すてっぷ・じゃんぷ日記

今日の活動

「僕もまた行っていい?」

 9月は面談月間。すてっぷでは利用者さんの全員ではありませんが、半分以上の保護者の方に、この期間に事業所まで来ていただき、支援計画更新の面談をしています。普段から送迎時などで保護者の方からお話を聞く機会はあるのですが、面談の時は1時間ほど時間をいただき、ご自宅の様子など聞かせていただける貴重な時間です。先日、小学校高学年のGくんの保護者様から、ありがたいお話を聞かせていただきました。

 Gくんは興味のあることや学校で聞いた印象深い話をしっかり覚え、職員や友だちにそらんじて話す賢い子です。一方で出来なかったり負けたりと言ったネガティブなことがあると、イライラなどの負の感情をコントロールできず、友だちとのトラブルになる事もしばしばありました。ですがすてっぷに通い、負の感情をコントロールできたという経験を積んだことで、ご自宅でも成長した姿を見せてくれたそうです。

 Gくんはパソコンに興味があり、新しくパソコン関連の習い事を始めることになりました。パソコンの操作ができるようになってきたGくんですが、やはり新しく習うことなので、すぐにはできないことがありました。それを見ていた保護者様(便宜上、お母さんとさせていただきます)は経験上、(イライラする!やめる!)と言い出すのではないかと思われたそうですが、なんとGくんは「教えてください」と落ち着いて聞けたそうです。また別の日、Gくんは友だちの家に遊びに行きたいとお母さんに相談しました。これまでは友だちの家に遊びに行ってもトラブルが続いていたGくん。お母さんはどうしようかと悩んでいたところ、Gくんから「心配なら4時にいったん帰ってくるよ」と言ったのです。お母さんがそれならとOKしたところ、約束通り4時に戻ってきたGくん。「だってお母さんと約束したから。でもみんな6時まで遊ぶんだって。僕もまた行っていい?」とお母さんに言いました。お母さんはGくんの成長を感じながらまた送り出されたそうです。

 このブログでは普段、子どもたちの事業所での様子や成長を書いていますが、やはり自宅や学校が生活の主軸です。そういった場面での子どもの成長や頑張りを聞かせていただくと、その成長の一端となれたことをとてもうれしく感じます。事業所での活動や支援が子どもたちの支えになるよう、気を引き締めて取り組んでいきます。

最高学年リーダー!

 すてっぷに通う小学校6年生のEくんは優しく、友だち思い。もともとは積極的に友だちに声をかけて行くタイプではありませんが、最高学年のリーダー役として、持ち前の優しさを発揮しています。

 先日のことです。小学校中学年のFくんは送迎車がすてっぷに着いた後、車からなかなか降りられないことがあります。そんなときは友だちから声をかけると、スムーズに降りられる日が続いていました。この日も車から降りられないFくん。そこで職員からEくんに声をかけてもらうようお願いしました。するとEくんはFくんのところに行って送迎車のドアを開けると、テンション高く「何してるの?」と言ったのです。続けて「出てきて」と声をかけると、Fくんは笑顔で車から降りてすてっぷに向かいました。

 普段のEくんからは考えられないテンションと言い方です。気になった職員が後でEくんに尋ねると、○○のキャラクターの話し方だと教えてくれました。○○はすこしややこしいのですが、某有名Youtuberの二次(三次)創作のキャラクターで、Fくんが大好きだと言うのです。Fくんの好きなキャラクターを狙って模倣して声をかけたEくん。職員は脱帽です!

 そんなEくんは取り組みの中でもリーダー役をがんばっています。ある日の公園遊びではドッチボールのチーム決めを5年生のGくんと一緒に引き受け、「チーム決めするよ!」と元気に声をかけていました。この日はスムーズにいかず、Eくんも暑さでばててしまったようで、職員が支援に入りましたが、もうじき運動の秋。涼しくなってくる中、Eくんがリーダー役を果たせたという経験を積めるよう、しっかりと支援していきます。

中学年リーダー!

 すてっぷに通う小学校中学年のDくん。この夏、目をみはるばかりの成長を見せてくれています。

 今の小学校グループは、2年前のリーダーたちが卒業してから新しく入ってきた子たちが中心です。高学年の子もいますが、どちらかというと年下をリードするというタイプではありません。子どもたち主体で話し合う場面(公園で何をして遊ぶ?など簡単な設定)は作りながらも、職員が支援しながら進めてきました。

 Dくんはこれまで、こういった話し合いの場面では、積極的に発言することはありませんでした。「ドッチボールがしたい!」など単発的に発言をすることはありましたが、みんなで決めるという過程のなかにはなかなか参加しません。それは言い方が強すぎたり、提案が通らなかった時に感情コントロールができなかったりなどの失敗経験があったのかもしれません。

 そこですてっぷでは友だちと楽しく遊べたという経験を増やしていくとともに、話し合いの機会を作る中で友だちと話すことや折り合いをつけるなどのコミュニケーション・社会性課題の成功体験を増やしていきました。そしてDくんの年下の子も増え、迎えたこの夏。Dくんは見事!リーダーシップを発揮してくれています。友だちに「何をする?」と聞いてくれたり、「グッパでチームを決めよう」と提案してくれたり。また年下の女の子に気遣って「やさしく投げようか」と声をかけるなど、相手の立場に立った提案をしてくれています。

 友だちへの優しい声掛けや提案が増えたDくん。一方で突発的に強く反応したり否定してしまったりということもまだ見られます。失敗経験につながってしまわないよう、丁寧に支援を続けていきます。

「7,8、10ありがいい!」

小学校に通う子どもたちのグループで今はやっているのがトランプゲームの大富豪。ボードゲームの取り組みの際に、子ども一人ひとりがやりたいゲームを持ち寄って、みんなで遊びや順番を決める機会を作っているのですが、最近は「大富豪がいい!」と声が上がるようになりました。

 大富豪はトランプ遊びでポピュラーなものですが、この1年程はすてっぷではあまり取り組んできませんでした。小学校グループの大半が入れ替わったタイミングで、みんなが知っているゲームよりも、誰も知らないゲームを導入から楽しむということを狙ってきたからです。ですが高学年も多くなり、修学旅行など普段はあまり遊ばない学校の友だちと遊ぶ機会も増えてくるだろうと、大富豪を職員から提案することにしました。

 さてこの大富豪、ご存じの方も多いと思いますがローカルルールが大変多いゲームです。8切りは大富豪を知っている人ならほとんどが知っているルールだと思いますが、それ以外にも10捨て、7渡しなどのルールもよく導入されます。すてっぷでも、ここまでのルールを最初に導入しました。他には5スキップ、9リバースなど(UNOが元ネタでしょうか)調べれば調べるほどローカルルールが出てきます。ただ子どもたちには「大事なのはどのローカルルールを採用するか事前に相談して決めること」を伝えています。みんなが知っている遊びだからこそ、普段は遊ばない友だちとはすれ違いが起きる可能性があります。なのですてっぷで取り組むときも、始める前に「どのルールありにする?」と子ども同士で相談する機会を作っています。

 先日も職員から子どもたちに提起したところ、「7、8、10ありがいい!」「7って何?」「なんでもいいから1枚次の人に渡す」「それ分からんからなしがいい」と次々と意見を出し合うことができました。まだ相談して決めることは難しいので職員が支援に入っています。この日は8切り、10捨てがありのルールで遊び、10捨てを駆使した子が見事1位になりました。ところで大富豪で有名なルールの革命は?というと、2枚出しならまだしも、3枚出し、4枚出しは経験が少なくてわからない!という子が多く、さらに4枚出しなら強さが入れ替わるよと言うとさらに??となるようです。まだまだすてっぷで経験を積む必要がありますが、普段は遊ばない友だちから「大富豪しよう!」と誘われたら、「いいよ! どのルールありにする?」と応えられるよう、今から少しずつ取り組んでいきたいと思います。

支援計画

先日とある研修に行きました。

放課後等デイサービス以外の、様々な福祉施設の方と一緒に相談支援計画を元に事業所内での支援計画を話し合いながら作成する、というものでした。

架空のAさんの事例を基にグループで話し合って作成していくのですが想定された事例のAさんは29歳の施設を利用している方、という設定でした。筆者は小学校教員→放課後等デイサービスで働いた経験しかないため大人の障害を持った方のことを全く知らないな、と思い知らされました。

同じグループ内には就労支援であったり作業所であったりと、大人の障害を持った方と関わる仕事をされている方が多く、筆者が思いつかないような支援が次々と出て、大変勉強になりました。それと同時にすてっぷ、じゃんぷで関わっている子ども達が将来について今より少し具体的に想像できるようになったと思います。

どの分野の方も、「子ども(利用者)中心に考え、支援計画を作る」ということを前提に考えられていました。研修はあくまで架空のものなので多少現実的ではないようなことも「これは〇〇さんにとって面白い活動なのではないか!?」とアイデアが出ましたが、利用者が望む生活、楽しめる活動を目指して計画、活動を考えることはやはり教育でも福祉でも大事なことだと改めて考えさせられた時間でした。