すてっぷ・じゃんぷ日記

今日の活動

学びの広場じゃんぷ オープン!!

学びの広場 じゃんぷ 

10月1日オープン!!

「学びの広場じゃんぷ」は、就学前から中学生までの発達障害の子どもを対象に、自立に必要なコミュニケーションスキル、生活スキル、学習スキルの支援をおこなう療育タイプの多機能型事業所です。

発達障害・学習障害のあるお子さま一人ひとりのニーズに応え、得意をいかす指導で意欲をもって学習できる支援を提供します。個別指導での学んだことことを園や学校などの集団生活でも発揮できるように、個別指導と集団指導を組み合わせながら最適な支援を提案します。

また、子ども自身のスキルアップだけでなく、ペアレントトレーニングなどご家族への支援、園や学校、ご自宅などの生活環境での様子にも目を配り、必要に応じて連携を取りながら、子どもが自分らしく生きる力を育むためのお手伝いをさせていただきます。

小学校就学を前にして、適切な集団行動や家庭学習の準備を必要とする子どもと家族のために、そして、思春期に向かう高学年から中学生の時期に自分の特性を知り、それと向き合い、自分に合った学習や生活の方法を探したいと願う子どもたちとその家族のために「じゃんぷ」の扉は開かれています。

阪急西向日駅から徒歩5分の立地ですので、乙訓地域や京都市からも通いやすい教室です。児童発達は親子通所用の駐車場があります。放課後等デイサービスは自主通所を原則とし、送迎は行っていません。

9月中旬より、新規利用・見学についてのお問い合わせ受付を開始しております。詳しくはお電話かメールでお問い合わせください。

電話 :075-874-5170(受付9時から18時まで)

E-mail: manabi.jump20@nifty.com

※教室見学は事前のご予約が必要です。

アンガーマネージメント(怒りの鎮め方)

Yさんは、相手が小さな子どもでもカッとなってしまうと後ろに引けずけんかになってしまうという報告がありました。それは、怒りのコントロールをトレーニングしてはどうかという意見がありました。

アンガーマネージメントは、人によって自然に身につく人もありますが、学んだほうがうまくいく場合があります。子どもの場合は、大人と一緒に学ぶのがいいと思います。

子どもが「怒り」のサインを見せるのは3歳ころからですが、実際にアンガーマネジメントが使えるようになるのは5才からと言われています。5才から8才にもなると、怒りは自然な感情であり、他人を傷付けたり怒らせるためにあるのではない、と理解できます。でも子どもには子ども向けのアンガーマネジメントテクニックがあります。

1.タイムアウト(その場を離れる)
子どもが怒っていたりムカムカしていたら、タイムアウトを教えましょう。小学生の子なら、数分間その場を離れさせて自分を取り戻させます。深呼吸をさせて、何が原因で怒っているのか考えさせましょう。子どもに「あなたは怒りの奴隷ではない」「怒りお化けを追い払おう」と教えます。

2.問題解決
5才にもなると、どちらかが勝ってどちらかが負けるwin-lose、二人とも負けるlose-loseといった結論以外に、両者にとって望ましい結果を得られるwin-winという状況を理解できます。友達と争いが生じたら、相手と話し合ってお互いがハッピーになれるように、話し合いを持つ事を勧めます。

3.大人に話す
子どもが怒りを感じた時、一番理想的なのは誰か大人に気持ちを話す事です。先生や親が子どもの話を整理してあげる事で、子どもが友達等に自分の気持ちを伝えるお手伝いをします。子どもには、自分の気持ちを表現する大切さを教えます。

4.絵カードを使う
5才でまだ文字がうまく読めなかったら、様々な種類の「感情カード」のセットを使います。小さい子どもは、怒っているように見えて、実はその感情が恐怖だったり混乱だったりします。子どもが怒り出したら感情カードを見せて、自分の今の気持ちを選ばせて下さい。

5.ストーリーにする
この年齢の子どもだと、まだ自分の怒りの感情をただちに捉える事ができないかもしれません。このような時、子どもが好きなキャラクターを使って、そのキャラクターが上手に怒りの問題と向き合っているお話を聞かせてあげるのも有効です。

 

医療連携

X君がお母さんに計算は努力してできるようになるもので、電卓使って宿題しても努力にはならないと言われた事がありました。X君には知的な遅れはなく、集中力が短いので短期記憶や空間把握が苦手で、計算したり書いたりすることが困難になっているようです。計算ができないのは本人の努力が足りないせいではないとお母さんに話しました。

また、X君は低学年の宿題がいまだに困難な結果、自分のことを否定的に考えてしまい学習性無力感に苛まれていることも伝えました。そこで、計算ができるかどうかはわからないけれど医療の支援を受けてせめて注意集中の短さが服薬によって改善しないか受診を勧めました。自分の特性について学習するサポートも必要なことを話しました。

実は、以前も同じ話をして、受診を促してみたのですが、受診はされませんでした。お母さんの話によると、低学年の時、学校から同じように促されて精神科医を訪ねたけれども、病院の先生は話を聞いているだけで何もしてくれなかったという苦い経験を話してくださいました。

親にしてみれば、障害が疑われるからと受診を勧められても、そう簡単には腰は上がりません。家の姿と学校の姿も違いますし、なんと話せばよいかもわかりません。勇気を振り絞って病院に行っても、親や本人からの困り感が医師に感じられなければ「様子を見ましょう」と言われるのはよくあることです。

親に強い困り感がない時、学校や施設が受診を勧めるなら、親と一緒に同行する専門サポーターが必要だと感じます。多くの保護者と関わる中で、このニーズは大変高いのではないかと感じています。字が書けない、計算ができないことが病院と結びつくとは普通は考えないからです。

しかし、お医者さんにしてみれば、「外野」は黙れと思うかもしれません。それは、症状(障害)名を背負うのも、服薬の副作用を引き受けるのも当事者と家族だからです。善意とは言え、他者が手伝うのは限度があるという意見もよく分かります。

ただ、眼鏡はかけて見ないと役に立つかどうか当事者には分からないのも事実です。薬とメガネ一緒にするなと怒られそうですが、メガネだって調整していなければ目に害で苦痛しかありません。と考えていると、堂々巡りです。

学校から送られてくる視力検査表や尿検査表等と「専門医にご相談ください」という通知を訝る親がいないように、学習症(障害)についても同じような仕組みにならないものかと思います。

言葉が喋れるからPECSはいらない?

Wさんが、おやつPECSを始めようとするとBOOKを投げて拒否するとスタッフの報告がありました。そして「おやつください」と言えるのだから、もう嫌がるPECSは取り組まなくても良いのではないかという話です。

カードを投げたりBOOKを投げたりするのは、それが出てくると不利益が起こるからです。あるいはそれを投げると要求が叶うからです。カードを投げた時のシチュエーションは他の子がおやつタイムなのに自分はPECSだったといいます。PECSの練習はおやつ食べるための手段ではありません。たまたま、おやつが好きだからPECSの練習に使っているだけです。WさんのPECS導入の理由は、要求を叶えるために大声を出す噛む、暴れるという表現なので、機能的コミュニケーションを教えるためでした。

今回の拒否は、おやつの時間に他の子は自分のお皿からとって食べているのだから私もそうしたいという「以前の」表現だったかもしれません。つまり、まだまだ機能的コミュニケーションは獲得されておらず、カードのやり取りの「形式」を学んだ段階ではないかと思います。叫べばおやつは出てくるのですから、カードが便利だとはまだ感じていないようです。

なんのためにPECSをしているか?言葉が喋れても大人ではなく、冷蔵庫に向かって大声を出しているだけではコミュニケーションとは言えません。言葉をしゃっべているかどうかが基準ではなく、対人機能的に言葉でもカードでも使えているかどうかです。しかし、ブックを投げつけるとは困りました。保護者の同意があるとはいえ、すてっぷ以外はPECSに取り組んでいないという弱点を抱えつつではありますが、エラー修正の良いアイデアを探したいと思います。

家庭環境

子どもの不安症や不適切な行動の理由に家庭環境を要因とすることがあります。子どもの様々な行動の理由には、親や家庭環境が影響していることは当然です。しかし、それを家族のいない場所であれこれ詮索して議論しても子どもの行動が変わるわけではありません。むしろ、自分たちの対応のまずさを覆い隠してしまうことのほうが多いと感じています。

障害や発達、家庭環境などを正しく知っていることはとても重要ですが、問題はそういう背景を抱えた子どもたちとどう向き合っていくかが、サービス機関の役割です。もちろん、すべてが解決するわけではなく、現在のスタッフの力量や現状のサービス環境では困難ということもあります。それでも、障害やハンディーキャップは本人や家族の責任ではないし、置かれた家庭環境も家族のせいにしてもしかたがありません。必要なのは本人にも家族にもどのような支援がいるかということにつきます。通所している本人や送りだしている家族へのリスペクトこそ欠かせないものだと思います。