今日の活動
「やさしいルール、どうする?」
すてっぷの小学生たちが今はまっているボードゲームが「ごきぶりポーカー」です。ごきぶりというだけで、嫌なイメージのインパクトが強いかもしれません。ですがゲームとしてはシンプルで、相手が出したカードが宣言通りか、それとも嘘かを見抜くというゲームです。
カードには8種類の生物が書かれています。どの種類も苦手な人がいるだろうという生き物ですが、どこか愛嬌のあるイラストになっています。そのカードを伏せながら対戦相手の1人に出し、それが何の生物かを宣言します。このとき、本当のことを言ってもいいですし、嘘のことを言っても構いません。出された人はその宣言が本当か嘘かを考えて返答します。本当でも嘘でも見抜けたら、カードを出した人にカードを返して、その人の手元に置きます。見抜けなかったら、そのままカードを出された人の手元に置きます。これを繰り返し続け、誰かの手元に同じ種類のカードが4枚たまるか、全8種類のカードがたまったら、その人の負けになります。
このゲームの面白いところは、多くの人の手元にカードがたまってくる後半です。例えばごきぶりが3枚たまってきた人は、誰かにカードを出す時にごきぶりカードを選ぶと、本当でも嘘でも見抜かれたら自分の手元にごきぶりが4枚たまって負けてしまいます。それが相手にもわかっているので、本当か嘘かを見抜くときの判断材料になり、より推理がはかどります。またこのゲームは3人以上でも遊べ、すてっぷの小学生たちはむしろ5、6人で遊ぶときによくこのゲームを選んで、大人数でよりいっそう盛り上がっています。
新年になって新しく用意したボードゲームの中で、特に子どもたちがはまってよくリクエストするようになったのが、この「ごきぶりポーカー」でした。大人数で遊べる中でも、基本的には1対1で相手が本当のことを言っているのか嘘を言っているのかを見抜くという内容がシンプルで分かりやすかったのかもしれません。また相手の言っていることを見抜く、または見抜かれないようにポーカーフェイスになるということは、すてっぷの小学生たちは苦手な傾向にありますが、だからこそおもしろいと感じて楽しめるのかもしれません。とは言っても、やはり苦手は苦手。中には6連続で見抜かれ続け、手元のカードがどんどんたまっていくという子もいました。そんなときは「やさしいルール」の提案。2連続でたまった人がいたら、次は他の人からというルールにしてみました。先日は始める前に、「やさしいルール、どうする?」と、採用するかどうか友だち同士で相談する姿も。一つのゲームから、新しくSSTの機会が生まれています。
アプリを使って漢字を覚えよう
じゃんぷで学習している子どもの中に,「常用漢字筆順辞典」というアプリを使って漢字の学習をしている子どもがいます。このアプリは漢字を様々な方法で検索でき,その漢字の読み方や書き順などを学ぶことが出来ます。
以前「言葉の手がかりを使って漢字を覚えよう! 投稿日時 : 2022/11/14」で紹介した子どもも今,このアプリを使って学習を進めています。個別学習の中で一年間にならった漢字のまとめ小テストをし,書けなかった,もしくは間違えた問題をこのアプリで音声検索をして正しい漢字を覚えています。
初めの方,漢字のへんとつくりが逆になっていたり,似た漢字を書いたりと「おしい!」という間違いをしていましたが,正しい漢字の書き順を順番に丁寧に取り組んでいます。じゃんぷに来て取り組む漢字の小テストも正答率が8割を超えることがほとんどとなり,成果が見えてきました。
上に挙げた子どもは継次処理が得意な子どもなので,「順番に」おちうやり方がぴったり合いました。反対に同時処理が得意な子どもには音声検索で漢字を検索させ,正しい漢字を見た上で漢字の特徴を一緒に探します。その上で漢字の作りを言葉で覚えます。イメージは「オジンオズボーン」という芸人のネタに近いような形です。
このように子どもの得意に合わせた教え方が出来るアプリが最近はよく出てきています。まさに「かがくのちからってすげー!」
メンテナンス終了とブログ再開のお知らせ
日頃よりお世話になっております。
メンテナンスが終了したので,30日(月)よりブログの掲載を再開します。ご迷惑おかけして申し訳ありませんでした。これからも何卒宜しくお願い致します。
メンテナンスとブログの一旦休止のお知らせ
日頃よりお世話になっております。
Webサーバの保守・点検作業を行っており,ブログの掲載を停止させて頂いております。
ご迷惑お掛け致しますが,今しばらくお待ちいただきたく存じます。
ブログについては何か別の方法で掲載できないか検討中ですので,決まり次第こちらでお知らせいたします。
「前よりも分かることが増えたよ」
支援学校中学部のLくんと高等部のMくんの二人で、先日『街コロ』に取り組みました。二人で設定遊びに取り組むことは久々でしたが、支援学校で同じクラスだったこともあってか、何をするかスムーズに相談を始めました。Mくんははじめ、「『ワードバスケット』はどう?」とLくんに聞きました。そばにいた職員は、Lくんはどう答えるだろうと不安げに聞いていました。
Lくんが小学生の友だちとボードゲームで遊んでいたときに、小学生の友だちがよくリクエストしていたのが『ワードバスケット』。言葉やアイディアを発想・表出したり、1ゲームの時間が短かったりという理由で小学生は『ワードバスケット』が好きだったのですが、Lくんは反対に発想・表出が苦手、でもじっくり考えて積み上げていくゲームが好み。でもLくんは小学生の友だちのリクエストを断れず、「いいよー」と受け入れて遊んでいくうちに、しんどさが積みあがっていってしまったということがありました。
さてMくんにはLくんはどう答えるだろうと職員がそばで見守っていると、Lくんは「それはぼくは苦手だからできないよ」と答えたのです! 職員はその成長に驚きました。Mくんはその言葉を聞き入れ、「じゃあ『街コロ』は?」と聞くと、Lくんは「それならいいよ」と答え、『街コロ』をすることに決まりました。
一方のMくんはボードゲーム自体が久々。高等部ということもあり、パソコン課題や作業課題など、個人の課題を優先してきました。ただ数年前に当時の小学生たちとボードゲームに取り組んだ時は、負けることへの耐性が低く、また運が悪いと投げやりになってしまいがちだったため、勝ち負けのあるボードゲームを避けていたという経緯がありました。『街コロ』はサイコロを毎回振るので運のよしあしがあり、また勝ち負けがはっきりつくゲームです。ですがMくんは、サイコロの運一つ一つは気にせずゲームを進め、落ち着いて最後までできたのです! 結果はMくんの勝ちだったので、負けのしんどさはなかったかもしれませんが、それでも終わりの振り返りのときに、「前にしたのは2、3年前だったし、前よりもわかることが増えててよかった。作戦も考えることができるようになってるし、理解もできるようになってて嬉しかった。2人だけど、このメンバーで出来てよかった。」とコメントしたことに、職員はMくんの成長を感じずにはいられませんでした。
すてっぷの1年目から在籍しているLくんとMくんの日々の頑張りが、積み重なった成果として表れたんだと職員全員が感じられた取り組みでした。