその点は非常に気にしていました。
娘は現在15歳。6歳から飲み始めてもう10年が経とうとしています。それでもいまだに声をかけないと、薬を飲み忘れて学校に行ってしまいます。依存のかけらも今のところ見られません。私の知っている範囲に同じタイプのADHD治療薬を飲んでいるお子さんや成人の方は数多くいますが、依存になった話は聞いたことがありません。
副作用として代表的なものが食欲減退で、成長期においては体重の増え方などのチェックが必要です。娘も薬が効いている間は食欲が落ちたので、主治医の承諾のもと休日や長期休みに休薬をして体重のコントロールをしていました。娘にはこのタイプのADHD治療薬とリスペリドンの組み合わせはとても合っているようです。今ではADHD治療薬も種類が増えてタイプによって色々と試せるようになっています。
一方、2歳で自閉症スペクトラムの診断がついた息子は、特に投薬を勧められることもなくきていました。ところが、就学してから刺激の受けやすさが強くなり眠れなくなるなどの症状が出てきたため、リスペリドンを飲むようになりました。しかし、副作用の食欲増進で急激に太ってしまったので、他のタイプの抗精神病薬に変えたのですが、今度は理由なくイライラが激しくなり断念。効果は見られたのですが副作用との釣り合いが取れませんでした。今は不安を抑えるためにSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)と呼ばれるタイプの抗うつ薬を飲んでいます。
多動は一切なかったのですが、不注意が激しく、ランドセルを玄関に忘れて手ぶらで学校に行くような子でした。ADHDが併存していたことから一時は娘と同じタイプのADHD治療薬を処方されたこともあったのですが、こちらもイライラが出てしまい中止しました。同じ薬であっても効果も副作用も非常に個人差があり、一概に「この障害だからこの薬」とはいかないもののようです。
投薬はごく少量からスタートし、効果や副作用の様子を見ながら丁寧に調節をしていきます。合う薬、合う量を見つけるには何カ月もかかることもあります。子どもの場合、体が大きくなることや学校など環境が変わること、成長によって本人の状態も変化していくので、それにも合わせていかなければなりません。我が家の子どもたちは小さい頃からの投薬ですが、大きくなるにつれて薬による変化を子ども自身が言葉で教えてくれるようになり、本人がどうしたいのか相談しながら調節しています。
私自身は発達障害の診断は受けていませんが、長く慢性じんましんを患っており、原因不明で完治の見込みもなく、ずっと薬で症状を抑えて生活しています。薬のない状態では全身にじんましんが出て、とても日常生活が送れません。
花粉症をお持ちの方で、軽い症状であれば空気清浄機などの環境調整でなんとかなる場合もあるでしょうが、ひどい場合は薬がなければとても仕事や勉強ができる状態でないことはわかっていただけるかと思います。薬を飲まなくてもやっていけるに越したことはないのですが、発達障害で投薬が必要な場合は、花粉症の薬と同じようなものだと私は考えています。
本人にはどうしようもないことを薬で少しでも楽にしてあげられるなら、副作用との兼ね合いも慎重に見ながら、薬を使い、うまく付き合っていきたいと思っています。
なないお:発達障害のある2人の子供を育てるシングルマザーです。2005年生まれの娘(ADHD、ASD)、2007年生まれの息子(ASD)、どちらも受験し公立中高一貫校に通っています。
ブログ「うちの子流~発達障害と生きる」https://nanaio.hatenablog.com
Twitterアカウント @Nanaio627
京都府内文科省調査
いじめ重大事態が増加認知件数は減少京都府内、文科省調査
2020年10月22日 18:15【京都新聞】
京都府内の国公私立の小中高校と特別支援学校で、2019年度のいじめの認知件数は2万2429件と前年度より2412件(9・7%)減ったことが文部科学省が22日に公表した問題行動・不登校調査結果で分かった。ただ、いじめ防止対策推進法が規定する重大事態は公立分のみで、前年度より8件増えて11件あった。
いじめ認知件数の内訳は小学校が2530件減の1万8355件、中学校が151件増の3322件、高校が93件減の531件、特別支援学校は60件増の221件だった。うち京都市は小学校が53件増の1506件、中学校は158件増の1301件、高校は7件減の25件などだった。
重大事態は心身に大きな被害を受けたり、不登校になったりした案件。京都市立学校で7件、同市を除く公立の小学校で2件、中学校で1件、府立特別支援学校で1件あった。同級生から嫌がらせを受けて不登校になったなどだった。
いじめの認知件数は府教委は「嫌な思いをした」といった軽微な事案も認知件数としている一方、京都市教委は軽微な場合は継続的な指導が必要などと判断した場合に集計に含めている。府教委は「認知件数の減少に安心せず、引き続き丁寧な対応をしていく」としている。
暴力行為の発生件数は小中高校の合計で2193件と40件の減少。内訳は小学校が1045件(65件増)、中学校が963件(81件減)、高校が185件(24件減)だった。内容は生徒間暴力が計1409件(41件減)と最も多かった。小学校の暴力行為は特定の児童による繰り返しや、低年齢化が進んでいるという。
高校の中途退学者数は824人と前年度から204人減った。
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小中学校で不登校8年連続増「要因は複雑、喫緊の課題」京都府内文科省調査
2020年10月22日 17:00
京都府内の国公私立の小中学校で2019年度の不登校の児童生徒数は計3400人と前年度より400人(13・3%)増え、8年連続で増加したことが文部科学省が22日に公表した問題行動・不登校調査結果で分かった。府教育委員会は「要因は友人関係や学業、家庭問題など多様で複雑になっており、喫緊の課題」としている。
小学校が970人と前年度から248人(34・3%)増え、中学校は2430人と152人(6・7%)増えた。府内の多くを占める京都市は小学校が427人と169人(65・5%)増え、中学校は1110人と125人(12・7%)増えていた。
調査は病気や経済的な理由を除き30日以上の欠席者を不登校として集計しており、出席日数がゼロの児童生徒は小学校で31人、中学校で80人いた。高校の不登校の生徒数は771人で139人(15・3%)の減少だった。
全国の小中学校の不登校児童生徒数も前年度比10・2%増の18万1272人と増加傾向を示している。
府教委は「(学校以外の学びの場を認めた)教育機会確保法の趣旨が浸透した面もある。各市町に設置される教育支援センターなどで教育の保障もしていく」としている。
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いじめの数が全国に比べて京都が多いのは統計を取ったころからで、小さないじめも見逃さずにカウントするという方針があったからです。暴力事案が増えているのは、根拠ははっきりしませんが、教師の体罰が厳しく批判されたころから増えているような気がします。
不登校が毎年1割増えるとなると8年後には倍に増えます。京都6000人全国36万人となります。武漢風邪で臨時休校した結果、不適応による不登校ケースはさらに増えるとも言われています。京都府6000人というと向日市に通学する小中学生が5000名弱ですから全員学校に行っていないという規模です。
学校でテント泊や肝試し
修学旅行広がる新様式 学校でテント泊や肝試し
2020年11月02日 07:48【岐阜新聞】
岐阜県内の小中学校で、新型コロナウイルスの影響から中止になった修学旅行の代替行事が相次いで行われている。児童生徒らがアイデアを出し合って、校庭に1人用テントを張って過ごしたり校舎で肝試しをしたりと、学校ごとに形の違う、思い出づくりの"新様式"が生まれている。
「夜の学校に泊まってみたい」「1人ずつ分かれてテントに入れば密にならないね」。岐阜市千代田町の長良西小学校ではそんな子どもたちの意見をきっかけに、10月31日から11月1日にかけ、6年生約110人が校庭に家族らと設営した1人用テントで過ごした。題して「修学楽宿(がっしゅく)」。仲間と協力して火起こしをしたり、炊き出しをしたりして楽しんだ。
岐阜市教育委員会によると、市内で修学旅行を中止にしたのは小学校では46校のうち6校、中学校では22校のうち11校だったが、その代替行事は市内名所を巡る遠足や、児童が保護者に学校生活を見せるユーチューブでの動画配信、体育館でのパフォーマンス大会など多様だ。学校指導課の松巾昭課長は「今後は修学旅行の在り方自体が変わっていくのでは」と話す。
美濃市大矢田の昭和中学校でも生徒らがアイデアを出し合い、「夜の学校がわくわくする」という意見から肝試しを敢行。3年生45人が10班に分かれて、事前に効果音や映像などを組み合わせた仕掛けを考えた。当日は生徒4人一組で校内を巡り、真っ暗になった教室に悲鳴が響き渡った。3年生の生徒は「宿泊の旅行がなくなったのは残念だけど、今までにない企画で思い出になった」と笑顔。学年主任の小森寿美教諭は「初の試みで試行錯誤だったが、生徒の思いを後押しできた」と語った。
思い出づくりの舞台を郷土の山に求めた学校もある。土岐市鶴里町細野の濃南小学校では6年生8人が市内最高峰の曽良山(標高712メートル)へ。学校から2時間ほどかけて頂上まで歩き、仲間との絆を深めた。同行した本多直也校長は「これも一つの形。バスで遠くに行かなくても、古里の自然の中で記憶に残る活動ができたのでは」と話した。
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国中がGOTOトラベルだイートだと盛り上がり、メディアは都会の密密状況を報じています。そんな中で、ほとんど感染実害のない田舎の学校が、生真面目にも感染予防策のために修学旅行をやめ、これまたどこが感染予防かと首をひねりたくなる奇策?イベントを実施しています。
小集団で普通にホテル泊の旅行したほうがましじゃないかと思わせるような、学校宿泊、集団登山の報道が、これまた楽しそうに報じられています。建前と現実がどんどん乖離しても、理屈と行動が矛盾していても平気な子どもを育てているような気がするのは私だけでしょうか。ただ、これまで通り修学旅行に行こうが学校で泊まろうが、子どもたちにはほとんど実害がないのは統計的に明白なので、学校が何をしようが目くじらを立てるようなことではないのですが。
学校連絡電子化
学校連絡電子化 教員の負担減につなげたい
2020/11/02 05:00【読売新聞】
学校現場の業務を効率化し、教員の負担軽減につなげたい。
文部科学省が、全国の教育委員会などに、学校と保護者の連絡をなるべくデジタル化するよう求める通知を出した。
多くの小中学校は、行事の参加申し込みや進路調査などについて押印を伴う書類を作り、児童・生徒を介して保護者とやりとりしている。印刷から配布、回収、集計まで手間がかかる上、児童が紛失することも少なくない。
子供の欠席を連絡する際、保護者による電話や、連絡帳を友だちに預けて提出させることを求めている学校もある。慣例的な押印や朝の慌ただしい時間の連絡は、保護者にとっても負担となる。
デジタル化が円滑に進めば、教員の事務作業が減り、その分、教科の研究や授業の準備、生徒指導に充てる時間を増やせるのではないか。保護者にとってもメリットは大きいだろう。文科省が目指す方向性は妥当だ。
通知では、デジタル化の活用例が具体的に示されている。
たとえば、保護者へのメール配信システムがある場合は、教員が連絡事項をメールに添付し、保護者に確実に届けられる。
配信システムがなくても、回答の入力画面につながるインターネット上のアドレスやQRコードを配布物に印刷しておけば、保護者がオンライン上で回答できる。教員が回収や集計の手間を減らすことが期待される。
こうした取り組みは、私立学校が先行してきたが、公立学校でも広がり始めている。埼玉県戸田市では、QRコードで欠席を連絡するシステムが導入されている。
学校や地域の実情に合わせて、準備を進め、できることから始めるのが望ましい。各自治体がシステム構築の予算を確保し、教員や保護者が使いやすい仕組みにしていくことが課題となる。
保護者には、デジタル化の意義や手順を丁寧に説明すべきだ。オンラインでの連絡を敬遠する人や通信環境が未整備の家庭への配慮も不可欠だろう。
デジタル化によって、教員と保護者の意思疎通が希薄になってしまっては本末転倒である。
セキュリティーにも万全を期さねばならない。IDやパスワードによる保護者の本人確認を徹底し、子供や他人がなりすまして使うことがないようにしたい。
通知表など、機微な情報を含む書類をデジタル化の対象にするかどうかは慎重な検討が必要だ。
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昔は保護者とメールやLINEのやり取りをするだけで管理ができないと目くじらをたてる管理職もいました。連絡程度で電話をかけると相手の時間を拘束するし、連絡帳では時間がかかりすぎるし必ず読んでくれるとも限らないし、そういう意味でメールは便利なツールです。ただ、教員の個人アドレスでやり取りすると、クレーマー問題やセキュリティー問題でややこしくなるケースがたまにあるので、学校はこの問題を避けて通ってきた経過があります。
スマホでアクセスできる保護者用のマイWEBサイトを学校側で作って個別対応ができるようになれば双方とても便利になると思います。そうはいいつつも、保護者も職員も簡単に操作できる安全なシステムを導入しようとなるとお金がかかるのも事実です。PTA(一斉)メールを導入するだけで、毎年数万円かかるそうです。PTAのお金から捻出できるので実現していますが学校予算となるとどこから捻出するのかという声が聞こえてきそうです。
実際、放デイで30名ほどの利用者に申込予約から連絡帳管理まで一括して処理するシステムはすでに何社かで開発され売り出されています。年間100万を超える出費も痛いですが、それをうまく使いこなすスタッフも必要です。理屈はわかるのですが実現にはいくつかの壁があります。