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みんなちがってみんないい

緊張リセット 癒やし空間

緊張リセット 癒やし空間 七尾の障害児施設に整備

2021年2月20日 05時00分【中日新聞】

色が変わる装置、水槽など RCが協力
七尾鹿島手をつなぐ育成会(NPO法人)が運営する七尾市小島町の児童発達支援・放課後等デイサービス施設「ほうぷ子どもの家」(大谷済美センター内)に、知的障害者らの癒やし空間「スヌーズレン」の部屋が整備された。七尾ロータリークラブ(RC)の寄付で実現。施設を利用する子どもたちが楽しんでいるという。県内でも徐々に広がるリラックス空間として、知的障害者らの充実した余暇活動に生かしていく。(室木泰彦)

育成会会員は約百人。同施設では現在、特別支援学校に通う児童、生徒ら約十人が夕方に帰宅するまでの放課後を過ごす。高校卒業まで利用できるが定員は十人ほど。マンツーマンかそれに近い指導が必要で、定員以上を受け入れると丁寧な対応が困難になるためという。今回施設スタッフの発案で、外国で長い歴史と実績があるスヌーズレン導入を検討し、七尾RCが協力した。

施設一階の部屋を改修し整備。円柱型水槽は中の水が泡とぐるぐる回転し、魚の模型が本物のようにリアルに泳ぐように見える。球形の光る装置は触ると色が変わる。ビニール状の柔らかいひも状の物が縦横無尽に伸びる造形物などはさわり心地も楽しめる。

いずれも色が青や赤、黄、紫色などに次々と変わるため部屋全体の雰囲気の変化も楽しめるほか、香りを出す装置もある。施設によると、知的障害者らは学校などでずっと体がこわばる緊張した時間を過ごすため、この空間にいる時は光などの刺激を体感しながら力が抜けたリラックスした時間を過ごせる。ドアを閉め個室として利用できるよう、使用中か分かるボードも入り口に設置した。

十九日、七尾RCの木下義隆会長から整備費用に充てる寄付十五万円を受け取った育成会の三谷芳夫会長と八崎(はっさき)和憲副会長は「障害者への社会の理解は進んでいるが、まだまだ課題も多い。新設備による“静の支援”で障害者が成長できるように努めたい」と感謝した。七尾RCは石田朗(あきら)副会長、伊藤隆行幹事が同席した。

【メモ】スヌーズレン=オランダ語「スヌッフレン(くんくん匂いをかぐ)」と「ドゥーズレン(くつろいでうとうとする)」からの造語。重い障害者も楽しめるよう光や音、匂い、振動、温度、素材の触感などの設備を組み合わせリラックス空間を設けるなどの理念や取り組み。1970年代にオランダの知的障害者施設で始まり認知症の人、発達障害の子どもなどに活用され日本国内も普及。障害者がどんな刺激を好むか空間で一緒に過ごしながら共有できる効果が期待される。県内でも設置する施設が徐々に増えている。
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スヌーズレンはこのブログでも3回ほど掲載(Snoezelen:2019/10/16) しました。場所が必要なのとウォーターベッド等の備品が高いので放デイには贅沢品ですが、箱の中にイルミネーションを貼り付けて入ったりかぶったりして楽しむスヌーズレンBOXならどこの放デイでも簡単にできます。

スヌーズレンは、治療法でも、教育法でもありません。支援者は、治療効果や発達支援を一方的に求めることはせず、障害を持つ人のオープンな楽しみ方をありのままに受け入れ、一緒に楽しみます。スヌーズレンは、障害を持つ人が、自分で選択し、自分のペースで楽しむための、人生の大切な時間だという考え方です。「施設によると、知的障害者らは学校などでずっと体がこわばる緊張した時間を過ごす・・・」とありますが、学校の中にもこういう空間は必要でそれは障害のない人にも必要なものです。のんびり過ごすことは普通の事だという発想の切り替えが必要です。

Minecraftカップ2020

Minecraftカップ2020全国大会、「未来の学校」をマイクラ上で発表。全13作品のAWARDが決定!
「未来の学校」をテーマに、SDGsやSociety5.0など未来を考えてマイクラで作品をつくるコンテストを開催。

2021年2月22日 20時00分【MCCUP運営委員会】

2021年2月21日(日)Minecraft Education Editionのプログラミング作品コンテストMinecraft カップ 2020全国大会 最終審査会を実施、Minecraftのワールド上で表彰式を実施いたしました。
Minecraftカップ2020全国大会は、世界各国の教育現場で活用されている「Minecraft: Education Edition」を使用し、テーマにあわせたワールドをつくる建築コンテストです。2回目になる今回は、「未来の学校」をテーマに、Society5.0・SDGsなど、未来を考える課題を生徒たちが調べて表現しました。

総エントリー者数は1770名、応募総数は483作品の中から最終審査会で、全13作品のAWARDを受賞した作品が決定しました。2021年2月21日(日)に行われた最終審査会では、全国からあつまったファイナリストと審査員がオンライン上でプレゼンテーションと審査を行いました。

■Minecraftカップ2020全国大会 AWARD発表ページ
https://minecraftcup.com/awards/

【大賞】
未来への5つの約束~キレイな水と渓谷の洞窟学校~ 浦添昴さん(沖縄県)

【優秀賞】
◆小学校低学年部門
レッドストーン小学校 ピョコ太郎さん(福岡県)
◆小学校高学年部門
エネルギーが学べる学校その名はたかさご小学校 しょうたさん(埼玉県)
◆中学生部門
未来の学びの島! TSUBASAさん(沖縄県)
◆高校生部門
科学と社会の学校~学問とICTと自然の融合~ なおぴえさん(埼玉県)


【審査員賞】
◆大西一平賞
光る学校 高田豊彬さん(大阪府)
◆Kazu賞
ゆっぴースクール 須崎有哉さん(徳島県)
◆神谷加代賞
未来地区小学校 Kouさん(福岡県)
◆鈴木寛賞
未来の学校 かずねさん(東京都)
◆タツナミシュウイチ賞
電気学校 たけるさん(東京都)
◆髙崎正治賞
未来の学校~気候変動に強く、地産地消に取り組む学校~ リュウトラゴンさん(奈良県)
◆コロコロコミック賞
天空の学校西洋のお城と日本のお城 吉川岳人さん(静岡県)

【特別賞】
◆Microsoft賞
Sea school YYK_/さん(青森県)
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優秀賞は驚くようなち密さで構成されています。プレゼン動画の本人も普通の小学生には見えず独特な個性や才能を感じさせます。家に帰って宿題を全部終えてからの時間を費やし、半年間あまりここに情熱を傾けたんだなぁと思います。ぜひ子どもたちにも見てほしい作品です。

僕の髪誰かのためにヘアドネーション

僕の髪誰かのためにヘアドネーションに挑戦中石巻・鹿又小5年佐々木君

2021年02月24日 10:43【河北新報】

病気や事故で頭髪を失った子どもたちに無償提供される医療用ウィッグ(かつら)のために髪の毛を寄付する「ヘアドネーション」に、石巻市鹿又小5年の佐々木佑真君(10)が挑戦している。「誰かのために」と、強い思いで伸ばし続ける髪は、長い部分は45センチほどになった。小学校を卒業する来年まで、50センチ以上を目標にしている。

佐々木君は、テレビ番組でヘアドネーションを知ったことをきっかけに約2年前に髪を伸ばし始めた。番組は小学生ぐらいの男の子がヘアドネーションに挑戦する内容で、「自分もやってみたい、寄付してあげたいと思った」という。母の吏(つかさ)さん(35)は「自分で決めて気が付いたら伸ばしていた」と振り返る。

髪は背中の真ん中まで伸び、学校には一つに結んで行く。赤ちゃんの時から丸刈りだった佐々木君は長い髪の洗い方も結び方も分からなかったが、練習してできるようになった。洗った髪を乾かすには20~30分かかり、少しでも良い状態で寄付できるようトリートメントもしている。

初めの半年ほどは、学校でからかわれたり公園で女の子に間違われたりして落ち込むこともあったが、伸ばすことはやめなかった。吏さんは漫画に登場する長髪のキャラクターの魅力を伝え、「切らない」と固い決意を口にする佐々木君を励ました。事情を知る同級生や先生が周囲に説明してくれたこともあり、理解は広まっていった。

佐々木君は発達障害があり、吏さんは「自分にとっての普通が一般的な感覚と違い、男の子の髪が長くても違和感がない。自分でやろうと思う男の子はなかなかいないと思う」と話す。

へアドネーションには31センチ以上の長さが必要とされ、50センチ以上あればロングヘアなどにもできる。佐々木君は50センチ超えを目指す。

中学校の校則では長髪が認められない可能性があり、伸ばすのは小学校卒業までと決めている。佐々木君は「人のためになると思えば続けられる。大切に使ってもらえたらうれしい」と話す。

吏さんは「ヘアドネーションに限らず、変わったことをしている人がからかわれることがなくなるといい。本人も頑張って良かったと思ってほしい」と見守る。

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講師「何でわからへんねん」、泣きじゃくる男児…発達障害ある小5に暴言

2021年02月23日 10時38分 読売新聞

大阪市立小学校の20歳代の男性講師が授業中、発達障害のある5年生の男児(10)に「何でわからへんねん」などと暴言を繰り返していたことがわかった。男児に当時の様子を尋ねると動揺して泣き出すといい、学校は両親に謝罪。市教委は事実関係を確認したうえで、男性講師の処分を検討する。

学校や保護者によると、男児は算数と国語については特別支援学級で授業を受けている。男性講師は1月20日、特別支援学級での授業中に算数のドリルを解いていた男児に「問題をちゃんと読んでみろ」「前にもやったのに覚えてないんか」などと何度も怒声を浴びせた。

次の授業時間になっても男児が泣きじゃくっていた様子に気付いた女性教諭が校長らに伝え、問題が発覚。暴言について男性講師は学校の調査に対し、「(男児の)解答が違っていたので腹が立った。障害を理解せず、自分本位のペースで授業を進めてしまい、申し訳ない」と話しているという。

男性講師は1月26日から学校を休暇中で、2月15日には校長らとともに両親と対面し、謝罪した。母親は読売新聞の取材に「息子は問題の意味を理解できず苦しんでいたのに、高圧的な言動で追い込んだのは許せない」と話している。

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子どものみずみずしい感性と社会に貢献したいという気持ちや、それを微笑ましく見守る保護者の存在に温かいものを感じます。一方で、子どもの気持ちや子どもに注ぐ家族の視線は全く感じていないと思わせる教員の言動、社会的未熟さにはがっかりします。

普通、自分が出した課題を子どもが理解しないのは自分の見立てや力量の問題なのに、「私が正しい。子どもが問題だ」と感じている教員は彼だけではありません。一人では解けない宿題を学校で一度指導したからと繰り返し出題する教員も、怒りはしないけれども結果としては子どもを貶めている意味では変わらないと思います。

勉強がわからなくて辛かったり、友達にいじめられて悲しい思いをしている一方で、みずみずしい感性や素直な気持ちを子どもから感じる教員であれば、自分の出した課題ができないからと怒鳴ったり、一度教えたことだからと一人ではできない課題を宿題に何度も出せないはずです。

<学校ICT時代>海外の現状

<学校ICT時代>海外の現状を本紙特派員がリポート

2021年2月25日 05時00分 【中日新聞】

全国の小中学生に1人1台のタブレット端末かパソコンを配備し、通信環境を整える政府の「GIGAスクール構想」。新型コロナウイルスに伴う臨時休校を受けて計画が前倒しされ、大半の自治体で2020年度中に配備が完了する見通しだ。ただ、世界の中で日本は教育現場での情報通信技術(ICT)の活用が進んでいるわけではない。各国の現状について本紙特派員がリポートする。

米国ネット環境格差が課題
米国はオバマ政権が2016年に「コンピューター・サイエンス・フォー・オール」を掲げ「幼稚園から高校まで全生徒がコンピューター科学を学び、技術を身に付ける」ため各州や学区への資金支援を表明。トランプ政権も継続した。
米調査機関の昨春の調査で全米の中高生の49%が過去1年でコンピューター科学を学校で学び、46%が週1時間以上だったと回答。メリーランド州のある学校では中1で3次元デザインを学び、高1ではプログラミングで簡単なゲームアプリを作製。学校には安価なノート型パソコンが生徒の人数分備えられ、各授業で日常的に使用し、宿題提出もパソコン上で行っている。
ただ、デジタル環境の整備は各州や各学区でばらつきが大きい。さらに新型コロナで自宅でのオンライン授業が一般化したことで、パソコンやネット環境が不十分な家庭との格差が問題になった。
バージニア州の高校でコンピューター科学を教えていたリア・ガラノスさんは「コンピューターへのアクセスを確保するだけでなく、コンピューターが人生をどう変えることができるかを子どもたちに示すことが重要だ」と語る。(ワシントン・金杉貴雄)

タイ語学の勉強に活用も
使い込まれ、傷も目立つタブレットだがジェシリンさん(14)にとって、教科書が並ぶ書棚であり、図書館だ。「故郷の歴史物語が好き」と頁(ページ)を繰る。出稼ぎの両親を追い、4年前に生まれ育ったミャンマーから隣国タイ・バンコクへ。週6日は縫製工場で働き、日曜にNGOの学習センターに通う。タイ語の発音は貸与されたタブレットから耳で覚え、みるみる上達した。
貧富の格差が世界有数のタイ。6〜17歳の3割近く、260万人もが経済的な事情などで正規の学校に通えない。ジェシリンさんのような移民の子や、学校の整備が行き届かない少数民族地域は多い。国連教育科学文化機関(ユネスコ)が政府や通信会社の協力を取り付け、3年ほど前からタブレット支給やオンライン学習の導入を進めている。
アプリにはタイ語学習のテキストに加え、ミャンマー語や少数民族文字で書かれた各科目の教科書、物語など1000冊以上を収録。随時、更新され「楽しんで勉強するきっかけになる」と学習センター副所長ヤニーニさん(49)。ジェシリンさんは「将来はパソコンを使ってオフィスで働くのが夢」とはにかんだ。(バンコク・岩崎健太朗、写真も)

フランスモデル校で効果検証
「この計算問題に挑戦してみたいのは誰?」。フランス・パリ郊外のレシェーン小学校。1年生の教室で一斉に手が挙がった。指名された児童が電子黒板と向き合う。投影されたタイマーの時間内に全問正解し、喝采を浴びた。担任のマルティーヌ・カバン教諭は「電子黒板のおかげで低学年でも飽きずに授業に取り組める」と手応えを話す。
効果は昨春のコロナ第1波による都市封鎖(ロックダウン)中にも表れた。児童らは自宅のパソコンなどで遠隔授業を受けたが、電子黒板への慣れから、画面上の問題に抵抗感がなかったという。
だが、この環境を享受できる児童や生徒は限られる。仏政府の2018年の公立校調査で電子黒板を使う小学生は4%にとどまる。タブレット端末の配布率は中学校では51%だが、小学校では12%。北欧やバルト3国など欧州の先進国からは大きく遅れている。
昨秋にレシェーン小を視察したブランケール教育相は、2700万ユーロ(約34億円)規模のデジタル教育モデル地区事業を発表。2県の公立校にタブレットやウェブカメラを配備して効果を検証し、来年以降の全国展開を目指すという。(パリ・谷悠己、写真も)

韓国「双方向授業」56%に
IT大国を誇る韓国は昨年4月から新型コロナ対策で小中高校の登校を制限し、オンライン授業を拡大した。政府が低所得家庭への端末提供や通信接続を全面支援。IT教育に精通した人材も多いと自信を示したが、当初は集中力が続かない子が続出した。
教育省は、教員と子どもがネット上でやりとりする「双方向授業」の比率を昨年7月の15%から、10月に56%に高める改善策を実施。兪銀恵(ユウネ)教育相は今年1月、「教員研修、良質な教育コンテンツの開発を続ける」と述べた。
競争社会で、富裕層の子ほど塾や習い事に通う傾向もある。教員1万人が対象の調査では、79%が「オンライン授業で、学習格差が拡大した」と回答した。
地域教育も注目される。ソウル市の中区教育支援センターは昨夏から、地域の童話作家や人気ユーチューバー、料理研究家ら多彩な講師を招いたオンライン授業を開講。10人前後の定員に小中学生が殺到し、毎回ほぼ満員に。担当の朴珠熙(パクジュヒ)さんは「コロナ禍で行き場のない子らに学ぶ機会を提供する必要性が増した。字幕や音響など編集技術も高めてもっと楽しませたい」。(ソウル・相坂穣、写真も)

※ICT=InformationandCommunication Technology(情報通信技術)の略

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海外でもネックは家庭のネット環境です。地域や家庭のネット環境が整備されればバンコクでのユネスコ支援のように移民の子弟でも自国の言語で知識を得たり、端末そのものが現地語との翻訳機になり教育格差を緩和するツールにもなります。しかし、家庭の経済格差がネット環境格差に直結するような状態を放置していると、教育格差はさらに広がっていくということです。日本では約12%(子ども約100万人)の家庭にWifi環境がないと言われており無策のままです。

現在、端末自体はアンドロイドの安物なら1万円台、IOSでも3万円台で購入できます。端末の年数劣化や陳腐化は避けられませんが4年は使えますし公費で保障するなら出費は0円です。しかし、ネット環境はWifi環境を作る光回線だと様々なキャッシュバック販売が展開されているとはいえ使い続けるとなれば月3000円程度を払い続けることになります。家庭WiFiは電気ガス水道の光熱費と同じような存在です。なくてもすぐには困りませんが、それはガスや電気も昔はそうでした。今やそれが贅沢だという人がいないように、高速通信回線も同じなのです。

確かに、Wifi回線は家族も使うものですから公費負担と言うわけにはいかないものかもしれません。しかし、携帯電話のように学校制度を利用する子弟がいれば半額という割引制があれば無Wifi家庭は激減すると思います。結局は将来の利用者を獲得できるのですから会社には損はないはずです。ICT教育の正念場が家庭と地域のGIGAネット環境の整備の段階に移ってきているのです。あげ足取りの国会論戦をやめて真剣に国のICT環境の整備について議論してほしいものです。

 

京都市、全市立学校でICT教育システム導入

京都市、全市立学校でロイロノート・スクール導入

2021/02/25-13:46[株式会社LoiLo]

1人1台端末本格活用で個別学習、協働学習の充実をめざす
2月17日(水)株式会社LoiLoは京都市とGIGAスクール構想実現に向け、教育活動に関する連携協定を締結しました。これにより京都市すべての市立学校で授業支援クラウド「ロイロノート・スクール」の運用が開始します。個別学習の深まり、協働学習の繋がりの往還により、京都市がめざす「すべての子どもが”学びの主役”」となる教育を実現します。

2月17日(水)私たちLoiLoは京都市と連携協定を締結し、協定締結日から令和5年3月31日までの協定期間、京都市すべての市立学校にロイロノート・スクールを無償で提供することに合意いたしました。

京都市の在田正秀 教育長は「令和3年度を”1人1台端末の本格活用元年”の好機と位置付け、ICTの積極活用を通じて、児童生徒の学力定着・向上や情報活用能力の育成、教職員の授業改善を推進したい」と述べました。

また、「ロイロノート・スクールは本市が掲げる個別学習の深まり、協働学習の繋がりを往還し融合できるツールであり、”すべての子どもが”学びの主役”となる教育を実現するのに最適なツールである」とロイロノート・スクールへの期待を示しました。

当社の杉山竜太郎 代表取締役は「教育先進自治体である京都市で、ロイロノート・スクールが運用されることに大きな意義を感じる、京都市の掲げる生徒主体とした授業づくりのために尽力していきたい」と述べ、京都市への教育活動支援について全面的な支援を表明しました。

締結式後半では、ロイロノート・スクールを先行利用している京都市立祥栄小学校の授業の様子を録画映像と中継で紹介しました。当日紹介した映像は以下よりご覧いただけます。

▼ ロイロノート・スクールを使った授業風景

▼ 児童インタビュー

1人1台端末環境での学びが本格始動する2021年、私たちLoiLoはGIGAスクール構想の実現に向けて努めてまいります。

関連記事
● 京都市と株式会社 LoiLo による教育活動に関する連携協定締結について【京都市広報資料】
  https://drive.google.com/file/d/13Jqt9sZX7wwqpxNS-EnVD5wtEiJleLay/view?usp=sharing
● 京都市が教育ソフト会社と協定【NHK NEWS WEB】
  https://www3.nhk.or.jp/lnews/kyoto/20210217/2010009497.html

ロイロノート・スクールについて
ロイロノート・スクールは、教育1人1台時代、生徒の主体性を育み、双方向授業をつくり出す授業支援クラウドです。小学校から大学まで、すべての授業で使えます。資料のやりとり、思考の可視化、意見の共有が直感的にできるため、子どもたちが自ら考え表現する協働的な学びや、教員の負担軽減につながります。個別最適化された学びづくりや遠隔での学習にも効果を発揮します。マルチプラットフォームに対応しており、1日30万人以上が利用しています。全国で5000校以上、1人1台校では320校に導入されています。
導入事例など詳しくはWebページをご覧ください。https://n.loilo.tv/ja
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国産ICT教育システム、資本が小さくても頑張ってほしいものです。多国籍ICTシステムに負けないで頑張ってください。ただ、いつも思うのですが、35人ほどの児童数に対して指導用ディスプレー(電子黒板)の多くは65インチサイズのようで小さいなぁと感じているのは私だけでしょうか。できれば黒板全面に展開する高輝度プロジェクター型やユニット型の黒板の方が生徒には見えやすいと思います。国産システムまで含めて導入しようとする京都市の健闘を期待しています。

トイレ洋式化

学校トイレ洋式化、自治体で格差/石川

2021/3/1【毎日新聞】

家庭のトイレと言えば洋式が一般的になったが、今なお全国の小中学校のトイレでは約半数で和式が残る。昨年9月に文部科学省が発表した全国の公立小中学校にある洋式トイレの割合は57%。「子どもたちが慣れない和式で用を足せずに困っている」という声もあり、近年は衛生面や新型コロナウイルスを含む感染症対策の面からも洋式化が求められている。【井手千夏】

■富山県が全国一79%
文科省の調査では洋式化率は北陸3県でみると、富山県が全国トップの79・3%のほか、石川県55・8%▽福井県57・7%。県庁所在地では富山市が94・1%なのに対して、福井市は51・8%、金沢市は41・9%と全国の中で下位にとどまる。石川県内でも、84・9%の野々市市から45・7%の宝達志水町まで「格差」がある。

TOTO(北九州市)によると、トイレの出荷台数の99・3%(2015年)を洋式が占める。文科省は子どもが洋式に慣れていることや、災害時に避難所になる学校の特性も踏まえたバリアフリーの観点から洋式化を推奨。和式は便器外に飛沫(ひまつ)が飛び散りやすく雑菌が繁殖したり、洋式のふたを閉めて流したりすると感染症予防に効果的だとしている。

特に低学年の児童にとって、慣れない和式の存在は大きなストレスになる可能性がある。トイレ問題に関心を寄せる金沢市の小林誠議員によると、休み時間に限られた洋式に子どもが集中するために、用を済ませられなかった子どもが授業中に失禁してしまうケースがあると校長から声が寄せられている。

■斜めに設置の奇策
全国でも上位に入る富山市は、16年の前回調査から48・6ポイント上昇。その「秘密」は便器自体の交換を優先して進めてきたことにある。学校の個室トイレは内開きが多く、和式から洋式に変えた便器がドアに引っかかってしまうこともあるが、富山市では便器を斜めに設置にしたり、ドアを外開きにしたりするなどしている。費用は1ブースにつき、工事代を含め50万~100万円以内で済むという。

一方、金沢市は16年の29・5%から12・4ポイント増にとどまる。市教委は、市内に学校が多いことに加え、エアコン設置などの課題を抱える中で「優先順位を決めて取り組んでいる」と説明する。古い学校が多く配管工事も必要なことなどから、富山市のような便器交換ではなく、トイレ全体の改修工事を念頭に置く。その分、工事は長期に及ぶ上、縦1列につながる1~3階のトイレの改修には約5000万円かかるという。

20年12月の市議会で全面洋式化のめどについて問われた山野之義市長は「できるだけ早く達成すべく整備計画の策定と実現に取り組む」と応じ、21年2月に発表された21年度当初予算案に420万円をつけ、実態調査を行う。石川県は同年度当初予算案で県立学校16校のトイレ洋式化と手洗い場の自動水栓化に3億3000万円を盛り込んだ。

■トイレに選択肢を
自治体による洋式化を後押しするため、文科省は01年に改修費の3分の1を補助する制度を設けている。その効果もあって、洋式化率の全国平均は16年の43・3%から20年に57%へと増加した。

NPO法人「日本トイレ研究所」(東京)の加藤篤代表理事は洋式化の重要性を挙げた上で、「和式を好む人のために一定の数の和式を残したり、介助が必要な人やトランスジェンダーのために男女共同トイレを整備したりするなど、選べるということが大事だ」と指摘している。

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昔、まだシャワートイレが普及していなかった頃にASDの子どもから「家がシャワートイレなので学校のトイレに行けない」という声がありました。排便の後を紙で処理したことがないというのです。「え?それってシャワーの後は拭かないの?」と聞くと「乾燥機付きのシャワートイレだから大丈夫」なのだと応えていたのが印象深かったです。今となっては乾燥機付きじゃないのかとがっかりする時代になりました。

放デイのアセスメント表に、「排泄は自分で処理できる」というのがありますが、時代が変わればボタンが押せる人なら「STで処理できる」という項目が増えるのでしょう。トイレは臭い汚いが昔の公衆トイレや学校トイレの代名詞でしたが、今や高機能公衆トイレが耳目を集めます。和式を選ぶ人がいるのかどうかは知りませんが、低学年の様式の場合身長にあわせて、床を上げるなどの配慮はいると思います。

 

格安航空会社「ほなやろ課」積極雇用

ピーチ障害者はつらつ・・・「ほなやろ課」積極雇用

2021/03/02 05:00【読売新聞】

マニュアル写真・絵で工夫
勤怠や運航
関西空港を拠点にする格安航空会社(LCC)「ピーチ・アビエーション」で、障害者が大半を占める「ほなやろ課」の取り組みが注目されている。障害を持つ社員がそれぞれの特性をいかして働いており、運航上の重要な実務も任されている。グローバルに展開する同社はダイバーシティー(多様性)を尊重しており、「障害があっても、『成長したい』と挑戦できる環境を整えていきたい」としている。(北口節子)

「ほなやろ課」は、障害者雇用の受け皿として2018年9月に発足し、聴覚障害や知的障害、肢体不自由などの24人を含む29人が在籍。関西弁のユニークな課名には「あらゆる業務において、真摯しんしに前向きに業務に取り組もう」という思いが込められているという。

業務は多岐にわたり、名刺の作製や給与・勤怠業務をはじめ、給油量の管理、航空機の整備記録の保存など運航業務も担う。障害者の積極的な人材活用により、同社の障害者雇用率は法定の2.3%を上回る3%前後を保っている。

様々な障害を持つ課員の誰でも数多くの仕事をこなせるのは、工夫をこらした業務マニュアルの存在が大きい。写真やイラストを多用して「仕事のイメージがわきやすい」と好評で、多数のマニュアルをそろえる。

サポート役に徹するスタッフが質問や相談を最優先で受け付けていることも、安心して働ける職場環境につながっている。トラブルが生じても不安にならず、仕事に集中できるという。障害のある課員がサポートする側に回ることもある。

発達障害がある同課の井上亮一さん(26)は航空機の整備記録のデータ化などを担当。以前の職場では人間関係のつまずきで退職を余儀なくされることもあった。「障害の有無にかかわらず、業務を任せてもらえることにやりがいを感じ、仕事の幅も広がっていく」と充実感を口にする。

障害のある社員の専門的な能力を伸ばすことで、障害者枠での採用後、ITや整備などの一般枠に切り替わったケースもある。


「ほなやろ課」を引っ張る黒木均課長(35)は約10年間、特別支援学校で教諭を務めた経験がある。兄は重度障害があり、職業の選択が限られた。「教え子らには働ける場所をもっと広げたい」との思いで3年前、ピーチに転職した。今では障害者雇用の先進事例を学ぼうと、企業や学校などから講演や指導の依頼が寄せられている。

1月には泉南市の府立すながわ高等支援学校の1年生に向け、キャリア教育についてオンラインで講演した。障害者の職域開発を進め、客室乗務員が主に行う機内清掃にも参加するようになったことを紹介。「掃除だけでなく、不審物の有無もチェックする。何かあれば飛行機を運航できず、責任問題になる」と重要業務を任されていることを説明した。

黒木課長は「障害を理由に簡単な仕事しかさせないなどの行き過ぎた配慮は不要。障害のある人も必要なサポートを遠慮せずに発信するなど、苦手を克服する工夫も大切だ」と指摘する。

◆障害者雇用率障害者の働く機会を確保するため、障害者雇用促進法は、民間企業や国、地方自治体などに対し、一定割合の雇用を義務づけている。3月1日から、民間企業は2.3%、国や自治体は2.6%と、それぞれ0.1ポイント引き上げられた。

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送迎の途中、ぼそっと子どもが「僕は将来どうせ働けない。生活保護で生きていくしかない」と呟いていました。誰が彼にそんな風に思わせたのか腹が立ちますが、一方でこうした障害者雇用・ダイバーシティー雇用の情報を子どもに流していない自分に気が付きました。そんなことは学校がするだろうと思っていても、どの学校でしているわけではありません。心無い大人は、マスメディアに興味本位に引きこもりやごみ屋敷を描きます。子どもたちがそれを見て、自分の未来に仕事はないな誤解するのは当然です。子どもの未来に前向きな情報がもっともっと必要です。身近な格安航空会社がこんなに雇用努力しているとは知りませんでした。がんばれ!ピーチ!

 

一斉休校から1年・・・数年後にストレスが表面化

一斉休校から1年・・・コロナ禍で学校生活「激変」専門家「数年後にストレスが表面化」

2021.3.2 17:06【SankeiBiz】

新型コロナウイルス対策の全国一斉の臨時休校から2日で1年。多くの学校は6月まで休校を余儀なくされ、授業再開後も行事が中止されたり、部活動に制限がかかったりと、学校生活は大きく変わった。子供たちにもストレスによる心身への影響が懸念される中、昨年自殺した児童生徒は過去最多に。現在も外出などの自粛が求められる中、専門家は「今は問題ない子供でも、数年後にストレスが表面化する可能性がある」としている。(藤井沙織)

自殺が過去最多
「最近、子供が急に『習い事をやめたい。宿題もやらない』と言って泣き出すようになった」。兵庫県の会社員の女性(44)は、小学2年の長男(8)についてこう話す。友達や先生とトラブルがあったわけではなく、以前は学校も習い事も楽しんでいる様子だったといい、「どうすればいいのか」と悩む。

コロナの感染防止のため、学校生活にも1年以上にわたり、さまざまな制約がかかっている。常にマスクの着用が求められ、給食は黙って食べる「黙食」。合唱や調理実習など、感染リスクが高い教科や、部活動は制限されている。修学旅行や文化祭、運動会などの行事も中止や規模縮小となり、子供自身も気づかない間にストレスは蓄積している状況だ。

文部科学省などによると、令和2年に自殺した小中高校生は前年より140人増え、統計のある昭和55年以降最多の479人。同省はコロナとの関係の分析や今後の対応策の検討を急ぎ、今年2月から児童生徒の自殺予防に関する有識者会議を重ねている。

変化に注意
子供たちの抱え込んだストレスが「これから表面化してくるおそれがある」と指摘するのは、早稲田大の本田恵子教授(学校心理学)。東日本大震災の際、3年ほど後になって心身のバランスを崩し、不登校などになる子供が数多くいたためだ。

「特に注意が必要」とするのは、ストレスをためこむ子供。泣いたり怒ったり、がむしゃらに勉強したり逆に無気力になったりと、分かりやすい「サイン」があれば、周囲も気づきやすい。だが、「約6割の子供はストレス反応を表に出さず、求められたルールを真面目に守って、自分を抑圧してしまう」と本田教授は指摘する

実際、学校現場で求められる感染症対策に、子供たちは従順だという。大阪府内の複数の公立小中学校長は「子供たちは文句も言わず、感染対策に協力してくれる」と口をそろえる。

だが、ストレスのサインが表面化しないわけではない。子供たちのストレスサインは、朝起きるのが少し遅い▽甘い物ばかり食べるようになった▽大人に気を使っている-など、小さな変化として現れるという。

変化に気づいた保護者は、どうすればいいのか。本田教授は「話を聞いて共感を示し、まず背景にある『悔しい』『寂しい』などの感情を受け止めて」とし、「解決策は子供が決めるので、保護者からは提示しない」ことを挙げた。毎日の登校や宿題、感染対策など、当たり前にできていることに「頑張っているね」「ありがとう」と伝えることも大切という。

相談先はある
大阪母子医療センター子どものこころの診療科の平山哲医師は、コロナ禍での子供たちは「心のエネルギーがたまりにくい状態にある」と話す。「心のエネルギー」は人とのコミュニケ-ションや遊びなど、心が前向きに動くことで生まれるといい、「給食時間に友達と話せず、遊び方も制限される状況が続き、終わりが見えないことが、ボディーブローのように小さなダメージとして蓄積している」という。

そこで、平山医師がアドバイスするのが、外では制約されるコミュニケーションを、家庭でこそ意識的にとることだ。その日の出来事や面白かったテレビ番組などについて、保護者から会話を投げかける。子供が学校の話をしなくなれば、「『今日の給食のお肉は豚だった?牛だった?』など、感想ではなく経験した事実を、会話の入り口にしては」。

子供のストレスは保護者にとっても不安で、対処に悩むもの。各自治体にはスクールカウンセラーや精神保健福祉センターなどの相談窓口がある。自治体のホームページでも紹介されており、平山医師は「相談先があることを知ってほしい。それだけでも気持ちが違うはずだ」としている。

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「心のエネルギー」は人とのコミュニケ-ションや遊びなど、心が前向きに動くことで生まれる・・・という平山医師の説はその通りだと思います。知識やスキルを学ぶのは、それを遊びや生活で生かすから意味があります。実際のリアルな場面がなければ、その必要にも気が付きませんし、言われたからやっているという受け身の自分が際立つだけです。

子ども時代の遊び友達の存在は何にも変えがたいものです。そこから冒険心や挑戦心や競争心や、いたわりやねぎらいや優しさという、より良い自分を目指すエネルギーがわいてきます。すべてがそこから始まるからです。友達から語らいや遊びを抜けば何も残らないと言っても言い過ぎではないように思います。それを失うような予防が必要な風邪ではないし、少なくとも普段のインフルエンザと比較しても子どもの感染死亡事例もない軽度の症状なのですから、ふざけ合う事もできないような過剰な予防を子どもに強いる必要は全くないと思います。

小学校全学年の35人学級を実現

35人学級に、学校現場は満足しているわけではない

前屋毅 | フリージャーナリスト
3/4(木) 7:00【Yahoo News】

小学校全学年の35人学級を実現するための国費を盛り込んだ2021年度予算が、3月2日の衆院本会議で可決された。いよいよ本格的に少人数学級への取り組みが動きだすことになる。しかし、それで終わりではない。

新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)の感染予防のために、少人数学級への要望が高まった。教室での密状態を避けるためだ。そして実に約40年ぶりに学級規模の引き下げが実施されることになった。その経緯から、少人数学級は新型コロナ対策だけのため、とおもわれがちである。もちろん、その目的もあるが、それ以外にも大きな目的があることを忘れてはならない。

なぜ、少人数学級の実現が必要なのか。それを理解するには、現場の教員の声に耳を傾けるのがいちばんだ。『もっと!少人数学級』(旬報社)には、少人数学級を体験した教員たちの思いも綴られている。

たとえば小学校教員の高橋公平さんは、「クラスの人数が少ないと授業中よく『喋る』と感じます。もちろん学習に無関係なおしゃべりではなく、授業の課題解決の場面や行事の縦割りの異学年交流などでも一人ひとりができることを進めようという想いがあると思います」と書く。

そして、「教師と子ども、子どもたち同士のかかわりの『濃さ』が、子ども一人ひとりの主体性を伸ばしているのだと考えています。『主体的・対話的で深い学び』につながる子どもたちの姿ではないでしょうか」と続ける。

佐藤光音さんは、中学の教員としてクラス全員が帰りの会で作文を読み合うという実践経験を書いている。その活動のなかで、「ともすれば落ちこぼれ」になりそうな子がクラスの人気者になっていく。

作文をとおして、クラスの子たちが彼に対する理解を深めていった結果だそうだ。大勢のクラスだと、それは難しいかもしれない。佐藤さんは、次のように書いている。

「人数が半分になれば一人ひとりの声を聞く機会が倍になり、それぞれの個性を互いに理解する深さが深まります」

少人数学級では人と人との物理的距離は離れるが、精神的距離は近づく。子どもたちの成長にとっては、はかりしれない「効果」をもたらす。

もちろん、授業も充実する。佐藤さんは、「例えば、机間巡視。人数が少なければ一周回るのにかかる時間が大きく変わります」と書く。教員が子ども1人あたりに目を配れる時間が、クラスの人数が少なければ少ないほど多くなるというのだ。それは、学習効果にも大きく影響してくるだろう。

いよいよスタートする35人学級で、こういうことが実現されていくのだろうか。あまり期待しすぎないほうがいいかもしれない。

先の佐藤さんの話も、実は25人学級での経験なのだ。佐藤さんは33人学級での経験もあるが、「33人学級で同じように作文の読み合いをしてもここまでの深まりにはたどり着くことはできませんでした」と書く。

約40年ぶりに引き下げられて35人学級になっても、まだまだ学級単位としては大きすぎるのだ。子どもたちが大きく成長し、学習効果も上げていくためにも、35人に留まらず、さらなる少人数学級の実現が必要なのだ。

同書のなかで山﨑洋介さん(ゆとりある教育を求め全国の教育条件を調べる会)は、「約11万人の教員、国・地方合わせて約1兆円の追加予算」で20人学級が実現できると述べている。学級人数を毎年度1人ずつ引き下げていって15年間で20人学級を実現し、その間に教員養成と教室など施設の確保もすすめていく、と具体的な方策も提言している。

35人学級がスタートするといっても、それがゴールではない。さらなる少人数学級を実現していかなければ、子どもたちのためにはならない。

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学校定数法では、35人を超えれば学級を分割して最低18人のクラスができるという仕組みです。つまり最高35人のクラスもあれば最低18人クラスもあるという制度で、平均すれば26.5人になるのです(現在の平均は30人)。記事にあるように最も教育効果が上がったと教員が感じられたのは22人なら30人学級にしないとその平均値は得られないのです。OECD加盟国の1学級の平均が21人なので、先進国標準の定員は26人です。

学級定員が減っても学力には大きな差はないという研究者もいますが、公費だけで教育費を賄う先進国と、私費を費やす日本では簡単に比較できません。日本の子どもたちはPISAでは比較的上位にいます。しかし、自己肯定感や幸福度、他者を助けた経験など、いわゆる「非認知能力」に関する調査結果は、諸外国と比べ明らかに低いのです成績以外のところで格差は生じているようにも感じます。学級定員を減らすのは武漢風邪の感染防止策などとケチなことを言わずに、中学校も含めて世界のトップ水準に教育水準を引き上げるとは言えないものでしょうか。

 

下着「白」を6割が指定

下着「白」を6割が指定 長崎 県立高校と国公立中学校

2021年3月5日 6時42分 【NHK】

長崎県内の県立高校と国公立中学校の6割が校則などで、下着の色を「白」に指定していることがわかり、県教育委員会は、色の指定やそれを確認する行為は人権問題になりかねないとして、見直しを求める通知を出しました。

長崎県の関係者によりますと、学校の校則や指導の在り方が全国で議論になる中、県教育委員会が県立高校と県内の国公立中学校の合わせて238校を対象に、校則や指導の際の基準となる「学校のきまり」について調査した結果、全体の58%に当たる138校が下着の色を「白」に指定していることがわかりました。

県教育委員会は、下着の色の指定や下着を確認する行為を例に挙げたうえで、校則などの中には人権問題になりかねない内容や、生徒の実情、社会を取り巻く環境の変化になじまないものが散見されるとして、今月2日付けで県立学校宛てに校則の確認や見直しを求める通知を出すとともに、各市や町の教育委員会などにも同じ文書を送りました。

また、今回の通知では、校則の見直しにあたっては生徒が話し合う機会を設けたり、保護者にアンケートを行ったりするなど、生徒や保護者が何らかの形で参加できるように工夫することも求めています。
県教育庁「かなり前につくられた校則か」
県教育庁の児童生徒支援課はNHKの取材に対し「学校が荒れていた時代に、風紀を守るために下着の色を『白』にそろえることになったと記憶している。かなり前につくられた校則がいまだに残っているのだと思う」と話しています。

そのうえで「人権問題の観点や時代が変わっていく中で、それに則した校則の見直しを積極的に検討していく必要があると考えている。通知を受けて、各学校で見直してほしい」と話しています。

女子中学生「下着の色を確認されるのも嫌」
みずからが通う学校では「学校のきまり」で下着の色が「白」に指定され、着替えに合わせて定期的に下着の色の確認が行われているという女子中学生が、NHKの取材に匿名で応じました。

この女子中学生は「体育の授業で着替える時に女性の先生が教室にいて『下着は白じゃないとだめだよ』と言われることがある。人それぞれ買いたい下着の色やサイズも違うので、店によっては白ではない色しか売っていない場合もあり、今の時代に白だけというのはちょっとどうかなと思う。下着の色を確認されるというのも嫌なので、白だけというルールは変わってほしい。授業では白以外の下着を着ていても支障はないし、むしろ白ではないほうが下着も透けないと思う」と話しています。

専門家「方法によっては人権的にも問題」
長崎県内の教育現場にくわしい長崎大学教育学部の池谷和子准教授は「下着の色に関してまで細かく校則で規定する必要はないのではないか。下着を実際に確認する行為もあるので、それがいったいどのように行われているのか、方法によっては人権的にも問題になってくる」と指摘しています。

そのうえで、池谷准教授は「生徒には『校則があるからただ従う』というのではなく、どうして制限がかかっているのか、その必要性を理解し、将来的には自分で判断できるように成長してほしい。学校には教育機関として子どもたちにそういうことを考えさせる機会を作り、子どもたちの要望によっては、果たしてこの制限がいま現在の社会で本当に必要なのか判断していくことが重要だ」と話しています。

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長崎は武漢風邪の感染防止アプリ(健康状態集約アプリ: 02/05) で先進的な働きを以前紹介しただけに、ショックです。穿った見方をすると、県民は子どもの頃から管理慣れしているのでこのアプリも平気だったのかなと妙な想像をしてしまいます。長崎の学校は何時代なんでしょう。先日の大阪府立高校の頭髪色不登校賠償裁判では学校の裁量権が広く認められたのですが、こういう事は裁判にはなじまず大人側のセンスの問題なのだと思います。いつの時代も古いものは排斥され、未来の世の中では笑い話になるのですが、「服装の乱れは心の乱れ」と本気で考えている人にはなかなか通じません。