今日の活動
段ボール倒し遊び
Qちゃんは物を掴んで投げたり倒したりする癖のある子どもです。手持ち無沙汰になるとおやつの皿やゴミ箱を倒そうとします。
しかしQちゃんに口頭で注意しても理解してもらうことは難しいです。倒されては困るものは周囲には置いておかないようにします。倒すのが楽しいならそれを遊びにできないかと思い,安全な段ボール箱を積み,「この中の段ボール箱なら好きに倒してもいいよ。」という空間を作りました。Qちゃんははしゃいで段ボール箱を次々に倒し,職員が直すとまた倒しに行きました。
いつも止められている遊びを決められた範囲で「やってもいいよ。」ということだったのでQちゃんは大喜びです。
どうせならこれを更に発展させられないか,と思いました。Qちゃんはボールを投げることが出来るのでボールのやり取りをしたり,少し難しいものだと他の子どもがスポンジブロックを使いピタゴラスイッチ的な装置(もしくはドミノ)を作り,スタートをQちゃんが倒す…等々
それを見てQちゃんが喜ぶかはわかりませんが,他の子どもと交流する機会にもなるので一度試してみようと思います。
工作楽しい!
先日は支援学校の子ども達と工作をしました。一般的に「ぴょんぴょんカード」「飛び出すびっくり箱」等という名前で呼ばれているおもちゃを作ります。
子ども達がどのように切ったら良いかわかるようにはさみで切るところを線を引いて支援をしました。Uちゃんはぴょんぴょん跳ねる紙パックがとても面白かったようで意欲的に取り組んでいます。
この工作では紙パックを「途中まで」切る工程がありますが,Uちゃんは「線が書いている所は全部切るんだ!」という理解なので途中まで切る所も全て切ってしまいました。
幸いパニックにならず「もう1個作ろうね。」と促し,次はUちゃんと一緒に「ここまでだよ~」と一緒に切り,おもちゃを完成させることが出来ました。
工作の時は一つ一つの工程を写真や動画で指示し,スモールステップで進めようと思います。特に支援学校の子ども達にはそういった支援が必要です。次は「パッチンカエル」で子ども達が「工作楽しいね!」と思える活動をしたいと思います。
できない事だけに注目せず、できる事から始めよう
Y君は注意転導が激しく多動な子どもです。じっとすることが苦手なのか座っておやつを食べている時に突然立ち上がって部屋の中を一周したりします。
設定遊びでストラックアウト(的当て)やボウリングをする時,友達の番の時は座っているのですがY君はそれが苦手なので走っては「座って待つんだよ」と注意を受けます。そしてその繰り返しとなってしまいます。
では必然的に動く役割を与えてはどうかと思い,ボウリングの時に「(Y君も含めて)みんなが倒したピンの数を数えて報告してくれないかな?」と役割を伝えました。これだと座る時間も短くなり,動くことにも必要性が出て来ます。Y君は数字にも興味があるのでピッタリだろう,と思いピン数えの役割を作りました。
Y君は見事に与えられた役割を果たしてくれました。ピンを数えないといけないのでしっかり友達が投げている様子も見ています。ピンが倒れると「1、2、3…」と数えて報告もしています。皆で「Y君ありがとう!」と褒めることが出来ました。
もちろん座って待てるようになることも大事です。今はY君に合った役割を与え,その中で座ることが出来た時に評価を重ねていき,少しずつ座れる時間を伸ばしていきたいと思います。
神の足
(ランニング : 01/31 )で取り上げたX君はすてっぷに来た日は必ず10分~20分程走っています。走るのはとても好きなようで,極度の指示待ち(分かっていても指示がないと動けない)になっているX君も走るときは指示がなくても自分から靴を履きます。
先日は練習の成果を見ようと,すてっぷから久世橋まで走りました。距離にすると片道約4.5km。往復約9kmの道のりです。初めて走る道だったのでX君も不安かな…と思ったのですが,信号以外ノンストップで軽快に走りました。
X君は約9Kmの道を1時間30分で走ることができたのには驚きました。男性の10Kmの平均タイムは62分です。X君なら練習を重ねれば軽く超えていくと思います。
小さい時は親の目を盗んで走っては行方不明になり,注意ばかりされていたX君にとって「走って褒められる」ことは真逆です。「早いね。すごいね」と褒められても「なんのこと?」と最初は意味が分かっていない様子でした。最近ようやく意味がわかってきたようで走れない日は残念そうにしています。次は近くの神足神社まで走りに行って,足の健康を願いに行こうと思います。
※神足(こうたり)神社:桓武天皇(737年~806年)の見た夢によって創建されたと伝わる神社。「神の足」と表記されるので陸上選手やサッカー選手など足を武器に戦うスポーツ選手が度々参拝に訪れます。
全集中 友の呼吸!
(みんなと歩調を合わせる: 01/14)で書いたことを実践しています。先日は荷物運びを実践している2人とL君の3人で西山登りをしました。L君は友達と歩くのが楽しいのですが,友だちに振り向いてもらうために奇声を出します。結果、うるさくて友だちが離れていくので,また奇声を上げて注意を引くという悪循環が起こります。
自立課題をしている時など,集中している時は奇声がないので,友だちと歩く時も気持ちを向ける方向性を作るために、L君に友達と荷物運びをしてもらいました。既に友達が見本としてL君に見せてくれていたのでやり方はわかっていたようです。二人で棒を持って間に荷物をぶら下げて後ろの友達が棒を落とさないように歩調を合わせて歩きます。
L君は降りるまでの間,ずっと後ろの友達が棒を落とさないようにしながら歩きました。そうすると奇声を上げることがなくなりました。友達の存在に意識を集中しているようです。
自転車に興味を持ったので跨らせてみるとL君は自転車が倒れないように注意して歩きます。自転車歩きはめんどくさかったみたいですが奇声は出ません。L君が奇声を出さずに友達と取り組めることが他にもありそうです。まずは山登りの後にみんなと飲むサイダーを入れたリュックを友達と運んでもらおうと思います。