すてっぷ・じゃんぷ日記

今日の活動

めざせ読み名人!!

じゃんぷでは読み指導の一環として「MIM(ミム)」を用いた指導に取り組んでいます。MIMについての詳細は省きますが,興味のある方は調べてみてください。

文字を読むことが苦手な子にとって,長音,拗音,促音が入る言葉はひらがなで習った読み方とは違う読み方をしたり,或いは読まなかったり等更にややこしいことになります。

特殊音節の読み方が定着しないまま学習が進むとことばの書きにも影響が出てしまいます。子どもはますます自信をなくし,読み書きが嫌いになってしまいます。

ただ読むだけではなく,言葉を読むときに手を叩きながら読む,という練習をしています。「清音,濁音,半濁音は手を叩く,促音は手をグーに握る,長音は合わせた手を下に伸ばす,拗音は手をねじって叩く」といった規則を作り,一文字ずつ読んでいく練習をしています。その練習が重なったら「①かけこ ②かけっこ ③かっけこ」と書かれたカードを見せ,正しい読み方の番号を言ってから読む,という練習もしています。

じゃんぷに来ている子どもの中には「これ楽勝や!先生聞いててな!」と自信満々に取り組みを始める子もいます。もちろん向き不向きはありますが,読み指導の一つとして紹介をします。

疲れた…

じゃんぷに来た子どもたちの顔つきが少し疲れている様子でした。新年度になって,6時間授業が始まったこともあるのでしょう。その中でも疲れやすいB君ですが,個別学習の時間は張り切って勉強をしています。カタカナ書きの練習は普段ハ行までですが,「今日はマ行まで書く!」と言って頑張って取り組みました。

しかしそれで力を使ってしまったのか,自立の時間のスケジュール(宿題)を見るとどんどん顔が暗くなっていきます。漢字の宿題はなんとか頑張りましたが,計算ドリルの宿題は「もうできないよ…」と言って床に寝そべってしまいます。計算ドリルの宿題は逆算(5×□=20 □の数字を求める)の問題が20問で,単純な九九から少し考えないといけない問題でした。普段のB君なら一人で取り組める問題ですが,疲れている状態なので見ただけで嫌気が差したのでしょう。

「〇分まで休憩する。」「〇時になったら始める。」という約束で休憩し,宿題に取り組みました。

子どもの辟易性(うんざりする,嫌気が差す)を軽んじず,その子の状態に合わせて支援をしています。この日は「問題は先生書くし,答えだけ書いたらいいよ。」としました。最後に「出来たね!」と声をかけるととても良い笑顔を見せてくれました。

お話がしたい!

じゃんぷに来ている3年生のA君は個別学習の時間,初めに「A君の話したいことを話す。」という時間を設けています。

A君は「暗黙の了解」のような目に見えないルールを感じ取ることが難しく,喋りたいことが思いつくとどんな状況であろうと話を始めてしまいます。

なのでA君は「ちょっと話したいことがあります。」と言う練習と,スケジュールの中に「A君のおはなしタイム」というものを作っています。お話をすることと,切り替える時間を視覚的に示して個別学習の時間に取り組んでいます。

決められた時間お話をし,スケジュールを示しながら「じゃ,勉強しよっか!」と指示されると,「わかった!」と言って黙々と学習に入ります。その時に「よく出来たやん!終わったらまた話聞かせてな。」と褒めています。時々「先生、あのな~」と話し始めることもありますがスケジュールを見せて「また話せる時間あるからね。」と示すと「そうだった!」と学習に戻ることが出来ています。

本人がわかるスケジュールを示すことと,それが出来た時に褒めることは学習の場面でも活用できます。先日A君は工作の話をしてくれました。次はどんな話が聞けるのかな?

巣立ち

R3年度も今日で終わりです。昨日すてっぷを卒業した子どもが早速すてっぷに顔を出し,「約束通り遊びに来たで!」と元気に挨拶をしてくれました。今年度は小学生が3名,支援学校高等部生が1名すてっぷを卒業します。

支援学校の子は場面切り替えで混乱しやすい子どもでした。「みんなと公園に行こうね。」「今から設定遊びだよ。」等,場面が切り替わることがしんどく,「嫌!しない!」と大声を出していたこともありました。スケジュールを確認し,視覚的に事前予告をし,自分の好きな音楽を聴きながら等少しずつ,ゆっくり場面を切り替えてきました。ゆっくりでもスケジュール通りに動けたことに対して褒めることを積み重ね,穏やかに切り替えることが出来るようになりました。すてっぷ最後の日は名残惜しそうにしながらも「バイバイ!」と元気よく手を振ってくれました。

小学生はそれぞれ違う道を進みます。2名は続けて同法人のじゃんぷにも通所しますがすてっぷの友達とはお別れです。「これからも遊ぼうな!」と先日約束をしている姿を見ました。私がすてっぷに来た頃,「みんな違う学校なんやからまとまるわけないやん!」と言っていた姿とは大違いです。支援学校の友達にも「また遊ぼうね。」と挨拶をしていました。4月から中学生です。大人への道を少しずつ歩んでいく彼らの背中はとても頼もしく見えました。

職員一同,どの子からも学ぶことが多くありました。卒業したみんな,次の場所でもたくさん活躍できると思います。元気でね!また会いましょう!

理由を教えて

X君が怒っているのでどうしてか聞いてみました。要はゲームを職員に突然終わらせられたと怒っているのです。X君達は活動が終わってすてっぷに戻り,おやつ等も済ませて職員の許可を得てタブレットPCで遊んでいました。なのに,突然職員から「16時までタブレットはやめなさい」と言われて怒っているのです。

X君達の怒りの原因は、手続きを踏んでタブレットPCを使っていたのに突然「やめなさい」と言われたからだと言います。16時までなぜやめる必要があるのかがわからないという事です。

職員にしてみれば、早く帰る子どもが帰り際にタブレットをしたいと言い始めると困るので、全員一斉にやめてほしかったのです。しかし、その説明ができていませんし、タブレットを渡した時にも約束しておらず、彼らにしてみれば突然の「力による現状変更」をされたわけです。

X君には「理由がわからなかったんでしょ?怒る前に『何故ですか?』って理由を聞くことが大事だよ」と教えました。勘違いをしてそのまま誤解し続けることが多い子どもなので「わからないときは聞く」ということが大事です。

子どもが理解できるように伝えていない職員側の問題もあります。X君達はゲームをしている最中だったのでちゃんと聞けていなかったのでしょう。子どもに指示を出す時はその指示が入る状態になっていることが大事です。言葉でわかる子でも,ゲームと職員指示の二つのことを同時に処理することはできません。手を止めさせる,静かな場所に呼んで理由も含めて話す等様々な手立てが必要な子どもたちです。

「言った!」「聞いてない!」と子どもと大人が言い合っていたら療育の場とは言えません。子どもたちには「指示の理由がわからない時は聞く」というスキルを教え,職員には「子どもに指示を出す時の配慮」は療育の重要事項として確認していきたいと思います。とは言え,この日記をよく読んでおられる方なら「それ、何回も書いているよね」と言われそうです。不適切指示を槍玉にあげてばかりで,適切な指示を皆で賞賛をしていない結果だと、今度の職員会で話す必要がありそうです。