みんなちがってみんないい
教職員、保育士らに定期PCR検査
教職員、保育士らに定期PCR検査 大阪・寝屋川
5/6(木) 【産経新聞】
寝屋川市は、子供への新型コロナウイルス感染を防止するため、市立小中学校の教職員、保育所・幼稚園などの業務従事者らを対象に、2週間に1度のPCR検査を実施することを決めた。期間は6月から9月末までを想定しており、学童保育所である「留守家庭児童会」や放課後デイサービスの関係者も含め約200施設の最大約4250人が対象となる。同市によると府内初の取り組みという。
学校や園などに検体の唾液を入れる容器を配送し、保健所が回収して検査機関に回す。対象者に費用の負担はなく、経費約3億1700万円の補正予算が市議会で可決された。
同市では学校や園で感染者が発生した場合、クラス全員のPCR検査と2週間の学級閉鎖を実施するなど独自の対策を定めているが、「教員らが感染した場合は学年閉鎖などで子供や家庭に大きな影響が出るため、無症状のうちに早期発見を図りたい」としている。
同市ではすでに2月から特別養護老人ホームなど21施設のスタッフ約770人を対象にした2週間に1度のPCR検査を実施。これまでに2件の感染者が判明している。
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PCR検査は顕微鏡では見えないウィルスに感染したかどうかを調べる検査で、予防薬でも治療薬でもありません。それなのに、一部の人たちは何故かPCR検査をすると安心・安全だと言います。武漢風邪は感染後すぐに体内でウィルスを増殖して体外への排出が始まるので、発症前から監視する必要があるというのが、PCR検査を予防に使うと言う人の意見です。しかし、PCR検査が100%の精度ではないことで様々な問題があることはあまり言われていません。
PCR検査キットの感度(陽性発見確率)が70%で特異度(陰性発見確率)が99%だったとします。100万人の中に1万人が感染していると仮定した場合、感度70%の検査では感染者のうち3000人は陰性と判定されてしまいます(偽陰性)。感染していない99万人が特異度99%の検査を受けると、98万100人の人は陰性と判定されますが、9900人は陽性と判定されてしまいます(偽陽性)。
どんなに精度が高い検査でも、100%という検査はありません。したがって、検査をすればするほど偽陰性や偽陽性が多く発生することになります。しかし、検査数をいくら増やしても実際に感染している人数は変わりません。人口23万人の寝屋川市に4000人の対人サービス職員がいるとすれば、数値はこの250分の一ですから12人の擬陰性40人弱の擬陽性が2週間おきに出現するというわけです。9月までなら120人の偽陰性、400人の擬陽性です。
120人の偽陰性者は、陰性だったからと施設や園、学校で接触感染を繰り返します。400人の擬陽性者は感染法2類の位置づけでどんなに元気でも2週間の隔離を行い、職場はなかなか得にくい本来探さなくてもよかった400人の補充者を探し、家族も濃厚接触者も肩身を狭くして学校や職場に行けず、PCR検査の結果が運悪く擬陽性ならまた同じ繰り返しが始まります。
そもそも子どもには重症者はいないのですから、学校や園に予算を割くより老人施設と医療施設にその予算を割くべきです。重症ベッド数と医師・看護師を増やし、施設職員やケア要員を通常の倍程度に増やしたほうが現場は相当助かるでしょう。政治家や役人の「頑張ってます」アピールのパフォーマンスではなく、言いやすい人にだけ努力を強いるのではなく、言うべき人に言うべきことを言い、やるべきことを行い、武漢風邪で苦労している現場が一息付けて役に立つ施策をお願いしたいものです。
幼児や学童に集団発生「アタマジラミ症」
幼児や学童に集団発生「アタマジラミ症」 普通のシャンプーで寄生予防
2021年5月11日【読売新聞】
皮膚のトラブルでは、大阪医科薬科大の森脇真一教授(59)に聞きます。(聞き手・東礼奈)
◇皮膚のトラブル(15)アタマジラミ症洗髪で予防
「アタマジラミ症」は、頭部のみに寄生する「アタマジラミ」が、頭皮から血を吸うことによって起きる虫刺症です。初期は無症状ですが、寄生する成虫が増えれば、頭がかゆくなってきます。頭同士の接触や、ブラシ、帽子、寝具、タオルなどの共用でうつるため、季節を問わず幼児や学童間で集団発生します。
成虫の体長は2~3ミリ。卵は1ミリくらいで、毛髪の中に白く見えます。しかし、しっかり固着しているので、引っ張ってもなかなか取れません。
虫や卵を拡大鏡で観察すれば、容易にアタマジラミ症を診断できます。学校からの指示で受診される子も多く見られます。治療では、家庭用殺虫剤と同じ成分の「フェノトリン」が配合された市販のシャンプーやパウダーを使います。ただし、成虫と幼虫にしか効きません。卵は1週間で 孵化ふか するので、3日に1度、3~4回繰り返します。
最近、沖縄ではフェノトリンが効かないアタマジラミが増えており、本土でも、その割合が5%を占めることが確認されています。フェノトリンを使いながら、成虫や卵を物理的に駆除できる「すきぐし」で髪を根気よくとかすことも必要です。すきぐしはインターネットなどでも購入できます。
男児では髪を短くすることも有効です。普通のシャンプーで洗髪すれば寄生を予防できるので、集団発生があれば頻繁にお子さんの頭部をチェックし、しっかり洗ってあげましょう。
アタマジラミ症は軽い湿疹やフケ症とも似ていますが、自己判断は禁物です。症状や、周囲での流行状況などから「もしかして」と思ったときは、すぐに皮膚科の受診をお願いします。
【略歴】
森脇真一(もりわき・しんいち)
皮膚科専門医。大阪医科大卒。京都大、浜松医科大などを経て2009年から現職。医学博士。
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昔はプールで集団発生することが多かったですが、最近は子どもの洗髪が管理できない家庭が増えてくる中で発生する事も少なくないようです。特にボディーイメージが弱く、かつ、物事の段取りが苦手な発達障害の子どもの場合、頭を濡らすだけだったり、シャンプーを表面につけるだけで隅々まで洗えていないことが多いです。また、女子の場合はアニメの憧れでロングヘアーにするのですが、自分のイメージだけで伸ばしているので鏡を見てチェックすることも少なく、櫛で整髪したりのケア管理も不十分で、気が付くとアタマジラミが発生することがあります。
基本はショートヘアーの方がボディーイメージも持ちやすいし、洗う順序も多くないのでお勧めです。どうしてもロングを子どもが主張する場合は、洗髪の際に大人が介入する(日常的に手伝う)ことを条件にして認める場合もあります。これから汗ばむ毎日です。武漢風邪よりもアタマジラミの方が他人の帽子やタオルの接触感染に注意しなければなりません。帰宅してきたら髪の毛の生え際のチェックをしてあげることも大事かもしれません。
子どもの受診控え増加コロナ感染恐れ、健康状態悪化
検診後、子どもの受診控え増加コロナ感染恐れ、健康状態悪化が顕著
2021/5/11 12:24【山形新聞】
県内の医師、歯科医師が加入する県保険医協会(中島幸裕理事長)は10日、学校での健診後の受診状況に関して、新型コロナウイルスの影響を調べたアンケート結果を公表した。2020年度の未受診率では、高校の歯科が8割を超えた。これに伴い小学校では肥満や視力低下、虫歯が増加するなど健康状態の悪化が見られた。
調査は県内全ての小学校、中学校、高校、特別支援学校を対象に今年2月から3月にかけて行った。149校から回答があり回答率は36.2%。19年度(特別支援学校は調査対象に含めず)の7.8%を大きく上回った。
健診・検査の未受診率は歯科、眼科、視力、耳鼻咽喉科、聴力、内科について尋ねた。20年度は全体で歯科が47.6%で最も高く、次いで耳鼻咽喉科41.3%、眼科40.6%だった。中でも高校歯科が82.2%に上り、唯一8割超となった。19年度との比較では、最も差が開いたのは中学校内科が36%増の46.7%となった。
受診していない児童、生徒が多い理由を、同協会は▽新型コロナの感染を恐れた受診控え▽水泳授業がなくなり眼科・耳鼻科で所見があった子どもの未受診者の増加―などとした。
一方、未受診の要因で関連深いと思われる家庭状況(複数回答可)では、最多が「子どもの健康への理解不足」で、「保護者が共働き」「保護者が子どもに無関心」と続いた。
新型コロナの感染拡大による影響が「ある」と答えたのは小学校が最多の52.1%で、次いで中学校が34.5%。このうち小学校は「肥満の増加」が最多で、「視力低下」「保健室登校の増加」「虫歯の増加」などの事例が確認された。
同協会は「コロナ禍で子どもの健康状態の悪化が顕著になり、健康格差が懸念される」とし、「子どもの健全な発達のため、保護者への啓発など対策に乗り出す必要がある」としている。
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メディアの容赦ない感染恐怖の煽り報道がこんなところにも影響しています。「水泳授業がないなら泳げないのは同じだし、治療は感染の可能性が少なくなってから」とか「歯科は直接口腔内の治療なので感染可能性が高いのではないか」と保護者や子どもが考えても無理はないと思います。元々子どもの健康への理解不足があるにしても、感染騒ぎで余計に行かない理由を与えてしまうのでしょう。
外遊びが少なくなれば、家の中でゲームなどの遊びに変わるのは自明の理で、教育関係者でなくとも予測のつく事です。自治体の公園課は感染防止のために、昨年の4月と同じく公園のロックダウンをしています。公園や公園の遊具を封鎖したらどの程度の感染予防になるかどうかのエビデンス調査もしないまま、自粛ムードだけで公園ロックダウンをしているとしか思えません。同じ自治体内の教育や保健行政から子どもの健康上公園は開けて欲しいと言う要請はなかったのでしょうか。緊急時でも縦割り行政は強固に維持され、クレームを恐れる行政は報道に煽られた市民の声にどんどん臆病になっていきます。
オリパラ開催が可能な理由に、海外に比べて「さざ波程度」の感染者数と表現しただけで、武漢肺炎で亡くなった死者への冒涜だという意味不明のバッシングがありました。数値や根拠に基づかない感情的な煽りが、子どもを室内に閉じ込め、子どもの健康を害していることについては、こうした人たちの想像にも及ばないのでしょう。白血病から軌跡のカムバックをした池江選手に五輪辞退求める声もひどいものです。水泳アスリートを目指す子どもたちの目にこうした大人たちのやりとりはどう映るでしょう。公園の遊具を開放するくらいでは、子どもの肥満は解消しないでしょうが、事実と根拠に基づいて勇気をもって行動する姿はきっと子どもたちのお手本となるはずです。
世界2位の富豪、アスペルガーを公表
世界2位の富豪、アスペルガーを公表「変な投稿も、脳がそう働くから」
5/13(木) 【女子SPA!】
イーロン・マスク氏
天才実業家として知られ、昨年発表された長者番付で世界2位に選ばれたイーロン・マスク氏(49)。先週末、人気コメディー番組に出演し、自身がアスペルガー症候群であることを明かした。番組のなかで同氏は、これまで過激な言動で批判や炎上を招いてきたことについて、「脳の働きによるもの」と自虐的に語った。
僕は今夜歴史を作ることになる
米電気自動車(EV)大手のテスラと宇宙開発企業スペースXを創設し、「アメリカで最も革新的なリーダー」の1人と呼ばれているマスク氏。
今年発表された長者番付では一時、アマゾンCEOのジェフ・ベゾス氏を抜き世界1位の富豪に。その直後、ベゾス氏が1位に返り咲いたものの、マスク氏もその莫大な資産で世界2位に君臨している。
そんな桁外れな実業家であるマスク氏は先週末、米人気コメディー番組『サタデー・ナイト・ライブ(SNL)』に出演。番組のオープニングで驚きの告白をした。
「『サタデー・ナイト・ライブ』の司会を務められて光栄だ。本気でね。僕の場合、何かを発言した後に、それを“本気で言っている”とみんなにわざわざ言わないといけない。僕の話し方には抑揚や変化があまりなくて、コメディに向いているらしいからね」
「実のところ、アスペルガー症候群という障害を持つ人物として初めて、『SNL』で司会を務めることで、僕は今夜歴史を作ることになる」
アスペルガー症候群は神経発達障害の1つ。他人との関係構築やコミュニケーションに困難が生じることがある一方で、特定の分野へのこだわりや集中力が強く、成功を収める人も多いといわれている。最近では、「自閉症スペクトラム」という呼び方をされることが多い。
マスク氏の告白に会場では喝采が起こったが、2003年に同番組の司会を務めたコメディアンのダン・エイクロイドもアスペルガー症候群を公表していることから、ネット上では「事実と異なる」と指摘する声もあがった。
これまでの問題発言、子供のキテレツな名前もネタに
番組の中では、これまでたびたび批判や論争を巻き起こしてきた自身の言動についても言及した。
2020年にパートナーとの間に誕生した子供に「X AE A-12」というキテレツな名前を付け、世間をざわつかせたマスク氏。今回、その名前の読み方が「キーボードを駆けぬける猫」であることを明かした。
また、SNSで炎上を引き起こし、ときに訴訟沙汰に発展するほど、過激な言動を繰り返していることについては、次のように説明した。
「私が、ときおり変なことを言ったり投稿したりしていることは自覚している。でもそれは、私の脳がそう働くからだ」
「私の発言で気分を害した人にこう言いたい。私は電気自動車を考案し、宇宙船で火星に人を送りこもうとしている。そんな人間が、落ち着いていて、フツーの奴だと思ったか? とね」
マスク氏は、2018年4月1日のエイプリルフールに「テスラ社が破綻した」とツイートし、株価を最大8%下落させた。それ以外のツイートでもたびたび波紋を呼び、米証券取引委員会(SEC)に訴えられたことも。また、タイで少年らが洞窟に閉じ込められる事故が起きたときには、現場で救助にあたったダイバーを「小児愛者の男」と呼び、批判を浴びた。
放送中の発言で株価急落
今回のSNLで、暗号通貨のドージコインについても言及したマスク氏。「母の日スペシャル」ということで、番組に登場した母親のメイさんが、「母の日のプレゼントを楽しみにしているわ。ドージコインでないことだけを願っているわ」とコメントしたところ、「それだよ。その通り」と冗談交じりに返答した。
さらにドージコインについて、「世界を席巻する制止できない乗り物」とした一方で、「詐欺みたいなもの」と表現した。マスク氏のこの発言直後、ドージコインの株価は急落した。
<文/BANG SHOWBIZ、女子SPA!編集部>
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高級電気自動車、走るスマホと言われるテスラ、1段目と4段目が帰還するエコロケットのクールドランゴンの開発者兼経営者。マスク氏は米国でスティーブ・ジョブスを超える注目を集めています。彼が高機能ASDであるアスペルガー障害をカミングアウトした理由はわかりませんが、米人気コメディー番組『サタデー・ナイト・ライブ(SNL)』でも彼のこだわる一番乗りをしたかったのではないかと想像します。
二人の女性と3度の離婚をし、7人の子どもをもうけ、今またジョニー・デップと離婚したアンバー・ハードと交際しているという49歳の彼の私生活もジェットコースターのようにスリル満点です。2021年現在、純資産が19兆9,586億円超に達し、アマゾンのジェフ・ベゾスと富豪世界一の戦いを続けているマスク氏は、第3位のビル・ゲイツと同じプログラマーでありエンジニア出身の経営者です。著名な人が発達障害のカミングアウトをしてくれるのは子どもたちに良い影響を与えると思います。
小学生のスマホは慎重に
小学生のスマホは慎重にいじめ、犯罪のおそれも
2021年05月14日【産経新聞】
スマートフォンが小学生にも普及する中、SNSを巡るトラブルも増えている。ささいな行き違いから友人間でのネットいじめに発展したり、犯罪に巻き込まれたりするケースも。だが、SNS上でのトラブルを学校や保護者が把握するのは難しい。子供にどのようにスマホを使わせるべきか、慎重に考える必要がある。(木ノ下めぐみ)
大阪府東部に住むパート勤務の女性は、3年前に次女が巻き込まれたSNS上でのトラブルが、今も尾を引いていると話す。
炎上、不登校に
きっかけは、些細(ささい)なことだった。小学5年生だった次女が訪問先で撮影した犬の写真をFacebookに投稿したところ、グループ仲間の女児が「他人の犬の写真を勝手に上げるのはルール違反」との趣旨をコメント。次女は許可を得たことを説明したが、その後は「Instagram」や「TikTok」など、ほかのSNSにも写真や動画などを投稿するたびに批判され、“炎上”状態になった。
女性は次女の投稿内容を把握しており、「変な内容はなかった」と振り返る。状況が一向に改善しないため、投稿を控えることやアクセス制限、退会も勧めたが、次女は「退会したら学校で何をされるか」とおびえた。
次第に「学校にもネットにも居場所がない」とふさぎこむようになり、今も学校を休みがちな状態が続いているという。
被害、5年で倍増
短い言葉だけでやりとりするグループチャットは、大人同士でさえ誤解を招きやすい。実は、SNSには高度なコミュニケーションスキルが必要だが、生まれたときからインターネットが身近な「デジタルネイティブ」世代の子供たちは、ネットは使いこなせても、そこに潜む危険性を理解できているわけではない。
警察庁のまとめでは、2020年にSNSをきっかけに犯罪に巻き込まれた18歳未満の子供は1819人。全体の被害者数は前年から263人減少したが、小学生の被害は12人増の84人で、5年間で倍増している。背景にあるのが、スマホの普及だ。内閣府の20年度の調査によると、スマホでネットを利用する小学生442人のうち、41%が自分専用のスマホを持っていると回答した。
SNS上でのトラブルに遭遇した女児も、学童保育を卒業した小4のときに専用スマホを持ち始めた。母親の女性は「仕事で不在がちなので、スマホを持たせれば子供と連絡をとりやすく、安心できた」と話す。
規約浸透せず
実は、ほとんどのSNSは13歳未満の子供の使用を認めていない。Twitterは保護者の同意が必要で、近年小学生にも人気のTikTokは保護者が認めたとしても「アプリを使用できない」と規約に明記している。
だが、規約の内容が十分に保護者に浸透しているとは言い難い。東京都が21年、子供にスマホなどを使わせている保護者を対象に行った調査では、小学校高学年の保護者260人中、SNSの利用に年齢制限があることを知らなかった保護者は41.8%と、半数近くに上った。
子供たちに比べて、学校側や保護者はSNSで何ができるのか、知らないことも多い。例えばSNSを使っていなくても、オンラインゲームのチャット機能を使えば、不特定多数とのやり取りは可能だ。20年9月には、横浜市で小4女児がスマホ向けオンラインゲームのチャット機能で知り合った男に連れ去られる事件が発生している。
保護者はなぜ、小学生にスマートフォンを持たせるのか。
通信・ITサービスの調査を行うMMD研究所が19年12月、保護者約1000人を対象に行った調査では、小学生の子供にスマホを持たせる理由で多かったのは「習い事に通い始めた」(20.6%)、「学校の行き帰りが心配」(18.9%)など、子供の安全確認を目的としたものが多い。
ただ、子供たちのスマホ利用を保護者が管理できているとは言い難い。
内閣府の20年度の調査では、スマホを小学生に使わせている保護者の95.2%が利用時間や閲覧できるサイトの制限といった管理をしていると答えた一方、子供が具体的にどんなサイトを見ているのかなど、利用状況まで把握している保護者は40.3%だった。
子供のネット利用などに詳しい兵庫県立大学の竹内和雄准教授は「どうしてもSNSを子供に使わせたいなら、どのように使用しているかを親がもっと監督すべきだ」と指摘。「子供にいつからどのようにSNSを使わせるべきか、社会全体で議論する必要がある」としている。
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SNSの問題と言うより、それは学校でいじめがあると見るべきで、SNSがきっかけになっただけで、SNSの問題ではないように思います。確かに、デジタルコンテンツが小学生まで使えるような時代になっているのに、大人の管理指導がその浸透速度に追い付いてないことで生じている現象とも言えます。だからと言ってスマホを使うなと規制することはもはや不可能です。
ただ、スマホの個人識別はやろうと思えば簡単にできますから、端末の使用者が未成年である証明提供を、携帯会社が行う仕組みやそれに基づいた法規制はやろうと思えばすぐにできる内容です。未成年と識別される情報提供のある携帯端末はSNSにはアクセスできないようにするのは簡単なことです。
また、法の網をかけなくても、子どもの携帯端末の管理ソフトを使えば、大人の判断でアプリをインストールできなくすることも可能です。子どもの携帯端末の管理は保護者の責任です。少なくとも子どもに携帯を与えるなら管理ソフトを使ったり、管理会社と契約するのは親の義務だと思います。しかし、事はこうした親のネットスキルだけの問題でなく、子どものネットリテラシーやモラルの育成が課題だと思います。法律家や政治家は社会的規制をかけることを検討し、親や教育関係者はスマホの責任にせず、ぶれずに人権教育を進めていくことが大事なのだと思います。
ドラゴン桜
『ドラゴン桜』は現実味ゼロ──関係者が語る「底辺校」の残酷な現実
2021/05/14 【日刊サイゾー】
文=藤井利男(ふじい・としお)
『ドラゴン桜』(TBS)
低偏差値の高校に通う落ちこぼれの生徒たちが、カリスマ教師の優れた指導のもと、半年で東大に合格する──現在放送中の『ドラゴン桜』(TBS)は、そんなストーリーで好評を博したドラマが16年ぶりに復活した作品だが、現実は常にドラマよりも残酷だ。
『ドラゴン桜』は同名のマンガが原作の物語。「つべこべ言わずに東大に行け」を決めゼリフとする主役の「桜木建二」(阿部寛)が教壇に立つ高校は、偏差値が32といういわゆる底辺校で、そこから東大合格者を出すのがミッションだが、偏差値が40に満たない県立高校出身の30代男性のOさんはいう。
「偏差値が低い高校というと“不良の巣窟”みたいな想像をされますが、決してそうとは限りません。私はヤンキーではなかったので、入学する前は身構えていましたが、いざ入学すると、不良はごくわずか。欠席、遅刻、早退をする生徒がとにかく多く、教室は静かなものです。授業中は大半の生徒が寝ており、教師もいちいち怒りません。本人も親も教育というものにまったく興味がないので、『東大に……』と叫んでもまったく響かないでしょうね。
卒業後、地元の塾経営者と知り合いになり、出身校を言うと、私の母校は教育関係者の間で“無気力校”と言われていることを知りました。喜怒哀楽が欠落していて、他人に興味が無い子ばかりだったので、腹が立つというより『何てピッタリな表現なんだ』と思いましたね」(Oさん)
いくつかの不幸が重なり、実力よりはるかに偏差値が低い高校に通ったOさんは、奮起して大学に進んだが、高校時代は「暗黒の3年間」だったそう。マンガを読むか寝ているかの同級生ばかりで、学園祭も体育祭もまったく盛り上がらず、友達はほとんどできなかったという。一方、20年以上の教師経験を持つTさん(40代男性)は、よりシビアな現実を語る。
「これまでいくつもの高校で教鞭をとり、その中には偏差値が学区ビリの高校もあって、大きなカルチャーショックを受けました。赴任が決まった時は、マンガに出てくるようなヤンキー高校を想像しましたが、予想に反して教室は静かで、生徒も授業を聞いています。けれども小テストをやると、まったく理解していない。授業のペースが早すぎるのかと思い、ペースを落としてもダメです。
生徒を見ていると、高校生とは思えないくらい言動が幼稚だったり、極端に特定のことにしか興味が無かったり、中には会話がほぼ成立しない子もいて、知能指数が知的障害ギリギリの子、発達障害の子が恐らく相当数いたはずです。低偏差値校の生徒が“アルファベットが書けない”“分数の計算ができない”などと笑いの種にされることがありますが、マジメにやってもできない子がいるということを知ってほしいです」(Tさん)
そんな重たい話がドラマになるわけはないが、「つべこべ言わずに…」と尻を叩けば誰でも出来るほど、世の中は甘くないのだ。
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『ドラゴン桜』(ドラゴンざくら)は、メディアミックス・ジャパン(MMJ)・TBSテレビ制作によりTBS系「金曜ドラマ」枠で2005年7月8日から9月16日まで毎週金曜日22時 - 22時54分に放送された日本のテレビドラマ。三田紀房の漫画作品『ドラゴン桜』を原作に、元暴走族の貧乏弁護士が平均偏差値36の高校生を東京大学に現役合格させるまでを描いた作品。阿部寛主演。
2021年4月25日から、前作の15年後を描いた続編『ドラゴン桜』が「日曜劇場」枠で放送開始。第1シリーズで主要人物を演じた阿部寛と長澤まさみが同じ役で引き続き出演する。また、TBSとMMJの共同製作だった第1シリーズと違い、第2シリーズはTBSの単独製作となる。漫画版の続編『ドラゴン桜2』が原作だが、今の時代に合わせたエッセンスを入れ、ドラマオリジナルの展開が予定されている。
あらすじ
第1シリーズ
元暴走族の弁護士・桜木(阿部寛)は、経営難の三流私立校・龍山高校に債権者代理として乗り込む。教師・真々子(長谷川京子)らを前に、学校の解散と教師の解雇を通達。だが、弁護士としての名を上げるため、桜木は解散ではなく、東大合格者を輩出する進学校にする再建案をブチ上げる。桜木は東大受験のための特別進学クラスを創設し、生徒たちの東大合格のために奮闘する。
第2シリーズ
龍山高校での成功をきっかけに、同様の底辺高校再生の仕事が舞い込むようになった桜木は虎ノ門に事務所を構える順風満帆な弁護士人生を送っていたが、2年前に依頼された高校で特進クラスの8人中7人を東大に合格させたものの、一人だけ不合格だった男子生徒・米山がナイフで桜木を刺した上に自殺未遂を起こしたことによりマスコミから叩かれる一大スキャンダルとなり、自身も消息不明となっていた。前シリーズでの教え子であり、東大卒業後に弁護士となって桜木法律事務所で働いていた水野直美は独立して事務所を設立したものの経営が行き詰っており、かつての龍山に匹敵する落ちこぼれ校「龍海学園」から翌年に東大合格者を5名出す条件で再建を引き受けることで起死回生を図る。福井県で自堕落な生活をして落ちぶれていた桜木を見つけた水野は、彼を再び教育の場へと連れ出そうとする。
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水野直美弁護士こと長澤まさみは、『コンフィデンスマンJP』の「ダー子」にしか見えないなぁと思いつつ観ています。底辺高校は発達障害の受け皿でもあります。今回のドラマでは重度のASDとはっきり分かる昆虫大好き高校生(原健太=細田佳央太)まで登場します。「桜木建二」こと阿部寛の台詞は学ぶことの本質を語るので、一言一言胸に刺さります。
日刊サイゾーの編集部は学習障害についてもう少し正確に書いてほしいなと思いました。書けないだけ、計算ができないだけで知的な差異はないのだということや、偏差値とはワーキングメモリーを含む記憶力を測ったばらつきを指しているだけだということです。今後、原健太君がサバン症候群の能力を発揮して「記憶」と「偏差値」について一石投じてくれると思います。
中止・延期。子どもたち不在で事を進めていいのか?
今年も修学旅行、運動会が中止・延期。子どもたち不在で事を進めていいのか?
妹尾昌俊 | 教育研究家、学校・行政向けアドバイザー
5/17(月) 【Y!ニュース】
新型コロナウイルスの影響を受けて、1年前と同じく、今年も修学旅行や運動会などの学校行事の中止、延期などが各地で起きています。
「楽しみにしていた運動会は中止することにしました」。10日、福岡市の小学校では校長が校内放送で告げた。1年生のクラスでは「えー」と悲鳴が上がり、「寂しすぎる」と泣きだす児童もいたという。40代の女性教諭は「なぜ東京五輪はできて、運動会はできないのか」と憤る。
福岡県教育委員会は10日、運動会やクラスマッチ、文化祭、学習発表会、修学旅行などの学校行事は宿泊等の有無にかかわらず、実施しないよう県立学校に通知。福岡や北九州、久留米、飯塚各市なども宣言期間中は運動会を実施しないと決めた。
(西日本新聞2021年5月14日)
変異ウイルスが猛威をふるうなかですから、理解できる部分も多々あります。しかし、一方的な中止等は、学校教育の根っこに関わる、別の問題もあります。
■多くの自治体が修学旅行や運動会の中止を呼びかけ
教育新聞(2021年5月7日)は、その日時点で緊急事態宣言が出ている都府県の状況を整理しています。(※5/7現在の状況。今後の状況等しだいで変更がある可能性はあります。)
東京都:学校行事で感染リスクの高い活動は中止。修学旅行は中止または延期。
京都府:学校行事で感染リスクの高い活動は中止。修学旅行は緊急事態宣言中は実施しない。※京都市も同様。
大阪府:府県間移動を伴う学校行事は中止、延期。修学旅行は緊急事態宣言中は中止・延期。※大阪市、堺市も同様。
兵庫県:学校行事で県外の活動は見合わせる方向。修学旅行は原則行わないが、一部は学校判断。
神戸市:児童生徒が接触する学校行事の活動などは中止。修学旅行は中止または延期。
愛知県:修学旅行を含め学校行事は中止または延期。
名古屋市:検討中。
福岡県:検討中。
福岡市:検討中。
北九州市:運動会や体育祭は延期
中止または延期という判断のところが多いようです。修学旅行は大人数で飲食や宿泊を伴う活動ですし、運動会、体育祭などでは接触する種目もありますから、新型コロナの感染防止の観点からは、延期等もやむを得ないという判断であろうと思います。
理解できる部分は多いのですが、一方で、とても気がかかりなこともあります。ここでは2点に整理したいと思います。
■疑問1:「中止」という選択肢しか本当にないのか?
延期はまだわかりますが、早々に「中止」を決定する自治体、学校もあります。本当に「中止」しか選択肢はなかったのでしょうか?
修学旅行について言えば、感染リスクが低い地域に変更、延期したり、日帰りの体験活動に変更したりする例が昨年度もありました。運動会なども、学年別に分けて開催したり、接触の多い種目は除いたり、保護者等の人数を限定したり(あるいは無観客にしたり)する例もありました。
こうしたことは、教育委員会も教職員もよくわかっているとは思いますがが、感染リスクが心配なので「中止」しかない、という考えのところもあるようです。
■疲弊して萎縮する学校現場
「もう少し柔軟に、幅広い選択肢から考えたらよいのに」と、私は感じますが、「行事を強行して、感染者が出たときには、すごく学校が非難される」という心配、もっと言えば、恐怖が学校や教育委員会には強いのだろう、と思います。
ある教員も「もちろん、やれるものなら、やりたいという気持ちは先生たちにもありますよ。でも、何かあったときすごくバッシングされるのはいつも学校です」と言っていました。
実際、行事にかぎらず、普段の学校で感染者が出たときも、学校の対応がマズかったのではないか、という批判、非難が多く寄せられる地域はあります。地域のかたや議員さんからクレームが入るのです。家庭内感染が主なルートであったとしても。冷静に話をしてくれる人ばかりではありません。
ただでさえ、多忙を極めているのが、多くの学校現場です。やっかいなクレーム電話に対応するのは、精神的にもすり切れてしまいます。
※もちろん、学校の対策が十分だったかどうかという検証や検討は重要なので、こうした苦言をすべて「クレーム」と見なすことも適切とは言えませんが。
「中止」とすぐに決めてしまう教育委員会や学校のなかには、こうしたこれまでの痛い経験があるため、萎縮してしまっているところもあるのです。
なお、文科省は感染対策は講じた上で、修学旅行等をなるべく実施してほしい、という考えです。再三通知を出していますが、この4月1日にも、「令和3年度における修学旅行等の実施に向けた配慮について」という文書を出しています。
■疑問2:子どもたち不在で決めていくのが「教育」か?
ちょうど約1年前の状況を振り返っても、修学旅行や運動会、体育祭、文化祭などの中止が相次ぎました。私が問題視しているのは、中止の是非というよりも、その決め方です。
すべての地域がそうだったとは申し上げませんが、一部の教育委員会や校長は、子どもたち不在でいろいろ事を進めようとしてきました。教育委員会と校長会でゴニョゴニョと協議し、早々に決めたところも多かったですし、昨年度は夏休みを大幅に短縮する動きも一方的でした。調査データがないので、推測になりますが、おそらく多くの地域では、こうした決定の前に児童生徒の声を聴いたという形跡はほとんどありません。保護者もほとんど関与できなかったところが多いのではないでしょうか。
約1年前に見られたことが、また今年も繰り返されつつあります。
本当にこんなことでよいのでしょうか?
ある学校(複数)では、修学旅行の代替となる校外学習を小6、中3の子どもたちが話し合いながら企画しました。そういう学校と、「コロナで残念だったね」で済ませる学校で、どちらが子どもたちが育つでしょうか?
■日本の教育は「従順さ」ばかりを育てている
子どもの権利条約では、子どもは自分に関係のある事柄について自由に意見を表すことができ、おとなはその意見を子どもの発達に応じて十分に考慮することを求めています(第12条)。
日本が子どもの権利条約を批准したのは1994年。25年以上経っているのに、学校や教育行政では、いまだに、子どもたちの意思や意見が十分に尊重されているようには見えません。子どもの権利・法律問題に詳しい、佐藤みのり弁護士はこう話しています(強調は引用者、大人んサー「夏休み短縮、部活動中止…子どもの意見を聞かず、大人だけで議論していいのか」) 。
こうした声(引用者注:子どもたちの声、意見)に耳を傾けず、大人だけで物事を決めてしまうと、子どもは『どうせ自分たちが意見を言っても大人は聞いてくれない』と感じ、次第に『何を言っても無駄だ』と諦めるようになってしまいます。教育が大きく変わる可能性のある今こそ、大人が子どもの意見にしっかり耳を傾けるチャンスです。
子どもの意見をよく聞き、それを踏まえて議論し、その過程や結論を子どもに分かりやすく説明することが大切です。そうすることで、子どもは大人が真剣に向き合ってくれたと感じ、今後もあらゆる場面で、自ら考え、意見を言えるようになるでしょう。
「主体性のある子どもを育てる」「自律的に学び続ける大人になっていってほしい」。こう日本中の先生たちは言うわけですが(学校目標にはそういう文言がよく入っています)、まったくきれい事ではないでしょうか?
「教育委員会や先生の言うことに黙って従うのが〝いい子〟」ではありませんよね?
■理不尽な校則を押しつけることも、根は同じ
茶髪禁止、ツーブロック禁止、スカートはひざ下5センチ、下着は白のみ。「ブラック校則」と言われることもある、合理的な理由がよくわからない校則を押しつけることも、行事の中止等と同じ根っこの問題がある、と私は見ています。
かつて荒れて生徒指導がたいへんだった時代に、頭髪や服装などを厳しくしないと、地域等からクレームがたくさん来る学校もありました。ともかく校則を守らせておけばそうしたクレームにはならないだろうという安直な考え方が教職員に引き継がれ、また、日々忙しいなかで、校則や学校の決まりを見直そうというエネルギーさえ生まれてこない。そして、子どもたちの意見表明や主体性を軽視してきたことが、こんにちまで続いているのです。
学校や教育委員会だけを責めて解決する問題でもありません。教育関係者に加え、保護者や地域のかたなど、多くのかたが、「大人の言うことを子どもたちは黙って従っていればいい」という教育をしてしまっている現実に気づき、「もっと子どもたち主体で練り直そう」、「コロナでたいへんだけれども、だからこそ、子どもたちと一緒に考えていこう」と転換できるかかどうかが、問われています。
※本稿は、拙著『教師と学校の失敗学:なぜ変化に対応できないのか』(PHP)を加筆して作成しました。
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筆者も妹尾氏の意見に同意します。一度決めたら変えられない。その理由に政権や学校の「権威がなくなる」ことを恐れているのだそうです。明治維新然り太平洋戦争然り、幕府の攘夷方針を変えることができず薩長に政権を明け渡した徳川、ミッドウェー海戦で空母を致命的に失うのに停戦協定等に移行できなかった大本営と同じです。そこに横たわっているのは、権威とか言うけど、それは言い訳でかっこつけてるだけだと思うのです。農耕型ムラ社会が足並みを揃える事で生産性を維持するために作った文化、身に染みた同調圧力が怖いだけではないかと思います。子どもと共に語り合う事は、自分たちのことは自分たちで決める自立心を育てていくのだと思います。
大阪市の小中学校 24日から通常授業
大阪市の小中学校 24日から通常授業を再開へ
05月17日【NHK】
今回の緊急事態宣言を受けて、大阪市立の小中学校が自宅でのオンライン学習と、学校でのプリント学習を組み合わせる形で対応していることについて、市の教育委員会は、今週後半から授業を段階的に再開したうえで、来週24日から通常の形での授業を再開することを決めました。
緊急事態宣言を受けて、大阪市立の小中学校では、子どもたちの感染リスクを抑えるため、先月26日以降、原則、自宅でのオンライン学習と、学校でのプリント学習を組み合わせる形で対応しています。
これについて、大阪市教育委員会は、この間、子どもの感染者数が徐々に減少傾向となっているほか、重症化した事例の報告もないとして、今週後半から授業を段階的に再開したうえで、来週24日から通常の形での授業を再開することを決めました。
具体的には、今週20日から、各学校の実情を踏まえながら授業を最大で4時間実施し、残りの時間は、オンライン学習などを行うとしています。
そのうえで、来週24日から通常授業を再開するとしています。
また、先月26日以降、午前のみの保育としている市立の幼稚園についても、来週24日から通常の保育を再開し、このうち、今年度、新たに入園した子どもについては、段階的に保育時間を延ばすとしています。
松井市長は、記者団に対し、「病床のひっ迫や、変異株の感染リスクを考慮し、子どもたちの接触機会を減らすための対策をとってきたが、幸い重症例もなかったので、通常授業に戻していく」と述べました。
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武漢風邪のピークアウトは連休前にあり、その後は下げ止まりの感があり、3月頃の100名以下にはなりそうにありません。それも踏まえて、宣言延長による学校の自粛登校の効果もあまりなかったということで、緊急事態宣言終了日の1週間前倒しで「再開」したのかも知れません。大阪市長の「幸い重症例もなかったので、通常授業に戻していく」の主語は子どもですが、もともと子どもの重症例は世界的に報告されていないどころか、無症状がほとんどです。通学自粛には結果的に意味がなく、他市と平等であるべき子どもの学習機会を根拠なく奪ったことへの取り繕いのコメントだとすれば残念です。
福島第1原発事故甲状腺検査、任意性確保に課題
福島第1原発事故甲状腺検査、理解進まず県聞き取り調査、任意性確保に課題/福島
2021/5/19【毎日新聞】
福島第1原発事故当時に18歳以下だった子どもに県が実施している甲状腺検査について、県は17日の県民健康調査検討委員会で、検査を受けた子どもと保護者への聞き取り結果を公表した。検査を受けることによる不利益や、自らの意思で検査を受けるかどうかを決める任意性についての理解が進んでいないことが明らかになった。
小中学生と高校生への甲状腺検査は、担当者が学校へ出向き、授業中などに希望者に対して実施されている。一方、学校での検査は断りづらく任意性が確保されにくいという意見や、無害の甲状腺がんの発見で心身に負担が及ぶ「過剰診断」の不利益を被るとの指摘も言われ続けている。
調査は今年3月、検査を受けた県内の高校生3人と、中学・高校生の保護者6人へのインタビュー形式で実施された。検査を授業中に学校で行うことに強制性を感じるかという質問には「半強制みたいな感じ」「時間をとってやるので、受けないのが変かな」などとの回答があった。また、検査を受けるかどうかを決めるうえで、検査による利益・不利益を知っているかとの質問には「受ける・受けないを決める考えはなかった」「デメリットは考えたこともない」「検査の情報は圧倒的に少なく、説明会をもっときめ細やかにやるべきだ」などの意見が出た。
県は今後、検査の利益・不利益を説明する文書を本格的に配る。星北斗座長(県医師会副会長)は「任意性の確保の工夫と同時に、検診の機会の容易さも考えなければならない」と指摘した。【寺町六花】
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武漢風邪のPCRスクリーニング検査で陽性になっても偽陽性もあるので罹患したかどうかは発症をみないと分からないことと同様の問題です。しかし、個人へのダメージが大きい点では比べ物にならないくらい、甲状腺超音波スクリーニングは問題が多いです。小児に関しては甲状腺癌の早期発見が再発率の低下に貢献するどころか真逆である可能性が高いという医師もいます。福島の放射能汚染の風評被害は、野菜や魚だけではありません。子どもたちの遺伝子異常の風評被害まであるからです。
超音波スクリーニングで発見される小さな腫瘍は悪性の甲状腺がんとは限らないです。しかし、今までは予防的には使われなかったこの検査が、任意ではあるけれども福島の子どもの早期発見のためにと言う大義名分で使われているのです。今までは、首にしこりなどの症状があって甲状腺超音波検査をしていたのが、症状のない人にまで拡大すれば、発見数は増えて当たり前です。そして、検査数を増やして腫瘍発見数が増えたからと言って悪性の甲状腺がんが増えたと言うエビデンスはありません。
韓国では甲状腺超音波スクリーニングでの過剰診断の問題が明るみにでてから甲状腺癌の手術件数は減少していますが、実は診断された数と手術数の割合は変化していません。つまり、甲状腺癌と診断された大多数の患者は過剰診断を知っていながらそれでも手術を受けることを選択しているのです。子供に対して癌を”放置する”という決断ができる保護者はなかなかいません。経過観察を選択したものの、数年後に不安に耐えられなくなって手術に踏み切るのです。子供にとっても甲状腺癌を経過観察するということは一生涯に渡って大きな重荷を背負わせることになります。
子供に癌患者とのレッテルを貼ることがQOLを大きく低下させる、ということを認識する必要があります。過剰診断の被害は小さな腫瘍が見つかった時点で始まっています。ところがこの小さな腫瘍が無害かどうかは時間がたたないと分からないのです。若年者の甲状腺癌の過剰診断は成人のそれより被害が深刻です。
それは問題が健康問題にとどまらず、人権問題も伴うからです。特に、福島県の子供に対しては、「遺伝子が放射線で汚染されている」「結婚すべきではない」等、心無い風評が残念ながら広がってしまっています。このような状況で子供たちに”がん”という診断名をつけることは彼らの人生に重大な影響を与えます。福島で甲状腺癌と診断された本人や家族が最も懸念しているのは健康問題ではなく「結婚」問題なのです。
不登校の「その後」見つめる
あの時ほしかったものを不登校の「その後」見つめるびーんずネット・金子純一さん(49)
2021年5月17日 【東京新聞】
七年前、仕事から帰宅すると、テーブルの上に小学三年だった長男からの書き置きがあった。「学校に行きたくないです」
突然の不登校にひどく慌て、悩んだ。「学校に行くことに意味を感じていたし、弱さや甘えを許してしまうと将来が心配だ、と思っていましたから」。一緒に風呂に入るたびに「新学期から学校に行こうな」と言い聞かせた。
長男は漢字を書くのが苦手だった。漢字ドリルの不正解だった部分に、先生が付せんをつけていく。その付せんが連なって、「ライオンのたてがみみたい」と同級生にばかにされたのだという。「漢字のない国に行きたい」と長男は打ち明け、大泣きした。
結局、新学期からも登校せず、子育てを巡って夫婦げんかに。翌朝、妻あかねさんから本を渡された。「子どもを信じること」(田中茂樹著、さいはて社)。先回りし、価値観を押しつける親の危うさが書かれていた。ぜんぶ自分のことだ、と思ったという。
「子どもが転ばないように、勝手に石をどけようとしていた。先回りはやめて、自分たちが変わろうって決めました」
二〇一八年、妻が産業カウンセラーの資格を取得したのをきっかけに、夫婦二人で「びーんずネット」の活動を始めた。不登校に関するセミナー開催のほか、不登校だった人々の「その後」に着目した事例集「雲の向こうはいつも青空」を年二回発行。今年三月で五冊目になった。
リアルで等身大の不登校を立体的に伝えるため、不登校の経験者や保護者、支える人々ら、一冊で七人のインタビューを紹介する。つづられているのは、正解のない、七人七色の雲と青空だ。読者は全国に広がり、「安心した」「勇気をもらった」との声が届く。
「不登校のその先はどうなるのか。悩んでいたあの時、まさに自分がほしかったものなんです」
長男は今、登校のない通信制高校の二年生。今年二月、肩まであった髪を切り、ファストフード店の厨房(ちゅうぼう)でアルバイトを始めた。やけどした手を見せるのも、どこか誇らしげだ。
「これで万々歳とは思わないけれども、親としてじんわりうれしい」。ほおが緩んだ。(石川修巳)
<びーんずネット>代表は妻の金子あかねさん。「まず、親が幸せになる」をキャッチフレーズに、気づきや学びの場となるセミナーをオンラインで開催。ほかにインタビュー事例集「雲の向こうはいつも青空」(税込み1100円)の発行など、不登校をテーマに活動している。詳しくはホームページへ。
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記事に出てくる「漢字のない国へ行きたい少年」は読み書き障害と思われます。小学校は毎日のように漢字の小テストがあります。先生は親切心ですが、読み書き障害の子どもにとっては、たまったものではありません。多くの学校は読み書き障害のない前提で学習を進めているし、読み書き障害のスクリーニングもしないので、苦しむのは子どもという事になります。
発達性読み書き障害の研究者で有名な宇野彰先生によると、学童期で日本語の読み書きで7~8%、英語になると10%存在すると言います。そのグレーゾーンまで含めると、無視できない数となっています。にもかかわらず、字が下手糞、書写が遅い、音読の家庭学習が不十分等といわれなき中傷を昔から受け続けてきたのです。しかし、現代は読み書き障害が発達障害の一つとして国際的に認知されているのです。これが不登校の主要な原因なら、学校は合理的配慮の不作為を問われ責任を追及されても仕方がありません。
不登校の原因は学習の問題だけではないですが、まじめな子どもであればあるほど、自分ができないのは他人がもっと頑張っているからに違いないと思い、自分を責めだんだん登校が苦しくなっていきます。学習障害を契機とする不登校だけは学校の力で防止してほしいものです。