すてっぷ・じゃんぷ日記

今日の活動

新リーダー

去年まですてっぷの小学生メンバーをひっぱってくれた上級生たちがそろって卒業し、今年は新5年生のG君が小学生メンバーの最上級生になりました。

上級生たちがいなくなった新年度のある朝、G君が事業所の外で顔を伏せて座り込んでいました。G君の好きなH先生がじゃんぷに異動になり、すてっぷには来ないことを、その日初めて知ったのです。たまたまG君を見つけた職員から「どうしたの?」と聞かれ、G君は涙ながら答えました。

「H先生がいなくなって悲しかった。(H先生のいる)じゃんぷに行きたい。でもすてっぷにはI君(G君と同じ小学校の年下の友だち)を誘ってきたから、じゃんぷに行けない」

その場はひとまず職員が気持ちを受け止め、公園への先発組から離れて落ち着いてから、後発組と一緒に公園に行き、遊んで集団に戻っていきました。以前は泣くほどショックな状況だと支離滅裂な説明になってしまっていたあのG君が…、と理路整然と説明できたことに驚きつつもすごいですねと職員が報告していると、別の報告が。

 実はその後、公園でひと悶着あったようで、G君は他の職員に、「I君とはもう遊ばない!じゃんぷに行く!」と話したそうです。なんでも、年下のI君が、年上のG君にお兄さん風を吹かせてしゃべるのが苦手だそうで。「親の心、子知らず」ならぬ「兄の心、弟知らず」。G君はこれから、どんなリーダー像を見せてくれるのでしょうか。楽しみです。

学習意欲の引き出し

じゃんぷに来ているF君は昆虫が大好きです。「今日アゲハ蝶いたで!」「学校で大きいミミズ見つけてん!」と報告してくれます。「じゃんぷの近くの木に樹液あったで!あれに虫が寄ってくるねんな~」と虫に関連したことも嬉しそうに話してくれます。

学習に関してはやはり苦手意識を持っているようで,特に漢字の宿題は「書くの嫌やな…」と言いながら取り組む姿があります。

先日個別学習の中で学校での勉強以外に「虫・昆虫の漢字」を見せました。F君は興味津々になって「これ蝶(ちょう)やろ!知ってるで!」「蜘蛛(くも)も読めるで!」とどんどん話してくれました。もちろん読めないものもありますが,「黄金虫は『コガネムシ』って読むんか,なんで?」「『コガネ』だからじゃない?」「なるほど~」と言いながら読んでいました。

「書けるかな?難しいかな…」と言いながらも漢字に対して興味を持った姿を見せてくれました。

じゃんぷ近くの樹液が出ている木です。

疲れの出方

じゃんぷに来ているC君,E君が休憩時間中,テンションが上がってはしゃいでいます。

普段からそういった面がある子どもですが,一段とテンションが上がってしまい,周りからの声が入らない様子です。仕切りを作り,別々に片付けの役割を与えてなんとか落ち着きを取り戻しました。

落ち着いてから「どうしたの?」とC君に聞くと「友達と一緒にいたらテンション上がっちゃうねん…」と話してくれました。個別学習の時間は「おはなし」の時間を作り,息抜きをしつつも学習の時は集中して課題をこなしている子です。そうなってしまう自分のことも少しは分かっているようなので,個別の時間は落ち着けていることを褒めつつ,「どうしたらいいかな?」と一緒に考えていこうと思っています。

また,E君は帰り際にボソッと「先生,俺疲れてるかも…」と言ってくれました。帰り際だったためあまり深くは話せていないのですが,「そうなんや,言ってくれてありがとう」と伝えました。

新学期が始まって1ヶ月が経とうとしています。以前,疲れた… ( : 04/21)で書きましたが子どもの疲れが様々な形で出てきているようですね。GWでリラックスしておいで~

対称な図形

先日じゃんぷに来ているD君と6年生の算数「対称な図形」の問題に取り組みました。

「対称な図形」の詳細は省きますが,線対称,点対称の図形を調べたり対応する角,頂点,辺を見つける単元です。「対称な図形」に限らず,図形は学習内容が定着しにくい単元です。単純な計算とは全く違うことと,コンパスや三角定規を使った作図の問題があるため,一つ一つの問題に時間がかかります。そのため計算問題よりもこなす問題量が少なくなってしまい,定着に時間がかかる子どもが多いです。

D君も線対称,点対称の意味はわかっていますが,いざ問題となると頭の中で図形を折ったり回転させたりするので一度混乱すると頭がいっぱいになってしまいます。

一回最初に戻り,アルファベットをシートにしたものを渡して線対称,点対称の振り返りをしました。すると一旦冷静になれたからか,その後の問題はスラスラと解いています。

どの教科でもですが,自分で操作して学習することは大事だと考えました。筆者自身教員時代,教科は違いますが理科の研修を受けた時に「実感を伴った理解が子どもにとって大切」と教えてもらったことがあります。小学校学習指導要領解説 理科編にも載っていることですが,改めて思い出した瞬間でした。

新出漢字の読み支援

じゃんぷに来ている子どもの中には国語の教科書の内容を使って,新出漢字の読みに取り組んでいる子どもがいます。

学校の授業では新出漢字を教えますが,漢字ドリルを中心に漢字の読み,熟語,書き順,練習といった順番で指導するのが一般的です。

読むことに苦手意識を持っている子にとっては新しい漢字の読みを覚えるだけで力を使い果たし,その後の書き順や練習はついていくのでいっぱいいっぱいになります。更に書くことに苦手意識を持っていると書き練習にまで頭が回らなくなってしまいます。

なのでじゃんぷの個別学習の時間で新出漢字を単元ごとに分け,フラッシュカード風にしたものを使っています。子どもによりますが,絵をつけたり解説する時間も取っています。子どもが教科書を読んだ時に「読める,意味が分かる」と思えるように学習をしています。