2024年12月の記事一覧
「病院のつぎはこれ!」
支援学校1年生のFくんは、すてっぷに来るようになって半年ほど。発語は難しく、大人へのコミュニケーションは手を引っ張ったり、両手をパンと合わせてサインを送ったりなどでした。また見通しを持ちづらく、病院に行くと泣いて拒否することもしばしばありました。
そこですてっぷでは、コミュニケーション練習と併行して、視覚支援によるスケジュール理解を進めてきました。絵カードでスケジュールを示し、実際にその流れで活動に取り組みました。最初は「○○したら△△」と2つの活動から始め、毎日すてっぷで取り組む中で、3つ、4つと少しずつ増やしてきました。
そして4か月ほどが経ちました。見通しの力もついてきて、またコミュニケーションで発揮できる力や場所、相手も増えてきました。成長した今なら、苦手な病院もその後に楽しい事があるという見通しを持つことで、泣かずに行けるのでは、とお母さんと相談。病院に行く前に絵カードでスケジュールを示してもらうことにしました。その日は病院の後にすてっぷに行く日。お母さんが絵カードで「病院→すてっぷ」と示すと、見事にFくんは泣かずに病院に行けました!
それからも家庭でイレギュラーなことがあるときは、絵カードでのスケジュール提示を活用しています。注射があっても泣かずに受けられたり、すてっぷがない日でも「病院→アイスクリーム」で見通しを持って病院に行けたりできるようになりました。
日常生活を送る中で必要となってくる通院などには、動機付けや気持ちの調整が必要な時があります。見通しを持つ力が育たないままだと、その行動ができないかもしれません。Fくんの場合は強みである「見て分かる力」を生かして、見通しを持つ練習に取り組んできました。大事なのはその人が分かる、自分で使える方法を職員がアセスメントし、自分から取り組めるように支援することだと思います。Fくんをはじめ、すてっぷのお子さん一人ひとりに合わせた支援を今後もしていきます。