すてっぷ・じゃんぷ日記

今日の活動

再びスケジュール考

スケジュールについては「9/19効果のでないスケジュール」や「5/30視覚支援」で述べましたが、その趣旨は、大人が子どもを管理するためにするためのものではなく、支援を受ける側の方々が、理解しやすく、不必要な混乱をしない、つまり、生活の主人公になるために行うものです。

そのほかにもスケジュールによる視覚支援は、短期記憶の弱い人の記憶の代わりになり、作業や学習を進めるにあたっていちいち人に頼らなくても、自分で自立してすすめられるという利点があります。つまり便利なのです。

ただし、やりたくもない課題、必要性を感じない内容については、いくら手順を示してもやりたくないものはやりたくないのです。つまり主人公たる本人のやりたいことが、自分の力で実現できるから、スケジュールをはじめとする視覚支援を本人が使おうとするのです。自分にとってメリットがあるから使うのです。座らせたり、片づけさせられたり、準備させられたりするためにスケジュールは使われるのではありません。それは、ABAの理論に基づいた動機付けの工夫が別に必要です。スマートなスケジュール支援はそこまで考えた総合的な教育支援になっているものです。

 

見学・体験会

最近、次年度や新学期に向けての見学・体験会が当事業所でも開催されています。本日は低学年女子が体験に来ました。一緒にストラックアウトを取り組むことになった女子のNさんは、とても嬉しそうです。

何しろ当事業所の女子率は3割いないので毎日になると一人か二人、低高学年の区別まで入れるとほぼ一人の日もあって、ガールズトークができないという弱点があります。女子低学年の皆さんどうぞ見学にお越しください。

一人でできることの大事さ

以前「就労メニューとワークシステム8/9」でプットイン課題について紹介しました。認知の障害の重い人や、目と手の協応が苦手な人でも取り組める初歩の自立課題であることを述べました。

最初は大きな重さのあるものを穴に入れるだけの課題から、徐々に軽いもの、小さいもの、薄いものへと進んだり、大きさの違うものを入れ分けたり、形の違うものを入れ分けたり、時間を長くしたりして発展させていきます。

よくある光景は、プットイン課題を勉強を教えたり指導のように考える方がいます。こういう方は、自立課題の意義そのものを間違えていて、ゴールが見えていません。自立課題は、自立して作業する気持ちよさを教えることが目的であって、ステップアップして難しいことをさせることが第一の目的ではないということです。一人でできる喜び、自分だけの力で達成する喜び、「GOOD JOB!」「おつかれさん」と言ってもらえる喜びを教えるのが自立課題なのです。そのために、子どもにわかりやすい作業をしてもらうために手を変え品を変え課題を作っているのです。

10ピースのパズルができたから20ピースのパズルを与えるのではなくいろいろな種類の10ピースのパズルが一人ででき気持ちのいい終わり方ができることが大事なのです。ゴルフボールが入れられたら、ピン球も入れられ、ビー玉も入れられ、という幅を広げる展開を考えてほしいです。

 

キックベースボール

キックベースはボールを遠くに飛ばせる人こそがスターです。キックベースにおける正しい蹴り方=飛距離の出る蹴り方です。もちろん、狙った位置(人のいないところ)に正確にボールを飛ばすの技術も必要ですが、まずは、初めてキックベースを経験する子どもには飛距離が重要です。遠くに飛ばせたほうが、やっていて楽しいからです。

ボールを遠くに飛ばす蹴り方は、インステップキックです。足の甲(足の一番硬い部分)で蹴るので、蹴る時のインパクトが強くなり、飛距離を稼げます。まず大事なことは、ボールの「真ん中」に足の「甲」を当てるというイメージが大事です。スイング打はなんでも、ボールの打点から最後まで目を離さないことが大事です。インステップキックも、自分の足とボールの中心を最後までしっかり見据えたまま、蹴ることが大事です。とりあえず、助走は走る事と蹴ることの調整が難しいので、助走はあとからつけます。ボールも制止したままからはじめます。ボールの真ん中を足の甲で蹴る(というより「叩く」といった感覚がコツです)目は足から離さない。この一連の流れを掴むことから始めます。甲で叩く感覚で蹴れるようになったら助走です。

助走するときは、真っ直ぐではなく、斜め45度くらいからボールに入るほうが蹴りやすいです。真っ直ぐ転がってきたボールに対して、真っ直ぐ向かって蹴り抜くのは蹴りにくさを感じるため、多くの人は斜めから入ったほうが、やりやすいです。蹴る瞬間は、足首を固定したまま(力を入れたまま)にする。足首がふらふらしていると、ボールに伝わるインパクトが弱くなるので、遠くに飛びません。足の甲にボールが当たった後は、そこで動きを止めずに、勢いそのままに、しっかりと足を振り抜きます。インステップキックは、狙った位置に正確にボールを飛ばすのは難易度が高い蹴り方ですが、とりあえず遠くまで飛ばしてキック力に自信を持つことが大事です。

発達障害中高生の放デイ事業展開は難しい

本法人ででは、夏から、通常の学校に在籍する高学年や中高生の放デイを立ち上げるべく職員を募集していましたが、現在まで人材が見つからず、当面次年度は新しい事業所は立ち上げられないと判断しました。

そのため、通常学校の小学生の利用は小学校在学中として、新入生の入所ニーズに応える方向で考えています。つまり小学校卒業と同時(3/31まで)にすてっぷも利用契約終了とします。

小学校を卒業したからといって、発達障害のある中高生の放課後のニーズがなくなるわけではありません。むしろ、同じニーズを持つ仲間の居場所として、自己理解や社会性の育ちの場として、今日ますます必要になっていると言えます。私たちとしては、今後も鋭意努力して人材さがしを続けていくつもりです。お知り合いにこうした志をお持ちの方がおられましたらぜひご紹介ください。