すてっぷ・じゃんぷ日記

2023年7月の記事一覧

「『よせて』って言えたよ!」

 小学生のUくんは5月からすてっぷに通い始め、3か月ほど経ちました。緊張も解けてきたのか、だんだんとUくんらしさが見られるようになってきました。

 先日は小学校グループが2つに分かれて、Uくんのグループは公園に行ってきました。もう一つのグループはボードゲームを終えて一足先に休憩へ。休憩時間はテレビゲームをすると言っていたUくんでしたが、公園から帰ってきたところに、先に休憩していた友だちがしているタブレットが目に入り、「タブレットがしたい!」と気持ちが変わったようです。ところが自分が続きをしたかったタブレットはすでに友だちが使 っていました。するとUくんは「なんでできないの」と泣き出してしまいました。

 実はUくん、すてっぷの過ごしの中で、要求が叶わないと思うと声を上げて泣き、適切に要求することが難しいという姿が見られます。このときも職員が「友だちがテレビゲームをするのはどう?」と提案すると、Uくんは「する」と答えました。切り替えはできたUくんでしたが、「じゃあ(先にゲーム機の準備をしている)友だちに『寄せて』とお願いしに行こう」と言われると、「できない!」とより大きな声で泣きだしました。

 大きな声で泣いていると、自分から動かなくても、要求が叶ったという経験があったのかもしれません。Uくんは自分から伝えに行くという行動に拒否感を示します。そこで職員は、Uくんをゲーム機が見えない場所に誘導し、カームダウンの時間を取りました。「落ち着いたらおいで。いっしょに伝えに行こう」と声をかけると、しばらく泣いていたUくんでしたが、泣き止んで職員のところにやってきました。1回目はいっしょに行くのを嫌がり、またカームダウンエリアに戻りましたが、2回目はすっと職員と一緒に友だちのところへ行きました。そして「どうしたらいい?」と職員に尋ねました。職員が用意していたメモ(『よせて』と書いていました)を見ながら、テレビゲームの手を止めUくんの方に向いてくれていた友だち(事前にお願いしていました)にUくんは見事!「よせて」と言うことができました。

 無事成功体験で終えられたUくん。このときばかりと職員も大いにほめました。子どものネガティブな行動に大人が反応すると、ネガティブな行動がより増長する場合があります。このときはUくんのポジティブな行動(落ち着いた状態で自分から友だちのところに行こうとしたところ)に注目して支援したことで、成功体験に繋げられたのだと思います。

 帰る時間になり、テレビゲームを終えようとした時も、「まだしたかったのに」と切り替えづらかったUくんですが、帰りの車で職員に「次は最初から(よせてと)言う」と落ち着いて伝えられました。自分から『次はこうしよう』と気づくことができたUくん。少しずつ成長しています。

新聞じゃんけん

じゃんぷの休憩時間、「新聞紙じゃんけん」をしました。

「新聞紙じゃんけん」は一枚の新聞紙の上に立ってじゃんけんし、負けた方が新聞を半分に折りたたんでその上に立つ。それを繰り返し、新聞の上に立てなくなったら負け、というルールです。

これが中々面白く、どの曜日の子ども達も大盛り上がりです。これをやる上でただ遊ぶだけ、というわけでなく、様々な視点から子ども達の様子を見ることが出来ます。

例えば片足立ちをせざるを得ない時、体幹、バランス感覚をどこまで養われているか。勝ったら新聞を広げられるルールを追加するとどこまで理解できるか、等々

遊びの中でも子ども達の発達を見ることが出来ます。ただ楽しむことが一番です。明日も楽しく遊びましょう!

「わかってくれた!」

 支援学校高等部のTくんは表出が弱く、自分の思いが伝わらないと注意喚起行動や他害行動が出ることがありました。すてっぷでは絵カードコミュニケーションの練習に取り組み、トレーニングの場面(おやつ時)では自分のほしいものを要求できるようになりました。ただそれ以外の場面では自発的な表出が難しく、『暑い』や『うるさい』などTくんが苦手な状況になったときでも、自分からは伝えられません。職員が「暑いね」「うるさかったね」と声をかけると、Tくんは「暑い」「うるさい」と返事をして、共感してもらえたと落ち着くのですが、自分からしんどさを伝えることが当面の課題でした。

 また昨年度から、Tくんは選択の練習に挑戦しています。以前も取り組んでいたのですが、『どっち』という言葉にこだわりが出て、選択の場面になると「どっち!?」と叫んで選択できないという状況が続きました。そこで選択の練習はいったん控え、こだわりが薄くなってきたころを見計らって、練習を再開しました。選択の練習は、休憩時間の過ごしを選ぶことに取り組んでいます。休憩時間になったら、スケジュールで休憩の代わりに貼ってある『えらぶ』カードの色を見て、同じ色の選択ボードから『ごろん(横になる事)』や『かるた』などのしたいことを選びます。したいことを選べる候補やタイミングを明確にすることで、自分で選んで向かえるようになってきました。

 この選択の練習を続けてきたことで、伝わった実感が積みあがってきたのかもしれません。次第に、表出できる種類や機会が増えてきました。そして先日、なんと自分から『しんどい』カードを職員に渡し、「しんどい」と言ったのです! 熱を測ると37度以上で、その日は保護者の方がお迎えに来ることに。保護者の方といっしょに帰るTくんに、職員は「しっかり伝えられたね」と褒めて見送りました。

 今では「うるさい」「あつい」と自分から伝えるようになってきたTくん。Tくんとずっと絵カードコミュニケーション練習に取り組んできてよかったと職員みんなで振り返りました。まだコミュニケーションパートナーは限られていますが、今後誰にでも伝えられるように、練習を続けていきます。

じゃんぷ夏祭り!

じゃんぷは今週夏祭り期間です!

去年は今年のじゃんぷ夏祭りは「魚釣りゲーム」をします。

ブルーのプチプチシートの上に魚を模したカードをたくさん置き、ビニールテープや送風機を使ってイソギンチャクや海草、風を表現しました。子ども達がじゃんぷに来た時に「楽しみー!」となるように工夫しました。

釣り竿作りから始めましたが、苦手な作業にも関わらず魚釣りゲームが楽しみなのでどの子も一生懸命三つ編みをしてくれました。

魚釣りゲームはすごく盛り上がり、「もう一回したーい!」という声がたくさん出てきました。

今日を含めてあと2回夏祭りをします。最後まで楽しもう!

わり算の筆算は

わり算の筆算は手順が処理が多く、悩みやすい単元です。

わり算の筆算は「たてる、かける、ひく、おろす」の4つの手順を基本で考えます。

①たてる②かける③ひく④おろすという手順をラジオ体操のように大きな動作で覚えていきます。①たてるのときは大きく上に手を上げ、②かけるのときは腕でXを作ります。③ひくのときはひき算のマイナスを表すように腕を横に伸ばし、④おろすときは下に向けておろします。
動作の際には必ずそれぞれの動きの言葉を「たてる!かける! ひく! おろす!」というように唱えます。

手順が複雑になればなるほど学習が苦手な子どもは問題を解くまでの途中でパワーを使ってしまい,疲弊ばかりしてきます。上記のように机上の学習だけでなく,少し体も動かしながら取り組んでみてもよいかもしれません。

(参考・引用 「子どものつまづきからわかる算数の教え方」 監修:平岩幹男 著:澳塩渚(合同出版) 「小学4年生までのつまずき総ざらえ算数レスキュー隊」(岩崎書店)

位取り表

4年生の算数で「一億を超える数」という単元があります。この単元では桁の大きな数を扱います。

桁の数が膨大になり、情報の処理が追い付かなくなることがあります。また、「数字に直しましょう。四十兆七千百八…」といった問題で「漢字を数字直す」→「桁を整理する」の処理の中で混乱し、苦手意識を持つ子どもも少なくありません。

最初は「位取り表」を使って、そこに一つずつ書き込みながら問題に取り組んでいきます。視覚的に情報を整理しやすくし、位取りがしやすくなっています。

こういった素敵な教材は他にもたくさんあります。筆者おすすめのサイトのリンクを下に貼ってあります。興味のある方はぜひ見てみてください。

筆算工房こつこつ 算数グッズ

なんで出来ないんだろう

ネガティブな話題です。

4年生のI君が「なんで僕はみんなと同じように漢字が読めないんだろう」と話してくれました。彼は読み書きが苦手なことと、中々覚えることが難しいことがあります。

子どもらしく、明るい子でじゃんぷの学習の中で漢字の読みをしても「わかりません~!」と言っていましたが、ふとそのようなことを言ってくれました。

学習が苦手な子どもでも年齢と共に周りを見る力はついてきます。さらに小学校の中学年は大人よりも子ども同士のグループを優先する「ギャングエイジ」という時期や、高学年だと周りと自分を比べることも増えてきます。

どこまで行っても学校は学習をする場です。子ども達はそこで半日以上を過ごしています。子ども達の生活の半分は学校なのです。当然が学習面を気にします。それは子ども達にとってどれほど重たいものでしょう。学習に課題を持つ子ども達にとってはそれが劣等感に繋がります。

最初の話に戻りますが、筆者は「ここで〇〇君の得意な力(聴覚から情報を処理する力)を使って漢字を覚えたり読めたりするようにしてるんだよ」と、薄っぺらい言葉しか出せませんでした。

自信を持って学習支援をしているつもりですが、本気で悩み、壁に当たった子どもに対してこんなに薄い言葉しかかけられないのか、と情けなくなりました。このような時どんな言葉をかけたらよいのか、正解がわからないですね。

興味の仕掛け

前回のブログにも書きましたが、じゃんぷでは七夕飾りを飾っていました。子ども達が短冊に思い思いのお願い事を書きました。

本物の笹を使いましたが、「リアルさ」は子どもの興味を惹きつけます。玄関に入ってきた時に「なにこれ~!」と子ども達は目をキラキラさせ、興味を持ってくれました。緑のビニールテープを使って笹に見せかけてもよかったのですがやはり本物が良い、ということで笹を準備しました。

ただ全ての活動で本物を用意できるわけではありません。今年のじゃんぷの夏祭りでは「お菓子釣り」をします。ただビニールプールに水を入れてお菓子を浮かべるわけにはいきません。

子ども達に興味を持ってもらうためにどのような工夫をするのか、考えています。夏祭りの週が終わったらこのブログにも載せますね。

 

 

ある学校の特別支援学級の取組でも、渡り廊下いっぱいに飾りをして、ホンモノの季節感を全校に発信し、子ども達の自信につながる体験をしているところがありました。

 

七夕

筆者がまた夏風邪にかかってしまい更新が滞ってしまいました。どれだけ医者にかかっても「重い夏風邪ですかね」としか言われず、薬を飲んでも一向に回復しないのは怖いですね。

さて、夏と言えば七夕です。じゃんぷでは毎年短冊に願いを書いて笹に飾っています。じゃんぷの職員の知り合いに笹をくれる方がいるので、本物の笹を使って七夕飾りが出来るのは雰囲気が出、子ども達も喜んでくれます。

読み書きが苦手な子が多いので、願いを書く時もあまりくどくどと長く説明はせず、来所したときに笹と短冊、筆ペンを置いておき「短冊に願いを書いてね」の一言メモだけ書いておきます。

その場ですぐに書けるように仕掛けをしているわけですね。形式ばった形だと「書かなきゃ!」と少し構え、しんどい気持ちが出てきてしまいますがラフな形にし、すぐに書いて飾って終わり!という形にした方がよいのでしょう。

今年もたくさんのお願いを書いてくれました。なんと児童発達で来た未就学の子どもも興味を持って書いてくれました!みんな、叶うといいね!